マルチリンガル医師のよもやま話

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『ロシアと戦争』を国民投票!

今年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻から早半年が過ぎました。この戦争は一向に終わる気配がありません。

ここにきて、第3の国がロシアとの戦争について国民投票を行うというニュースが出てきました。

今回はこれについて学んでみましょう。

ジョージア

ジョージアという国をご存知でしょうか?

以前はグルジアとして知られていましたが、2015年以降、日本内での正式名称は英語読みの『ジョージア』に変更されました。これ、後で解説します。

ラグビー好きの私からすると、スクラム強国として・・・(以後省略)

 

さて、日本で最近話題となったのが、ジョージアの駐日大使であるレジャバさんです。

レジャバ大使のTweetより

安倍元総理の国葬に関する議論で、”礼節”を保てない一部の人たちにクギを刺しています。冷静かつ客観的な意見で、本当におっしゃる通りだと思います。

ま、今回は国葬がテーマではありませんので、話を進めます(^.^ ;)

グルジア

やはり、ニュースを知るにはまずは背景を知る必要があります。

ジョージアは東ヨーロッパにある旧ソ連の国で、ロシアと接しています。ソ連崩壊により1991年に独立し、国の正式名称はサカルトヴェロと称しています。独立後は、反ロシア的な方向に進んでいます。

グルジア→ジョージア

旧ソ連だったこともあり、ロシア語名のグルジアという呼称もありました。日本では1956年の日ソ共同宣言くらいからグルジアという名称が一般化しました。

ところが2008年頃より、ジョージアとロシアの関係が悪化しました。

ロシアとの国境付近に南オセチアという地域があります。これはジョージアの一部ですが、ロシアの影響力が強い地域です。この南オセチアをジョージアから独立させようという動きからロシア勢とジョージアが紛争になりました。

南オセチア独立は一旦白紙に

最終的に南オセチアはロシアが独立させました。ゆくゆくはロシアへの編入を画策していましたが、今年5月に白紙化*1されました。

そんなこんなで、ジョージアは日本や韓国などロシア語風に『グルジア』と呼んでいる国々に、英語名の『ジョージア』と呼称を変更するように要請したわけです。

国民投票を検討中

そして、やっと今回のメインになります。

ニュース記事*2を参照します。

国民投票を検討中

記事によると、ジョージアの与党の主席が、与党内の会議で、ロシアとの開戦について国民の声を聞こうと言ったそうです。

南オセアチア独立のロシアのやり口は、ウクライナでのクリミア半島独立と同じです。

つまり、ウクライナとジョージアは似た境遇にあります。

ウクライナより共闘の呼びかけ

そして、ウクライナの政治家からジョージアへの『共闘』の呼びかけがあったそうです。戦争というのは、国家の一大事なわけで、国民の声を聞こう!というのが今の状況のようです。

ウクライナを欲するワケ

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乗り気ではない

もう一つ別の記事*3を紹介します。ウクライナの新聞です。

政府はあまり乗り気ではない

こちらでも、先ほどの内容を伝えていますが、ジョージア政府としては、参戦に対してはあまり乗り気ではないとのことが書かれています。

実際、ジョージアはロシアに対する多国籍の経済制裁にも参加しておらず*4中立的立場を取っています。関わりたくないということです。

そら、自ら進んで大国相手に戦争なんてリスクが大きいですもんね。では、なぜこの議論が出てきたのでしょうか?

今がチャンス!

敵の敵は味方という言葉がありますが、ジョージアとウクライナの共通の敵はロシアということになります。

しかし、ジョージアからしてもメリットがないと、わざわざ参戦はしません。

『今がチャンス』と助言

ウクライナの与党は『国民の僕(しもべ)党』と言いますが、その議員がジョージア政府に対して以前助言をしたそうです。

内容としては、ウクライナとの戦いに手こずっており、ロシアは今他の国に気を払う余裕はなく、南オセチア奪還は今がチャンスだというのです。

これを理由にウクライナとしては、ジョージアに参戦を促したという感じです。

『第二戦線』の必要性

ウクライナとしては、現状打破には、ロシアの戦力を分散させるために、『第二戦線』が必要だと言っています。つまり、どっかの国が介入してロシアとドンパチやってほしいわけです。

さいごに

いかがでしたか?

日本では国民投票はまずありません。憲法改正のときは、衆参議員の2/3以上の賛成を得た後で、国民投票と規定されていますが、そのくらいですかね。

ジョージアは2008年にロシアとやり合っており、ジョージアの一部である南オセチアなどを失いました。同じようなやり口がウクライナでも起こっています。

敵の敵は味方理論で、ウクライナとしてはジョージアに共闘を呼び掛けています。ウクライナとしては、第二戦線が必要で、ジョージアとしては、失地回復のチャンスともなり得ます。

しかし、ジョージア政府は慎重な姿勢を取っており、この是非について国民投票を行おうとしているということでした。

では、また(^.^)ノ

 

ウクライナ侵攻とワクチン

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【サク読み】アルゼンチンで謎の肺炎出現

アルゼンチンで9人が謎の肺炎にかかり、3人が死亡したという情報が入っています。

新型コロナ以降、原因不明の肺炎や肝炎などのニュースを目にする機会が増えています。それだけ世界中が敏感になっています。

今回はアルゼンチンの謎の肺炎を少し詳しく見ていきましょう。

アルゼンチン

金の化学記号はAu、銀の化学記号はAgです。

これは、ラテン語のaurumとargentumに由来しています。

はい、気づきましたでしょうか?銀の argentum ・・・アルゼンチンと関係アリです。

アルゼンチンは昔はリオ・デ・ラ・プラタと呼ばれていました。これは、スペイン語で『銀の川』という意味です。スペインの植民地でした。

アルゼンチン

19世紀の独立戦争の折に、スペイン語の名前を捨て、ラテン語で『銀』を意味する Argentumに由来して Argentina と名称変更したのです。

首都はブエノスアイレスで、公用語はスペイン語。人口は約4500万人の国です。

さて、本題に入っていきましょう。

アルゼンチンで謎の肺炎

アルゼンチンでは9月1日、副大統領の暗殺未遂があり、そのニュースが世界中で報道されています。その少し前に肺炎のニュースがありました。

英国・テレグラフ紙の記事*1を見てみます。

アルゼンチンで謎の肺炎

タイトルによると、謎の肺炎に9人感染し、3人が死亡したそうです。うむ、致死率高いですね。

非常に狭い範囲で発生

トゥクマン州の1つの診療所で、9人が謎の肺炎にかかったのです。非常に狭い範囲での感染?ですね。これらの患者は、新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ハンタウイルスの感染は否定的でした。

コロナ類似の重症肺炎

トゥクマン州の保健省によると、これらの患者に共通するものは、新型コロナによく似た両側性の重症肺炎像だといいます。しかし、コロナは全員陰性です。

コロナ類似の重症肺炎

患者から採取した検体はブエノスアイレスの大きい研究室でさらに詳細な分析を行っているそうです。

分かっていることが少ない

最初の感染者6人の発症が8月18日~22日だったようで、まだ感染者の数も少ないので、
ウイルス感染なのか?それとも環境因子なのか?調べています。

これは、2019年に武漢で『謎の肺炎』が出たときと同じような状況です。

まれなウイルスか?

記事内では英国のウイルス学の専門家の声を紹介しています。

稀なウイルス感染の可能性も

呼吸器症状を引き起こすすべてのウイルスがスクリーニング検査されるわけではありません。頻度が高いものだけが検査されています。

肺炎の原因としてコロナウイルスを調べるようになったのもつい最近(コロナ禍)です。

他の特徴に注意を払うべき

またこの教授は、コロナ対策により他の病原体の感染拡大を抑えられるので、それよりも、他に症状に特徴がないかをしっかりと調べるほうがよいと言います。それが見つかればその対策をすればよいということです。

原因判明

また、新たな感染症が流行るとイヤだなぁと思っていたところ、なんと9月5日、その病原が発見されたという報道*2が出ました。

レジオネラ肺炎だった

よかったです。新型のウイルス感染症ではありませんでした。

レジオネラは細菌で、”水”と関連する場所に増殖します。空調に使われる循環水や、入浴施設で見つかることがあり、エアロゾル感染を起こします。

高齢者や新生児、免疫機能の低下した人は注意が必要です。

レジオネラ症

抗生剤治療で回復しますが、致死率は10%ほど*3と言われています。

さいごに

突然、アルゼンチンで謎の肺炎という報道があったときは、「またか」と嫌な想像をしましたが、調べていくと以前からあるレジオネラ肺炎でした。

抗生剤加療はできますが、致死率は10%と高めです。免疫機能の低下した高齢者などがリスク群になります。

つい先日も千葉県の高齢者施設でレジオネラ症で死者が出ました*4

尚、日本では、温泉などの入浴施設がたくさんあります。それゆえに、厳しい水質調査やダクトなどの検査が義務付けられて*5います。

レジオネラの感染は尿検査で簡単にわかるので、『謎の肺炎』と騒がれるのは不思議ですが、どうやら尿検査では陰性だったそうです。

ま、どんどん広がる感染症でなかったので、ひとまず安心です。

 

では、また(^.^)ノ

男性が短命なのは運命だった

日本人の平均寿命*1は令和3年で、男性が81.47歳女性で87.57歳でした。

男女差は昔から見られ、日本では6年ほど女性が長生きです。男性の方が、暴飲暴食・喫煙などワイルドな生き方をする人が多いから?なんでしょうか。

今回は最新の研究でわかった事実をのぞいていきましょう。

平均寿命は延びている

最初に、私たちの平均寿命はどのくらい延びているのでしょうか。厚生労働省の資料*2を用いて見ていきます。

平均寿命は延びている

終戦直後は平均寿命が50歳くらいだったんですね。貧しくて、栄養状態も悪かったのでしょう。さらに、戦争で若者が多く亡くなったことも影響していそうです。

その後、5年ほどで平均寿命が10歳ほど伸びているところを見ると、やはり戦争の影響が非常に大きいです。

そして、高度経済成長期を迎え、国としても成熟し、衛生状況も改善、医療もどんどん発展し、ついには平均寿命は80歳を超えています。

女性の方が長生き

先ほどの図でもわかったようにいずれの年代をみても、日本では女性の方が6年ほど平均寿命が長いんですね。

女性の方が長生きする

実は、この事実は他の国でも当てはまるのです。例えば、アメリカでは2020年の平均寿命は男性が74.2歳女性が79.9歳です。南アフリカでは2020年の平均寿命は男性が62.5歳女性が68.5歳です。

人種差によらず、女性の方が5~6年ほど長生きなんですね。

となると、男女の遺伝子レベルで違いがあるのでは?と考えるのも当然ですね。

Y染色体

性別を決定する性染色体は、男はXY、女はXXとなります。重要なのは、男だけがY染色体をもっているのです。

性染色体とは

以前、女性天皇と女系天皇の違いについて解説しました。

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これにも深くかかわってくるのがY染色体でした。現在の皇室では男系といって、父親をたどっていくと、初代神武天皇にまでしっかりとつながります。

男系と女系について

上図では、Y(薄緑Y)が神武天皇からのY染色体です。つまり、左側の家系では、男(XY)ができる限りは、神武天皇のY(薄緑Y)が延々と続くので、男系になります。

さらに詳しくは過去記事ご参照ください。

Y染色体が短命と関係?

今回は、先日Science誌に掲載された興味深い論文*3をかなりかいつまんでご紹介します。第一著者は大阪公立大学の循環器内科の佐野 宗一先生という方で、日本語でプレスリリース*4も出しています。

Y染色体が短命と関係?

Y染色体については、いままで『性』を決定する以外に特に大きな役割はないと考えられてきました。最近、研究が進む中でそれ以外にも役割があるんじゃないかと考えられています。

Y染色体の喪失

血液の細胞は骨髄で作られるのはみなさんご存じかと思います。

骨髄の細胞を調べると、男性ならばY染色体が見られるのですが、ときにY染色体が見られないことがあり、これは『Y染色体の喪失 (mLOY)』と呼びます。

年を取るとY染色体を失う

で、どうやらこのY染色体の喪失は、加齢により起こっており、70歳の男性では4割の人に見られる*5そうです。

そして、このY染色体の喪失が、血液疾患心臓疾患アルツハイマー病自殺などに関連するということが報告*6*7*8されています。

心疾患との関連

論文によれば、イギリスのUKバイオバンクのデータを使って調べたところ、Y染色体の喪失が40%を超えると、心疾患で死亡率が1.3倍になることがわかりました。

Y染色体喪失で心疾患死亡率上昇

Y染色体の喪失は心疾患による死亡率を高めていそうだということはわかりました。しかし、まだ、これだけでは本当にY染色体が原因かまでは言えません。

次は、マウスを使って再現性を調べることにしました。

Y染色体を欠損させたマウスと普通のマウスを、ともに心不全の状態にして比べてみたところ、Y染色体欠損マウスの方が心不全の予後も悪くなり、心臓の線維化が進むことがわかったのです。

Y染色体喪失で心不全予後不良

この図はプレスリリースの図をちょっとわかりやすくコメントつけてます。

とりあえず、2つのグラフからY染色体を喪失させたマウスでは心不全の予後が悪いということです。

まとめ

いかがでしたか?

Y染色体は性別を決めるだけでなく、どうやら心臓の線維化にも関連してそうです。

そして、男性は高齢になると、血液細胞からY染色体が失われていきます。そして、これが、心臓疾患の死亡率を上げることがわかりました。

将来、Y染色体の喪失を食い止める治療が見つかれば、男性も女性と同じくらいの寿命が得られるのかもしれません。

 

では、また(^^ノ

*1:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life18-15.pdf

*2:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/dl/life18-15.pdf

*3:https://www.science.org/doi/10.1126/science.abn3100

*4:https://www.omu.ac.jp/assets/press_220715.pdf

*5:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6887549/

*6:Dumanski, Jan P., et al. "Mosaic loss of chromosome Y in blood is associated with Alzheimer disease." The American Journal of Human Genetics 98.6 (2016): 1208-1219.

*7:Dumanski, Jan P., Johan Sundström, and Lars A. Forsberg. "Loss of chromosome Y in leukocytes and major cardiovascular events." Circulation: Cardiovascular Genetics 10.4 (2017): e001820.

*8:Kimura, Atsushi, et al. "Loss of chromosome Y in blood, but not in brain, of suicide completers." PLoS One 13.1 (2018): e0190667.

『孔子学院』について学ぼう

つい先日、突如あるニュースが出てきました。

兵庫医科大学が孔子学院を閉鎖したというもの。以前から、『中国スパイ養成所』という噂のあったものです。

今回はこの孔子学院について学んでみましょう。

兵庫医大が孔子学院閉鎖

それでは、冒頭で触れたニュースを少し見てみましょう。

兵庫医大が孔子学院閉鎖

元々、孔子学院というのは、中国政府が主体となって、中国語と中国の文化を海外に広める拠点として2004年から設置を進めてきました。

日本で有名なのは立命館大学ですよね(笑)日本で初めて孔子学院を開きました。

結局、教育現場での洗脳と言うのが一番効果がありますので、学校に入り込むのは非常に有効なんですよね。

国の許可不要で教育内容も自由

で、このシステムは、まさに『性善説』を利用しているのです。

日中友好という響きのいい言葉を使って、「交流を深めよう」というと、それはいいことだ!どんどんやってくれ~ということで、内容はチェック無しなんです。

日本人は平和ボケしてますので、むちゃくちゃ危険ですね。

名前を変えて再登場

実は、欧米では以前からこの孔子学院やべぇぞ!ってことで次々に閉鎖されてきていました。

ところが、アメリカで、なんと名前を変えて再登場してきているそうです。

名前を変えて再開校

ま、そもそも『孔子』ってついてるけれど、儒教を教えるわけでも何でもありません。

ご存じの通り、アメリカは近年、中国を非常に敵視していますので、中国のスパイ養成所は排除したいわけです。

孔子学院のほとんどは閉鎖された

国務省により、孔子学院は中国共産党のプロパガンダ機関と指定され、アメリカではほとんどが閉鎖となっていました。

この辺を少し掘り下げて学びましょう。

中国政府の広報機関

孔子学院が中国のプロパガンダ機関と言うのはアメリカが勝手に因縁つけてるだけなんじゃないの?って思うかもしれません。

これについては、中国共産党の中央政治局常務委員だった李 長春氏が、新華社通信とのインタビューで次のようにコメントしています。

李 長春『共産党のプロパガンダ機関』

李 長春といえば、2009年のグーグルへのサイバー攻撃を指示した人物*1として知られています。そのくらい高位の人物です。

そんな李 長春が孔子学院は中国共産党のプロパガンダ機関であると明言*2しています。

尚、孔子学院はFBIの捜査対象*3もなっています。

アメリカ政府の援助中止

孔子学院は大学内に設置することで、大学内の監視とともに、内部への干渉を行う機関と考えられています。

大学の監視と内部干渉

内部干渉とは簡単に言うと、大学での世論形成と政治活動です。

例えば、2009年、北カロライナ州立大学がダライ・ラマを招待しようとしていたところ、内部の孔子学院が強い抗議を行い、中止となりました*4

ダライ・ラマはチベットの指導者です。中国のチベット事情を考えれば、「なるほどな」ですね。

アメリカ政府は補助金を停止

孔子学院を中国共産党のスパイ活動の場と考え、2019年、トランプ政権では孔子学院を設置した大学への補助金を停止しました。

それは困ると次々と孔子学院は廃止されていきました。

名称変更

すると、このままでは孔子学院の存続が危ぶまれることから、2020年中国政府は孔子学院の名称を変更しました。

2020年 名称変更へ

正体がバレると、名称変更って最近どっかで聞いたような・・・はて

統一教会とはいったい

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名前は変って中身も変わったのでしょうか。内部の人のコメントを紹介していました。

何も変わっていない

やはり、何も変わっていないようです。

しかし、少し変わったところがあるようです。

心理学的抑止

孔子学院の頃のように、”物理的な”監視や指示はなくなったようです。

しかし、現在、アメリカ政府から資金援助を受けれない為、中国政府のお金で運営されているわけです。

心理的抑止、自己検閲

中国政府の奨学金をもらっている学生が、中国共産党の怒るようなことをするでしょうか?例えば、天安門事件追悼式典を開くことができるでしょうか?

おそらく自重するでしょう。これは、自己検閲です。こういう、心理学的抑止が働いていることは十分に考えられます。

しかし、アメリカの大学で中国語を学ぶには、孔子学院に入るほか選択肢はほぼないのが実情といいます。

さいごに

いかがでしたか?

孔子学院は、孔子と名がついていますが、儒教を教えるわけではありません。

建前は中国語と中国文化を教える組織ですが、大学内での監視、検閲、世論工作などと中国共産党のスパイとして機能していたことがわかっています。

アメリカでは2019年以降、孔子学院をもつ大学への補助金を停止したことで、孔子学院は数を減らしました。しかし、現在、名前を変えて、活動しているのです。

平和ボケ、日本は大丈夫でしょうか?

では、また(^.^)ノ

『サル痘は主にゲイ間で感染』なぜ言わない?

日本国内でもサル痘患者が出てきたことで、報道の頻度が増えています。

以前、サル痘について記事にしましたが、基本的にはゲイ同士の間で広がっています。

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もちろん、マイノリティーへの配慮は必要ですが、どのような人がハイリスクなのかを知らせることは公衆衛生上、重要なはずです。

今回はサル痘の続報について見ていきましょう。

サル痘とは

サル痘は、通常はアフリカで見られる皮膚のウイルス感染症です。

サルと名前についてますが、サルからたまたま見つかっただけです。通常はそのウイルスをもった動物に嚙まれたりひっかかれたら感染します。

サル痘とは

感染したヒト⇒ヒトは、”濃厚な接触”で感染すると言われています。もちろん飛沫感染でも移らないとは言い切れませんがまれです。

症状は、発熱、倦怠感、発疹などがあり、潜伏期間は1~2週間ほどです。

天然痘の予防接種が効果があることが分かっています。天然痘は根絶宣言され、1980年以降予防接種がされていません。つまり若い世代は感染のリスクがあるということです。

日本メディアの自重

日本のメディアはほとんど言いません。差別や偏見につながることを気にして配慮している?とされます。

安倍元首相の事件の時も、最初は統一教会の名前を伏せていましたね。これは差別・偏見を助長するからではありませんでした。

TVが統一教会を批判すると、信者らから抗議が殺到しました。

批判すれば、集団嫌がらせ

統一教会をわかりやすく

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特定の団体やマイノリティーについて言及するとこういうことが起こります。過去の経験から、このようなことは想定されていたので、多くのメディアは報じなかったと考えるほうが自然です。

森友学園問題では、メディアは、野田中央公園や辻本清美議員の関係を一切報じなかったのも、その背後にいる恐ろしい団体の圧力に屈したからです。

森友学園の真相

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記者だって自らが脅されたり、家族に危険が及びそうならば取材はしません

そうすると、ややこしいことに巻き込まれない為に自衛策をとります。つまり、叩きやすいとこはみんなでたたく。ややこしそうなとこはスルー。

これが日本のメディアです。

『ゲイの間で拡大』

一方、世界では普通に大手新聞などで、ゲイの間で広がっているとはっきり書いています。

今回は、たくさんある中で、アメリカのCNBC*1とフランスのル・モンド紙の記事*2から学びましょう。

CNBCの記事のタイトル

これ、CNBCの記事のタイトルですが、これがすべてを物語っています。

ま、せっかくなので、本文ももう少し見ておきましょうか。

95%以上はゲイの感染

WHOの専門家のコメントを紹介しており、感染者の、少なくとも95%以上は男性同士の性行為により感染していることが確認されています。

これ、すごくないですか?なにがって、数字!みんな正直に答えたのです。

日本でこの聞き取りしたら、みんな素直に答えますかね?『感染経路不明が8割』とかなりそうですよね(笑)

複数のパートナー

いまわかっていることとしては、男性同士のSEXで、さらに複数のパートナーがいたり、不特定の相手とSEXをする人はリスクが高いのです。

複数のパートナーはリスク高い

ま、これは性感染症と同じですね。梅毒や淋病とかでも複数のお相手がいる人がリスクが高いのはわかりますね。あと、乱交みたいな不特定な人と戯れるのも危険です。

そして、WHOとしては、『するな!』とは言っていません。『減らしてね』と言っています、配慮です。

スペインとベルギー

どうやら今回の拡大より前からポツポツとゲイコミュニティーでの感染はあったようです。スペイン紙によれば4月から報告*3があったそうです。

で、今回、世界規模に広がった理由の一つに”感染拡大イベント”があったようです。

『感染拡大イベント』

スペインとベルギーであったゲイの集まりのイベントから急速に広がったことが分かっています。

他の記事を読んでいると、最近は専用アプリもあり、出会いやすくなり、不特定多数の相手とマッチングして意気投合することも増えているのです。

一応、言うとくと、grindrというアプリです。興味あれば~

女性にはうつらない?

ここで疑問が沸きます。

性行為でうつるのであれば、女性も感染するのでは?でも、感染者の99%以上は男性とのこと。

ま、医療関係者ならAIDSがなぜゲイに多いか知っているので、理由はわかります。要は、使う場所です。

さて、答え合わせしてみましょうか。

肛門での感染

そうです。想定通り、肛門での感染です。つまり、女性であっても・・・(以下省略)

 

そもそも、女性の膣の場合は、性行為での刺激に耐えれるように作られていますが、肛門や直腸はそのようにはできていません。なので、そこで繰り返し刺激を受けると傷つき、その傷から感染するというわけです。

特に男性同士では避妊具も使いませんしね。避妊だけでなく、感染予防にもコンドームは適切に。

さいごに

今回は、サル痘の続報をお知らせしました。

日本のTV報道などでは、あたかもすべての人が注意しなければいけないかのような雰囲気になっていますが、それは重要な『ハイリスク群』について言及しないからです。

通常の生活を送る分では、恐れる必要のないものなのです。

海外では普通に報道されているのに日本ではされない。たまに思うけれど、日本は本当に不思議な国です。

では、また(^.^)ノ

第7波でも1万人以上の死者

日本での新型コロナの新規陽性者数が前週比2倍という絶賛急増中であります。

メディアでは、オミクロン株以降、手のひらを返したように楽観的な報道が目立ちますが。

今回は、BA.5の報道のさらに一歩先について、データを見ながら学んでみましょう。

ポルトガルのニュース

BA.5が日本よりも先に始まった国を参考にするのは重要です。ポルトガルは高齢者も多く、ワクチン接種率も高いので日本には参考になるだろうというのは納得です。(人種という大きな違いはありますが)

ポルトガルについてはこのような報道がありました。

ポルトガル重症者少ない

ポルトガルでは、約2ヶ月ほどでBA.5の波は過ぎて、ほぼ収束していると。そして、感染者数は過去最多になったけど、重症者や入院者数は過去最少だったという報道です。

これを見ると、楽観視できそうですが、本当にそうなんでしょうか??

このニュースは『あるもの』が欠落しています。それを念頭に今からデータを見ていきましょう。

国の基本データ

今回は、先にBA.5の波が終わりかけのポルトガル、南アフリカと日本を合わせた3国を見ていきます。オミクロン株(BA.1)もその亜種のBA.5も南アフリカで最初に見つかったとされます。

まずは、それぞれの国の人口を見ていきましょう。

3国の人口比較

日本はめちゃくちゃ多いんですね。南アフリカの2倍、ポルトガルの12.5倍です。

これは非常に重要でこれだけ人口規模が違うと、感染者数や死者数を単純に比較してはいけません。なので、『10万人あたり』とか『100万人あたり』の数字で比較します。

次に年齢層*1見ていきましょう。

3国の人口ピラミッド(Population Pyramid.netより引用)

日本とポルトガルの人口ピラミッドは似ていますね。一方で、南アフリカは高齢者が少なく、人口の9割が60歳未満という集団です。

ということは、南アフリカが一番若くて体力のある人口割合が高く、重症者や死者は少ないはずですね。ここまで抑えておいてください。

新規陽性者数の比較

(以下、Our World in Data*2を利用)

それでは、3国の100万人当たりの新規陽性者数を比較して見てみましょう。

3国の新規陽性者数の比較

ちょっと見にくいですが、ポルトガルが非常に多く、日本は少なく、南アフリカはめちゃくちゃ少ないですね。

ただ、南アフリカは医療体制的にも検査が十分にできないという点を考慮しなければいけません。実際は、もっと多いと想定されます。

新規死者数の比較

続いて3国の新規死者数(100万人あたり)を比較します。

3国の新規死者数の比較

これも見にくいですが、当然、コロナ陽性者が多い所で死者が多いはずです。なので、ポルトガルが一番多いですね。

日本やポルトガルのように高齢者が多い国では、陽性者数が増えると当然死者も増えるのです。

一方、新規陽性者数が一番少なかった南アフリカは、オミクロン初期で死者がかなり出ていることもわかりますね。さきほど言ったように検査体制もあり、過小評価されていますから、当然コロナ死者も過小評価されます。

コロナによる影響をさらに広く見るために超過死亡でも比べてみましょう。

3国の超過死亡数の比較

はい、南アフリカ圧倒ですね。これは、先ほどまで言ってた通り、コロナ陽性者が過小評価されたために、検査されずに亡くなった人がたくさんいるということです。

日本はごくわずか。というか、日本は過去2年間がマイナスだったので、その反動が今出ているのもあります。

『弱毒』と言われるオミクロン株で一番被害を受けたのはどこですか?もちろん、人口の9割が60歳未満の南アフリカですね。

ワクチン接種率

これらの死者数の差はなんでしょうか。もちろん南アフリカにはエイズ患者が多く、免疫不全の人が多いのも理由の一つでしょう。あとは、ワクチンの接種率です。

3国のワクチン接種率の比較

南アフリカでは2回以上の接種率は35%ほどです。もちろん、若い人が多いから打たないというのもありますし、エボラなどもっともっと致死率が高い感染症が蔓延するアフリカでコロナは脅威でないと思われているのもあります。

抜け落ちているもの

さて、話は戻って、最初に紹介したポルトガルのニュースで抜け落ちているもの、それは死者数です。

自分の患者さんでもそうですが、オミクロン株による第6波のとき、重症化して亡くなったのではなく、軽症~中等症のままなかなか改善せず亡くなったり、持病が悪化して亡くなった人が多かったのです。

つまり、重症者数と死者数に乖離があったのです。なので、重症者数だけでなく死者数にも言及が必要なんです。

ポルトガルでの死者の推移

ポルトガルではオミクロン初期の波で最大1日に59人、BA.5の波で最大1日に51人死者*3が出いています。日本の人口に換算すると1日に600~700人が死亡していることになります。

もちろん、人種、マスク、気候など相違点がたくさんありますから日本でそこまでにはならないでしょう。

ただ、ポルトガルのBA.5の波を見ると、オミクロン初期の波と同じような山を描いていますね。

第6波と同程度の死者が出るか

つまり、日本でも第6波と同じような死者数(=1万人以上)が第7波で見られることも想定されるわけです。

まとめ

今回、この3国の比較でわかったこととしては、次のようになります。

3国からわかること

日本やポルトガルのように高齢者が多い国では、当たり前ですが、感染爆発があると死者が増えます。

今回のニュースからしっかりと学ぶべきことは次のようになります。

今回のまとめ

とりあえずできることは限られています。高齢者・脆弱者の方は追加接種で命を守り、他の人は2ヶ月ほど感染対策しつつ嵐が過ぎるのを待つのみです。

コロナは決して『ただの風邪』ではありません!(もちろん軽く終わった人にとってはそういう感想かもしれませんが。)

では、また(^.^)ノ

【サク読み】コロナ2022年終息説

急速な感染状況の悪化に「またか」というのが正直なところ。

実際、この冬のオミクロン株が広がった時は、『弱毒』『ただの風邪』という雰囲気が相当ありました。実際は、第6波だけで3ヶ月の間に1万人以上の死者を出しました。

BA.4 と BA.5 について

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さて、今回のBA.5はBA.1やBA.2よりも肺に感染を起こしやすい(ハムスターの実験)こともわかっていますが、重症化や致死率が特に高まったという報告は現時点でありません。

今回は、そんな暗い気分を少し慰めてくれる研究を見ていきましょう。

中国からの研究

今回ご紹介するのは中国の広東省にあります、仏山科学技術学院からの研究*1です。

コロナ2022年終息説

このような言説は過去にもいろんな人が言うてきましたが、はっきりとしたものではなく、「たぶんこうなるんちゃうかなー、(まぁ、知らんけど)」レベルでした。

しかし、今回のは、

コロナ2022年終息か

データに基づいて、2022年に終わる可能性があることを報告しています。

ふむ、少し読んでみましょうか

インフルエンザと比較

この研究では世界中の、コロナ感染者数や死者数のデータを用いており、インフルエンザと比較して見ていくという方法のようです。

インフルエンザと比較

インフルエンザにより、全世界で毎日、平均 1300人の命が失われているそうで、この数字を指標にします。また、インフルエンザの致死率はアメリカのデータを用いて0.12%を指標とします。

新型コロナウイルス感染症とインフルエンザでは、ともに死者は65歳以上の高齢者が大多数である点は共通しています。

致死率は低下

本文のグラフを参照します。少し見にくいです、すいません。

全世界の感染者数と死者数

水色の波(全世界の1日あたりの感染者数)を追いかけると、2022年に入ってから、オミクロン株の拡大により爆発的に増加していますね。

一方で、オレンジ色(全世界の1日あたりの死者数)を追いかけると、2021年以降は右下がり傾向ですね。

この減り具合を分かりやすくしたのが、赤い破線です。この下がり傾向が続けば、死者数はこれから緩やかに減っていくよという、グラフです。

致死率が低下

死者数が減って、感染者数が増えれば、当然致死率は下がります。

今の感じで同様に致死率が緩やかに下がっていくという予想を示すのが青色の破線です。

インフル並の死者数になるのは

先ほどの見にくいグラフから数字を見ていきます。

コロナによる死者数は減り続ける

2021年の1月は1日で1万3000人が亡くなっていたのは衝撃的ですね。

先ほどやったように、インフルエンザの全世界死者数が1日で1300人ですから10倍ですね。

そして、今の流れでコロナの死者が減っていくと、2024年の2月にインフルエンザと同等レベルの死者数に落ち着くという予想です。

致死率でみると

続いて、先ほどのグラフの致死率を見ていきます。

致死率も下がっていく

2020年4月の全世界での致死率は10.5%ととんでもない威力ですね。

最初に覚えた、インフルエンザの致死率が0.12%でした。その数値になるのが、予測では2023年の3月ということです。

2022年に終わるかも

これらをまとめると次のようになります。

まとめると

 

全世界での新型コロナの致死率がインフルエンザ同等になるのが、2023年3月の予想ということで、これを『終息』の指標とすれば、2022年中にほぼ終わりと考えれるということです。

致死率を指標にすれば2022年に終息

(全世界での)致死率を指標にするならば、2022年いっぱいでインフルエンザ並みとなり、『終息』といえる。ただし、2023年までは、死者数はインフルエンザの2~3倍出ることになりそうです。

過去のインフルエンザによるパンデミックもすべて1年~2年で落ち着いた*2ことを考慮しても、この結果は妥当であると述べています。

感染とワクチン

世界中で大多数の人がワクチン接種を受けたり、感染したりである程度の免疫ができたことで、致死率が下がっていき終息に向かっています。

免疫逃避変異株

ここからが重要です。

免疫逃避する変異株の登場

感染や接種による免疫をかいくぐる変異種が登場するだろうと。しかし、繰り返される感染などで人々の『集団免疫』はその度に強化されるため、往々にしてそれらの毒性は強くないとされます。

(この研究はまだBA.4やBA.5が見つかる前のものです。)

今、拡大しているBA.5も免疫逃避すると言われていますね。しかし、重症者が急増している様子はなさそうです。

ただ、重症化無くジワジワと体力を弱らせて死亡というのが第6波では多かったです。まだ楽観視はできません。

さいごに

コロナ禍が始まって2年半以上経ちましたが、一向に先が見えません。

現代では世界中が流通などでつながっています。人々の往来も過去にはないくらいに頻繁に行われています。そういう意味では、医療後進国も含めた世界全体での状況を俯瞰する必要があります。

今回ご紹介した研究はまさにそれで、全世界での死者数や致死率の推移を見ながら、いつくらいにインフルエンザレベルに落ち着くかというものでした。

では、また(^.^)ノ

*1:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9088340/pdf/JMV-94-2845.pdf

*2:Saunders‐Hastings PR, Krewski D. Reviewing the history of pandemic influenza: understanding patterns of emergence and transmission. Pathogens. 2016;5:66

『特定の宗教団体』と『元海上自衛官』

安倍元首相が銃撃された事件が世界に衝撃を与えました。個人的にかなり好きな政治家だったのでショックです。

そんな中、逮捕された山上容疑者の報道は、いつもながら日本のメディアの謎が見られました。隠すところとわざと示すところ。

今回はこの辺のぞいていきましょう。

アメリカでの報道

日本の大手メディアは全て『特定の宗教団体』と伏せた報道。一部週刊誌は名前を出しています。

こういうときは、海外メディアを見ればすぐわかります。今回はワシントンポストの記事*1を見てみましょう。

山上容疑者の母親の宗教問題

これは日本メディアでも報じられている通り、山上容疑者の母親は宗教にのめり込み多額の献金をし、破産しました。お父さんは山上容疑者が小さいときに死別しています。

安倍氏に対する八つ当たり

山上容疑者は元々その宗教の教祖を殺そうと画策しましたが、無理だったので代わりに安倍氏を狙ったと供述しています。ただの八つ当たり。

統一教会の信者

日本メディアはまったく宗教の名前を出さないので、創価学会説や統一教会説など、いろんな憶測が飛びました。

容疑者の母親は統一教会の信者

7月10日のワシントンポスト紙で、匿名の統一教会の職員を直撃し、山上容疑者の母親が統一教会の信者であることを確認しています。

銃は統一教会にそぐわない

ちなみに統一教会のアメリカ支部が声明を出しており、今回の銃撃事件を強く非難するとともに、銃器は統一教会の信仰にまったくそぐわないとしています。

統一教会とは

統一教会ってあまりなじみがない人もおられると思います。

1954年に韓国でできた宗教で、”キリスト教系”だと主張しています。創設者は文 鮮明(ムン・ソンミョン)氏です。

統一教会と反共産主義

そもそも、1950年に勃発した朝鮮戦争が大きく影響を与えています。韓国主体での南北朝鮮の”統一”をめざすのが礎になっています。

朝鮮戦争(ユギオ)を詳しく

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リーダーの文 鮮明はバリバリの反・共産主義者だった*2ので、彼の考えは当時アメリカなどに受け入れられやすかったのです。

そういった背景からも1965年以降、文ら幹部らは統一教会の拠点をアメリカに移しました。

だから、今回の事件でアメリカ支部が早くに声明を出したわけです。

日本と統一教会

冷戦時代は日本でも反・共産主義が広がっていました。日本に原発が置かれた理由もアメリカがソ連に対抗するためでしたね。

日本に原発ができた理由

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そして、日本でも統一教会が広められることになりました。

反・共産主義といえば、日本の保守、自民党が関係します。1968年、元総理大臣の岸 信介氏(安倍晋三氏の祖父)らが協力して日本で『国際勝共連合』という政治団体を設立します。

岸信介と統一教会

これは”統一教会”が母体となる政治団体です。

統一教会で、有名なのが合同結婚式ですね。未婚の信者たちが文 鮮明に写真を送って、マッチング*3してくれる昭和版:ペアーズ or タップルですね。笑 

そして、合同で結婚式を行い、なんと、夜の営みまで細かい指示がある*4そうです。

芸能人では桜田淳子さんの件で合同結婚式は有名になりましたね。

あとは霊感商法でたくさんの被害*5を生み出してきました。フランスでは、カルト宗教と指定されています。

安倍元首相と統一教会

安倍晋三氏は統一教会の信者ではありません*6

ただ、祖父である岸田信介 元首相が統一教会の日本での展開に関係しています。

安倍晋三氏も、統一教会系の集会でビデオメッセージを送っていることは、共産党系の新聞赤旗が報じて*7います。共産 vs 反・共産の構図ですね。

世界で多くの主導者がスピーチ

ちなみに、トランプ大統領も同様に統一教会系の集会でメッセージを送っています。

政治と宗教は実際切り離せません。なぜなら、宗教は票を集めるのが簡単だからです。お願いすれば組織票が入るわけです。

政治家がどこからしらの宗教団体や組合と関係があるのは決して珍しいことではありません*8

反日で反共産主義という矛盾

そもそも、統一教会で霊感商法とかがあったのは日本だけなんですね。日本でお金を集めて韓国に送金する*9というものでした。韓国がアダム(男)で日本がエヴァ(女)という、上下関係(男尊女卑)があって、基本的には”反日”思想です。

そう考えると、統一教会と、自民党などの日本の保守層は相容れないのですが、昔の反共産という共通点でつながっており、選挙活動などで利用してるんでしょう。

”元・海上自衛官”

宗教団体については名前を明かさなかったメディア。

その一方で、15年も前にたった3年だけ属した海上自衛隊というのは大々的に報じる。これには違和感があります。宗教団体には配慮するけど、自衛隊には配慮しないのでしょうか。

ま、これは考えたらすぐわかるのですが、『外国人犯人説』をつぶすためでしょうね。

大きな事件があると、『○○人が犯人』とかそういったデマが流れて、信じる人も出ます。公務員や自衛官は日本国籍を持っていることが必須ですから、この『元自衛官』というパワーワードで「犯人は日本人だぞ!余計なデマは流すなよ」というメッセージです。

『在日犯行説』デマを一蹴

この毎日新聞の記事*10を見ると、確信が持てますね。

さいごに

今回の事件の報道を見てみると、宗教団体の名前は伏せて、15年も前の海上自衛官という情報だけが強調されていました。

警察が宗教団体名を明かしていないので、ウラが取れていないからメディアは報じなかったのか、『宗教論争』を嫌って伏せたのかはわかりません。

一方で、昔の自衛官であることは大々的に報じられたのは、『デマ』を自重させる目的が働いているとみるのが自然でしょう。

いずれにしても、安倍さんのご冥福をお祈りいたします。

では、また

『アニサキス急増』の実態

最近、有名人が痛い目に遭ったことでよくTVで登場するアニサキスですが、いままで存在を知らなかった人も多いのではないでしょうか。

最近の報道を見ると、コロナ禍にアニサキスが急増しているように思えますが、実態はどうでしょうか?

アニサキス

医者はみんな学生時代に寄生虫とか授業で習うので、確実にアニサキスのことは知っています。でも、実際にアニサキス症の患者を見ることは消化器内科以外だとマレでしょう。もちろん僕も見たことありません。

アニサキスというのは、細菌とかウイルスではなく、小さな虫です。

内閣府 食品安全委員会 ファクトシートより

イルカやクジラの腸の中に住んでいるのですが、卵は便とともに海に排出され、孵化します。すると、それを食べたイカなどの甲殻類やサバの内臓でまた増えるんです。

で、人間がこれらを食べると、まれに胃の中で暴れちゃうっていうのがアニサキス症です。(体内に入っても95%以上の人は無症状と言われています。)

アニサキス対策

イカの握り寿司って、包丁で切れ込みが入っていますよね?あれは、取り除けなかったアニサキスがいてもそれで殺せるようにしています。

サバってあまり生で食べませんよね?もちろん、サバは鮮度が落ちやすいのもありますが、アニサキスのせいでもあるのです。

アニサキス症の治療

アニサキス症に特効薬はありません。

昔、正露丸が効くっていう話もちらっと耳にしたことがありますが(笑)試験管内ではアニサキスの殺虫効果が見られた*1ようです。

胃の壁に入り込んだアニサキスを取り除くのは、基本的には内視鏡で胃の中を覗きながら、つまみ出すしかないのです。取り除けば、胃痛などの症状は回復します。

厄介なのは胃からさらに進んで腸に嚙みついたときです。この時は手術です。

アニサキスの予防

では、予防法はあるのでしょうか?

アニサキスは肉眼で見えるサイズなので丁寧に取り除くしかないです。

それ以外には、70℃で1分以上の加熱か、-20℃で24時間以上の冷凍でアニサキスを殺せます。

アニサキスを殺すには

「じゃあ、冷凍すりゃ生で食べれるじゃん」となりますが、一度冷凍すると、食感や色調変化が起こりよろしくないそうです。

結論、一番確実なのは生で食べないことです。(笑)食中毒の基本ですね。

日本人は生で魚を食べる

海外では生で魚を食べるなんて日本人 CRAZY と考えられてきましたが、近年は日本食の人気もあり寿司などが世界的にも食べられるようになりましたね。

要は、日本では、海に囲まれており新鮮な魚介類が手に入りやすいことと、昔から生で魚を食べる文化があったので、対策が構築されてきたのですね。

アニサキス増えてる

さて、では日本の状況を見てみましょう。

先ほども書いた通り、日本では生食の文化がありますね。ということは、当然リスクは高くなります。

アニサキスが最多

実は今や食中毒の報告で一番多いのはアニサキス*2なんです。意外ですよね。O-157とかカンピロバクターではないんです。

因みに、アニサキスが食中毒として位置づけられたのは、1999年とまだ歴史は浅く、さらに、保健所への報告義務ができたのは2012年とまだ10年しか経っていないんです。

やっと報告数が増えている

つまり、アニサキスが増えているというよりは、義務化以降報告が段々増えていっている最中であるというのが実際なんでしょう。

今までは過小評価されてきたということですね。

意外な落とし穴

大学でアニサキスを学んだ時も、代表例としてイカとサバを習ったのを覚えています。特に太平洋側で獲れたサバでアニサキス症を起こしやすいこと。(日本海側と太平洋側でアニサキスの種類が違うから)

イカやサバは有名なので知っている人も多いでしょうが、その反面、「それ以外は大丈夫」って思われがちなんですね。

イカやサバ以外にもアニサキス

実は、近年のアニサキス症の報告を見ていると、アジやサンマの刺身、しめ鯖、キンメダイのカルパッチョなどが多いのです。また、少ないながらサケの生食でも報告があるのです。

ちなみにシメ鯖は塩締めや酢締めにすると思いますが、それでもアニサキスは死にません

さいごに

いかがでしたか?

アニサキスが増えているのは、流通の発達もあるでしょうが、食中毒の届け出義務ができてまだ10年弱で、今増えているところというのが一番大きいでしょう。

有名なイカとサバ以外の魚でも、アニサキスを起こしていることは知っておく必要があります。

日本食では生で魚を食べることが多いので、自分たちでも気を付けましょう。肉眼で見えます。

しかしながら、実際は体内に入ってもほとんどは無症状です。恐れすぎないようにしましょう。

では、また(^^ノ

 

ノロウイルスの秘密

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*1:Matsuoka, K., Matsuoka, T., [Over-the-counter medicine (Seirogan) containing wood creosote kills Anisakis larvae] Open J. Pharmacol. Pharmacothr. 6 (1) 9-12 (2021).

*2:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html

BA.4 と BA. 5 の意味するものとは

昨年末にオミクロン株の流行が始まり、日本でも遅れて入ってきました。

その後、マイナーチェンジしたBA.2というものが見つかりました。2~3月の寒い間は日本でも暴れましたが、それ以降はわりと静かになりました。

しかし、世界では現在BA.4, や BA.5が大きな感染の波を作っています。今回は nature briefing の記事*1を引用しつつ、BA.4, BA.5について見ていきましょう。

南アフリカで発見

オミクロン株が最初に発見されたのは南アフリカでしたね。(ボツワナ説?もあります)そして、今回のBA.4とBA.5が最初に指摘されたも南アフリカで、感染拡大し、他国でも発見されるようになりました。

BA.4、BA.5は致死率低い?

どうやら、今までのオミクロン株よりもさらに重症化率や致死率は低そうです。これはうれしい話です。ワクチンや既感染により免疫記憶を持つ(=重症化予防)人が多くなっていることが要因と考えられています。

BA.4とBA.5

BA.4やBA.5はBA.1よりもBA.2❨ステルスオミクロン❩に似ているようです。

細胞への接着能up、免疫逃避能up

ただ、イヤな特徴としてヒトの細胞への接着能がupしており、さらにワクチンや既感染により得た免疫を逃避する能力(=感染しやすさ)が高いのです。

BA.2とされたものが実は・・・

よく似ていることが原因で、過去にBA.2とされてきたものを調べてみると、実際はBA.4 だったり BA.5 だったことがわかったものもあり、現在出されている割合以上にBA.4やBA.5が既に広がっている可能性があるようです。

免疫逃避能

通常、変異したものが置き換わる時は、感染力の強さがモノを言います。

今回のBA.4やBA.5に関しては、それ以上に過去の免疫を逃避する能力を有していることが、感染拡大に結び付いているようです。

免疫逃避能

これの意味することは、過去にオミクロン株やデルタ株に感染していても、BA.4やBA.5の感染を免れることはできないのです。ワクチンも恐らく同じです。(重症化予防はある程度保たれている)

となると、どうすればよいのか。

大半の人が罹るしかない

重症化率がさらに低く、過去の免疫も効果なく、ワクチンもおそらくダメで、(欧米のようなコロナ規制ない国では)大半の人がBA.4 or BA.5 に感染(無症状含む)して集団免疫に達するしかないという結論になります。

BA.2よりも致死率高い?

しかし、ハムスターを用いた研究ではBA.4 やBA.5はBA.2よりも肺に感染しやすく、致死率が高いという報告*2もあります。あまり、感染はしたくないですね。

社会への影響

それでは、BA.4やBA.5による社会への影響はどうでしょうか?

最初に見つかった南アフリカでは感染者数は多かったものの、入院患者や死者の数はそれほど増えていません。

南ア:死者増えていない

同じ南アフリカで比較して、BA.1のときと同じくらいの重症化率で、致死率は少し低いとのことです。これは安心ですね。

しかし、個人的にはこの話をそのまま受け入れるのは無理だと思います。

南アフリカは超過死亡がスゴい

このブログでは何度か扱っていますが、南アフリカは人口の9割が60歳未満の重症化リスクが低い国なのに、特にオミクロン株以降、超過死亡が圧倒的に多いのです。要因は、もちろん医療水準もあるでしょうが、ワクチン接種率の低さ(31%)*3は関係あるでしょうね。

オミクロン株では、デルタ株のときのように派手な肺炎とかがないので重症者も少ないのですが、体力ジリ貧で亡くなる人を実際何人も見てきました。

症状が派手でなく、南アフリカの人口は基本若いので受診・検査しないまま亡くなったと考えるのが超過死亡の説明として自然ですね。

南アフリカは超過死亡が!

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ポルトガルでは

国民の87%が2回以上接種済*4のポルトガルではどうでしょうか。こちらは、南アフリカと違って高齢者も多いです。

ポルトガルでは?

BA.4 or BA.5 による入院率や致死率はBA.1と同程度ということでした。日本も接種率が高く、高齢者が多いので、こちらのデータの方が参考になるでしょう。

ということは、BA.4 or BA.5 が日本で拡大すればこの前の第6波と同じ程度の致死率になるのではないかと考えられます。いくら致死率が低くても、感染者数が非常に多かったため結果的に死者も多かったですね。楽観視はできません。

今後の展望

それでは、今後コロナはどうなるのでしょうか?

①オミクロン株の亜種

これは、誰もが予想できることで、オミクロンのマイナーチェンジが続くだろうという説です。ふむ。

⓶新たな変異株の登場

そして、当たり前ですが、新たな変異株の登場。もしくは、生き残りの亜種の登場です。以前、記事にしましたが、実は今もデルタ株だけは生き残ってるんです。

デルタ株復活の可能性

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そして、最終的には、やはり新しい『風邪』になるのではないかと書かれています。

新たな風邪になる

おそらくそのように落ち着くでしょう。ちょっとややこしいインフルエンザがもう一つ増えるという形ですかね。

さいごに

いかがでしたか?

BA.4 や BA.5 は免疫逃避能が指摘されており、過去の感染やワクチンによる予防は期待できません。

重症化率や致死率が低いのであれば、個人でできる範囲の対策をするしかありません。しかし、むやみやたらに感染するという方法は危険です。ハムスターでは肺に感染しやすいという研究もあります。

結局、新たな風邪に落ち着くまでは、最低限の対策をする必要がありそうです。

では、また(^.^)ノ

【サク読み】シンガポールでデング熱緊急事態

シンガポールでデング熱が!!というニュースを見た方もおられるでしょう。

今回はこの件について学んでいきましょう。

コロナ規制の緩和

まずはシンガポールの新型コロナウイルスの状況を見ていきましょう。

今年の1月から4月にかけてオミクロン株による大きな波を経験しましたが、その波もだいぶ下火になっております。

シンガポールの状況(Reutersより)

それに伴い水際対策も緩めており、海外からの入国も緩和されております。

また、同時に、国内でのコロナ規制もほぼほぼ全廃で、現在は屋内で一部マスク着用が必要になる程度*1です。

新規感染者は下げ止まっていますが、1日5人以下と死者も少ないため、元の生活に戻すという方向で進んでいます。これは他の多くの国でもそうですね。

デング熱が急増

コロナの規制を緩めると、今まで静まっていた感染症が目を覚ます。。。なんてことは見られています。

例えば、オーストラリアではすでにインフルエンザの流行が見られており、コロナとの同時流行を示しています。

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現在、シンガポールでデング熱が急増していることは、はたしてコロナ対策の緩和と関係があるのでしょうか?

『緊急事態』

CNNの記事*2を引用しつつ、解説します。

例年よりも早い大流行

そもそもシンガポールではデング熱はほぼ毎年発生するのですが、今年は例年より早くに大流行しているといいます。

いつもは6月にだんだん症例が出始めて、8月~9月頃にピークを迎えます。

デング熱が大流行

在シンガポール日本大使館の出しているグラフ*3を使わせていただきました。

これを見ると、2018年と2021年は大きな流行はなかったのですが、大体8~9月にピークを迎えていることがわかります。一方で、2022年の赤い線はかなり早い段階で急増を迎えているわけです。

気候変動が原因か

専門家たちは、この大流行は気候変動によるものであり、シンガポールだけでなく、他の国でもこの問題に注視する必要があるといいます。

気候変動による影響か

そもそも、デング熱というのは、インフルエンザや新型コロナのように人から移される感染症ではなく、蚊に刺されて感染します。熱帯地域に多い感染症です。

つまり、私たちの手洗いとかマスクとかそういったこととは関係がなく、蚊の発生に影響を受けるのです。

ただ、まぁこの数年で急に、というのはさすがに気候変動が早すぎるので今年が特段早いだけで来年は元に戻るかもしれません。

デング熱とは

すこしここで基本的な知識を学んでおきましょう。

デング熱はデングウイルスの感染により高熱、関節痛、筋肉痛などが起こります。

このウイルスは蚊が広めており、蚊に刺されて感染します。ネッタイシマカなどが有名で、熱帯や亜熱帯地域に生息しています。人から人に移ることはないです。

デング熱について

8割は無症状で、有症状でもほとんどが軽症*4とされていますが、数%の確率で重症化*5し命に関わる場合もあります。

2回目の感染の時に抗体依存性感染増強(ADE)が起こり、重症化するのではないかという仮説*6があります。

蚊に刺されないことが重要

ワクチンは存在しない為、予防は蚊に刺されないことになります。

他人事じゃない

そんな病気、聞いたことないし、東南アジアの病気でしょ!

今まではそれでよかったのです。そちらの方面に海外出張や旅行する人だけが注意する病気でした。しかし、今は違うのです。

今から8年前の2014年、東京・代々木公園で海外渡航歴のない人たちでデング熱が発生したことを覚えていますでしょうか?

実際、その時に代々木公園で採取された蚊からデングウイルスが見つかって*7います。

もはや他人事ではない

 

国際化の時代、感染症は今までにない速度で世界中に広がります。

熱帯地域でのみ広がっていた感染症も、地球温暖化により、日本でも広がりやすくなったと考えられます。

恐るべし地球温暖化。

さいごに

いかがでしたか?

シンガポールでは今年、デング熱が例年になく早い時期から急増しています。

デング熱は元々熱帯・亜熱帯地域に生息する蚊を介して感染していました。多くは無症状ですが、まれに重症化し死に至ることもあります。実際、今回の感染拡大では1人が亡くなっています。

グローバル化とともに、特定の地域の感染症も世界中に広げられるようになりました。

そして暑い国でしか流行しなかったものが、地球温暖化により他国でも定着するようになってきている。

日本でももう他人事ではなくなっているのでした。

では、また(^.^)ノ

脱サラコンビニオーナーの現実

子供の時に、「○○君のお父さん、脱サラしてコンビニ経営始めた」的な話は何度か耳にしました。”社畜”と揶揄されるサラリーマンを辞めて、自らの城を築く!

コンビニ経営なら特別な資格や特殊技能も不要で、参入ハードルが低いと言われていますが、実態はどうでしょうか。

今回はよくニュースで見かける"7-11"をメインに見ていきましょう。

ハードルが低い

まず脱サラして、個人事業主になる時、特殊な資格や技能があれば話は早いですが、そうでなければどうするかです。

そんなときに、コンビニは参入ハードルが低いのです。

参入ハードルが低い

大手のコンビニチェーンのフランチャイズとして開店すれば、商品も宣伝もお任せで、あとは客を捌くだけでいいわけです。

最初にもちろん研修があります。必要な知識やノウハウも教わります。

また、開業後は本部からカウンセラーが来てアドバイスをくれたり、本部で定期的に開かれる会議で情報を得ます。

フランチャイズ店舗

開業資本金は200~300万円ほどあればいいとのことで、それだけ何とか用意すれば後は敷かれたレールの上を走るだけ・・・

ま、その考えは甘いです!!

店長の年収

さて、気になるのがオーナーの年収です。

コンビニ経営の年収は大体550万円で、セブンイレブンは高く700万円ほどのようです*1。どうせならセブンイレブンでオーナーしたいですね(笑)

もちろん、各店の売り上げによっても変わります。

コンビニオーナーの年収は

日本の平均年収が約435万円(中央値は約396万円)*2なので、脱サラしてコンビニ経営というのもうなずけますね。

思ったより少ない

ところで、僕個人的には、毎日すごい数の客を見かけることから、もっと収入が高いと思っていました。そうなんです、実は吸い取られているからです。(笑)

脱サラして個人経営になって、自分の城を築いたはずなのに。。。

ロイヤリティー支払い

フランチャイズは名前を借りてお店をするので、売上の一部がロイヤリティーとして吸い上げられるのです。それは、数%ではありません、60-70%程度*3です。

本部からすれば、そりゃ会社の名前を使って客を集めて宣伝費も払ってないんだから当たり前だろって感じですかね。

ランチェスター戦略

ここからはもう少し踏み込んで見ていきましょう。

ランチェスター戦略という言葉をご存知でしょうか?これは、兵法の考え方で、弱者がどうやって勝つかという戦略論です。

ランチェスター戦略

分かりやすく言えば、強者は、小さい戦いをするのでなく広範囲で戦い勝利を目指すべき、弱者が強者に勝つには、局所的に集中させるべきであるというものです。

ビジネスでも応用されており、中小企業が、大手企業に勝つには手広くやってもダメで、得意分野をどんどん突き進み差別化を図るべきとされています。

ドミナント戦略

ランチェスター戦略の弱者の戦法は、一極集中です。これに関係してくるのがドミナント戦略です。

ローソンなどの強者は、とりあえず一気に全国展開をしていきます。セブンイレブンは、その反対でまず小さい地域から局所的に攻めてゆっくりと全国展開という流れで、今や全国に2万店を超える最大規模になりました。

ドミナント戦略

その中で、マーケティング調査の上、ある地域を選定すれば、そこにセブンイレブンを集中的に作ります。そうすることで、その地域で「コンビニ=セブンイレブン」の意識が出来上がります、これがドミナント戦略です。

こうして、同じ地域内にたくさんのセブンイレブンが見られるようになりました。

この戦法は、スターバックスも行っておりました。たしかに、「やっと徳島に!」「鳥取にもできた」という風に全国展開は遅かったですね。

行き過ぎた感

ドミナント戦略のメリットは、一局集中の為、マーケティング調査も楽で、運送などの物流コストも削減できます。また、他の会社が入りづらい空気ができます。

まさにランチェスターの弱者の戦略の通り、しぶとく戦い抜くわけです。

行き過ぎたドミナント戦略

デメリットは、先ほども書いたように他地域への展開が遅れることです。そして、何よりも大きなことは、客のパイを同系列で奪い合うことです。

コンビニ本社からすれば、どんどんフランチャイズを増やして、その地域での売り上げを増やせば、ロイヤリティ収入も増えますから、積極的にやっていきます。

本社と店舗オーナーの考え

すると、極論で言えば道路の向かい側にセブンイレブンの新規店舗が!なんてこともありえるわけです。

困るのはオーナーです。同じフランチャイズ店でも、彼らは赤の他人で、ライバルなわけです。客のパイを奪い合い、減収ですね。

現実は恐ろしい

せっかく、脱サラしてわが城を築いたのに、思っていたものとは違う現実が。

いくら儲けても、ロイヤリティーで6~7割も持っていかれるし、24時間×365日営業の契約で、さらには複数年契約で簡単には辞められない。辞めるには違約金がかかる。

厳しい契約の縛り

バイトが見つからない深夜帯などは自分や家族がその穴を埋めるなど、かなり肉体を酷使したりも問題です。さらには、ドミナント戦略で急に近くにライバルが。。。

オーナー同士が減収でも、トータルで売り上げが増えれば本社はウハウハと。

まさか、こうなるとは・・・

さいごに

いかがでしたか?

ドミナント戦略で地域シェアNo.1 を目指すのが行き過ぎると、同系列でのパイの奪い合いにつながります。

ド○モショップとかa○ショップとかの携帯ショップも基本はフランチャイズで同じようなもんですな~ 格安simやahamo、povoらの登場で携帯ショップは段々不要なものになりつつあります。

ちなみに、同じくドミナント戦略を行っていたスターバックスは、フランチャイズではなく、直営店として行いました。つまり、雇われ店長ですね。

つまり、給料制なので、ドミナント戦略で店自体が多少減収になっても給料は変わらないです。だから、あまり問題になってません?よね?

 

では、また(^.^)ノ

”愛の不死薬” ついに接種開始

自称:世界唯一のコロナフリーの国であった、北朝鮮は急遽大量な『発熱者』を出し、ついに世界の仲間入りをしました。

早期から国境封鎖し、コロナがない国であったので、ワクチンも必要ないとしてきました。ところが、状況は変わったようです。

今までは『0人』だった

2020年、世界中が新型コロナウイルスの拡大に恐れていたころ、北朝鮮は1月22日、中朝国境を封し、ウイルスを持ち込ませないように徹底しました。

リスクが高い

北朝鮮は飢餓に苦しむ栄養状態の悪い国民と、重度の肥満のリーダーを擁しており、誰がどう考えても重症化リスクの塊なのです。そのため、早急な国境閉鎖は賢い判断でした。

しかし、中朝国境を監視の目をくぐり抜け何とか越境する人たちもやはりいて、どうしても感染者は入り込みます。

感染疑い⇒銃殺

当初は、新型コロナ感染を疑われた人は銃殺されていたと韓国の東亜日報の記事*1で、脱北者のチュ・サンハ記者が伝えています。

なんとか、しのいでいたのですが、オミクロン株の登場により事態は一変しました。オミクロンの感染力には追いつかなかったのでしょう。

『初の感染確認』

そして今年5月12日、北朝鮮は公式に新型コロナウイルスの初の感染を発表しました。オミクロン株(BA.2)とのことです。

『発熱者』について

4月末から原因不明の『発熱者』が増えていると、朝鮮中央通信も伝えており、過去最大規模の軍事パレードが拡大の原因と考えられています。

5月20日に26万3370人の『発熱者』が発表され、その後は状況は”改善”しているとアピールしています。

致死率が異常に低い

また、4月以降の総発熱者数は約295万人(人口の1/9)で死者は68人致死率0.003%という異常な低さ。世界平均の致死率は1.2%、韓国で0.13%ですからね。

(ま、誰も真に受けてないですが)

最終的に死者は10万人を超える計算

ちなみに韓国の未接種者のオミクロン株での致死率は0.6%です。同じ人種で未接種ということで、これを当てはめると北朝鮮では最終的に10万人の死者を出すと予想できます。もちろん、医療体制や栄養状態を考えるともっと悲惨かもしれません。

北朝鮮の思惑

北朝鮮の今後の動向についての考察を紹介します。

6月の総会で勝利宣言?

どこの国もそうですが、国のリーダーは自分の功績を大きな場で示すことで民意を掴もうとします。北朝鮮の場合は、以前から続く経済制裁で国民は苦しんでおり、外貨稼ぎの綱であった中朝国境までもコロナのために閉鎖したことでさらに困窮はさらに進みました。

なんとしても、自らの指導力でコロナに打ち勝ったことをアピールしたいでしょう。

それが6月の党中央大会だと考えられます。

愛の不死薬

北朝鮮にも今までワクチン提供の話が何度かありましたが、断ってきました。

WHO主導で貧しい国々にワクチンを提供するCOVAXというプログラムでアストラゼネカのワクチンの打診がありましたが、まれな有害事象である血栓を理由に拒否しました。

『ファイザーかモデルナ』

ファイザー製やモデルナ製の提供を求めていた*2ようですが、北朝鮮で超低温保管が難しいなどで話は流れていました。中国製ワクチンの提供も拒否*3しました。

たしかに2021年に北朝鮮がファイザーのワクチン情報のハッキングを試みた*4こともありましたね。

愛の不死薬を配る

今回のオミクロン株による感染者急増により、ついに北朝鮮は、将軍様の”愛の不死薬”としてワクチン接種に踏み出しました。

北朝鮮自身がネーミング

ちなみに北朝鮮で『愛の不時着』など韓国ドラマを見ると最悪死刑*5になります。それなのにちょっと韓国ドラマのパクリのようなネーミングにしたのはどういう意図でしょうか?笑

軍人だけ

どうやらワクチン接種開始したのはまずは軍人だけのようです。

接種対象は現時点で軍人のみ

そして、このワクチンは一体どこの物なんか・・・そんな疑問がわきますが

やはり、中国からのワクチンでした。

中国製ワクチンを接種

たしかに、中国のワクチンは不活化ワクチンで、ファイザー製などと違って超低温管理は不要です。しかし、一度拒否されたけど、中国はちゃんと提供してあげたんですね~

実は前から流行?

この5月までコロナが存在しない国(?)だった北朝鮮ですが、実際は今回の発表より前から増えていたようです。

ロイター通信の記事*6を見てみましょう。

実は前から・・・

ワクチンは2月の時点で輸入しており、マスクは1月から大量購入していました。

記事によると、その他にも人工呼吸器1000台、防護服や検査キットと見られるものも4月に購入されたことがわかっています。

ま、そりゃそうか。笑

さいごに

いかがでしたか?

コロナなんて存在しない国から突然の大量感染者。いよいよ隠し通せなくなったのでしょう。実際は2月に中国からワクチンを輸入しており、もっと前から流行があったと見るのが自然でしょうね。

それにしても、個人的には、禁止している韓国ドラマをモジったような名前にはウケました。

 

では、また(^^♪

【サク読み】サル痘感染症報道の謎

ここ最近メディアでよく耳にする『サル痘』という感染症。

たしかに新たな感染症が広がるのは気持ちのいいモノではありませんが、今回はこのサル痘に関して報道を見ながら学んでいきましょう。

メディア media

専門家が非専門家に話をするときに、背景知識の差により伝えた情報が100%は伝わりません。そこで、なるべくわかりやすく説明しようとするものです。

例えば、僕たち医師は診察の際に、患者さんに説明するときに例え話を使ったりわかりやすく伝えるのですが、そうすると どうしても内容の正確さは幾分失われてしまいます。

しかもそれが、又聞きならどうでしょうか?当然さらに正確性は落ちます。

又聞きのイメージ

最初と最後の間に介在するものをmediaといいますが、非専門家のmediaを通じて、非専門家の視聴者に届くときには、伝えた側の意図と違って伝わることがあります。

コロナ禍でそれはよく感じます。

さらにmediaが介在する中で、自分の主義主張によって内容を歪曲したり、重要な部分を意図的にカットしたりすると、最終の視聴者には誤った情報が伝わります。

まずはこのことを頭の片隅に置いて話を進めていきましょう。

ニュースを見てみよう

では、サル痘について報じられている内容を少し見てみましょう。まずは共同通信の記事*1から。

共同通信 5/30

元々アフリカとかで見られる伝染病なのですが、欧米など先進国ではまれな感染症なんです。それが、今回見られたから異常な状況だということです。

ま、感染者の数からすれば少ないし、死者もいないと書かれていますね。

もう一つ、次は時事通信の記事*2も見てみましょう。

時事通信 5/26

こちらの記事で気になるのは感染者の大半が若い男性という所です。

健康で体力のあるはずの欧米の若者で感染の中心となっていると。これを見るとちょっと不安になるかもしれません。

この2つの記事を見て正直何もわかりませんね。心配すべきものなのか?どんな人がリスクあるのか?

海外の記事も見てみよう

つづいて海外の記事を見てみましょう。まずは英国BBCの記事*3です。

BBC『感染者の大半はゲイ』

そうなんです、実は上のようなことが分かっています。

つづいて、米国CNNの記事*4です。

CNN『世界の感染者の大半はゲイ』

この事実を伝えれば、読者も自分のリスク具合がある程度把握できるはずです。

世界から出ている患者の大多数はゲイであることがCDCは発表しています。

わかりますね、伝えるか伝えないかはメディア次第です。

もちろん、伝えることで『差別や偏見につながる』という批判を食らうのを避けるためでしょうが、介在する報道機関がこういう結構重要な情報をカットして伝えるのはどうなんでしょうかね。

サル痘

サル痘は、先ほども書いた通り、通常はアフリカで見られる皮膚のウイルス感染症です。

これが先進国を含む欧米で同時に見つかっている点が今気にされていることです。

サルと名前についてますがサルから移るわけではなく、サルで見つかっただけです。通常はそのウイルスをもった動物に嚙まれたりひっかかれたら感染します。

感染したヒト⇒ヒトは、”濃厚な接触”で感染すると言われています。

天然痘の予防接種が効果があることが分かっています。天然痘は根絶宣言され、1980年以降予防接種がされていません。つまり若い世代は感染のリスクがあるということです。

感染拡大の原因

世の中では、陰謀論の様なものもあふれています。

確かに、天然痘とよく似ており、致死率も0-10%程度*5であり、バイオテロに使われることが危惧されています。今のところ、死者なしですし、感染者数も非常に少ないと。普通に考えたら生物兵器は違うでしょうね。

原因は?陰謀論も?

あとは、一部の思想の人たちの中で言われるのが、ワクチンにより免疫機能低下によるものだという説です。

ファイザーのワクチンで接種直後に一時的にリンパ球が減る*6ことは治験の時からわかっています。しかし、それは接種後2-3日だけでそれ以降は回復します。これは免疫機能低下とは言いません。

ワクチン説は考えにくい

さらに、2003年にもアメリカでサル痘のアウトブレイクがありました。当時はmRNAワクチンはまだ使われていないですね。(笑)

このアメリカでのアウトブレイクはペットのプレーリードッグからの感染が47人に広まりました。

ただし、今回のように違う国で同時に発生するというのは今のところ原因はわかっておらずさらなる情報収集が必要です。

さいごに

サル痘は主にアフリカで起こる皮膚の感染症です。

主な感染経路は動物に噛まれたり、引っかかれたりし感染します。その後、ヒト同士の濃厚接触(?)で感染すると考えられています。

今回、かかわりのない地域で同時散発しているのは原因はわかっていません。しかし、特徴は若いゲイの人を中心に広がっているという事実があります。

なぜか日本ではメディアの自主規制によりこの部分が伏せられますが、リスク因子を知る上では重要なことです。

 

では、また(^.^)ノ

【サク読み】インフルエンザ復活の兆し

コロナ禍に入ってインフルエンザの流行が2年連続ありませんでした。日本だけでなく、海外も同じ現象が起きています。

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世界では、コロナとの共存に舵を切っており、規制を撤廃するようになっておりますが、そんな中、インフルエンザが復活の兆しを見せています。

インフルエンザ流行なし

こないだの冬もインフルエンザの流行はなく終えました。

感染対策の効果

手洗い、マスク、社会的距離の基本感染症対策がインフルエンザをほぼ広がらないものとしたというのが一般的な見解です。

また、ウイルス干渉の可能性もあります。ザックリ言えば あるウイルスが蔓延しているときは他のウイルスによる感染症が広がらないというものです。

ウイルス干渉のメカニズムは完全には解明されていません*1が、経験則として知られています。

同時流行は起こりうる

一方で、2021年の長崎大学の研究*2では、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは臓器ではウイルス干渉しないという結果がでており、コロナ禍での感染対策によりインフルエンザが激減していたと考えるのが自然です。

ま、よく考えてみれば、2020年なんて日本でコロナそんなに蔓延してませんでしたよね?抗体保有率見ればすぐわかります。2021年の冬も日本では第5波が収束している状況でしたね。ウイルス干渉で説明つけるのは難しいです。

豪州でインフルエンザ復活

今回の話題に入りましょう。

豪州では、日本と季節は反対で、これから寒くなり冬になっていくタイミングです。

豪州でも過去2年連続でインフルエンザの流行はありませんでしたが、今年は流行しそうです。ガーディアン紙の記事*3から学びます。

記事のタイトル

記事のタイトルは、インフルエンザワクチンを無償提供するように専門家が推奨していることがわかります。要は、自費であれば打たない層の人たちにも打ってほしいからです。

コロナと同時流行

実は、豪州で新型コロナウイルス感染症と同時に、今、インフルエンザの感染が増えているのです。

新型コロナとインフルエンザの同時発生

インフルエンザでも、特に高齢者では一定の割合で重症化し、生命にかかわることがあるわけで、コロナとの同時流行は医療崩壊の懸念が出てくるからです。

では、まず豪州の新型コロナの状況を見てみましょう。

豪州の新型コロナの状況 (Reutersより)

2回ワクチン接種率は結構高い*4ですね。

で、オーストラリアやニュージーランドと言えば、コロナ初期に早くから海外からの入国を停止し、島国の強さを十分に発揮していたのを思い出しますね。

その甲斐あって、2021年末まで大きな流行はなかったことがグラフから読み取れますね。

12月から状況一転

先ほどのグラフを見れば昨年の12月から状況が一転していますね。

実は11月から海外からの留学生や技術者らから入国を再開したのです。その後も段階的に規制を緩和し、今年の2月21日からすべての国からの旅行者をワクチン接種を条件に受け入れています。

コロナ清浄国への流入

今の時代、いつまでも国境閉鎖をしているわけにはいきません。日本も6月から海外からの旅行客を受け入れいる*5ように動いています。

いまやノーマスクの海外から、ノーマスクの外国人が入って来た時のイザコザを避けるため?かどうか知りませんが、最近メディアで異常なまでに『マスク外そう』ってな流れですね。(笑)

入院患者が増えている

クイーンズランド州では既にインフルワクチンの無償化を決めました。その理由は、インフルエンザと新型コロナ患者で救急要請が急増し、医療機関がパンクしつつあるから*6です。

医療がパンク寸前

豪州でのインフルエンザのピークは通常8月なのですが、今年は1-2ヶ月早そうです。

WHOのBarr副長官は、次のようにコメントしています。

2年間インフルエンザに曝露していない

2020年・2021年とインフルエンザに曝露していない為、多くの人がインフルエンザに対する免疫が弱まっており、今回大流行となれば、死者が増えるということです。さらに、コロナも流行しており医療崩壊となる恐れがあります。

そのためにもインフルエンザのワクチンを多くの人が接種すべきであるとしています。

インフルエンザワクチン

インフルエンザワクチンを打つのはインフルエンザの予防、重症化予防だけが目的ではないといいます。

Nature誌に掲載された研究*7によると、インフルエンザワクチン接種はある程度、新型コロナの予防効果もあることが分かっています。

新型コロナウイルスワクチンとインフルエンザワクチンの両方の接種により、この迫りくる大きな危機を乗り越えようということです。

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さいごに

いかがでしたか?

インフルエンザと新型コロナの同時流行は今まで見られませんでした。

世界中で、ウィズコロナに向かい、規制を撤廃すると、やはりインフルエンザは出てきました。豪州では明らかに増えてきています*8

豪州でインフルエンザ大流行の兆し

日本もこれから、段階的に規制を緩和するでしょうし、6月からは海外からの観光客も受け入れます。

豪州のこの状況は十分に参考になるのではないでしょうか。

では、また(^.^)ノ