今年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻から早半年が過ぎました。この戦争は一向に終わる気配がありません。
ここにきて、第3の国がロシアとの戦争について国民投票を行うというニュースが出てきました。
今回はこれについて学んでみましょう。
ジョージア
ジョージアという国をご存知でしょうか?
以前はグルジアとして知られていましたが、2015年以降、日本内での正式名称は英語読みの『ジョージア』に変更されました。これ、後で解説します。
ラグビー好きの私からすると、スクラム強国として・・・(以後省略)
さて、日本で最近話題となったのが、ジョージアの駐日大使であるレジャバさんです。
安倍元総理の国葬に関する議論で、”礼節”を保てない一部の人たちにクギを刺しています。冷静かつ客観的な意見で、本当におっしゃる通りだと思います。
ま、今回は国葬がテーマではありませんので、話を進めます(^.^ ;)
グルジア
やはり、ニュースを知るにはまずは背景を知る必要があります。
ジョージアは東ヨーロッパにある旧ソ連の国で、ロシアと接しています。ソ連崩壊により1991年に独立し、国の正式名称はサカルトヴェロと称しています。独立後は、反ロシア的な方向に進んでいます。
旧ソ連だったこともあり、ロシア語名のグルジアという呼称もありました。日本では1956年の日ソ共同宣言くらいからグルジアという名称が一般化しました。
ところが2008年頃より、ジョージアとロシアの関係が悪化しました。
ロシアとの国境付近に南オセチアという地域があります。これはジョージアの一部ですが、ロシアの影響力が強い地域です。この南オセチアをジョージアから独立させようという動きからロシア勢とジョージアが紛争になりました。
最終的に南オセチアはロシアが独立させました。ゆくゆくはロシアへの編入を画策していましたが、今年5月に白紙化*1されました。
そんなこんなで、ジョージアは日本や韓国などロシア語風に『グルジア』と呼んでいる国々に、英語名の『ジョージア』と呼称を変更するように要請したわけです。
国民投票を検討中
そして、やっと今回のメインになります。
ニュース記事*2を参照します。
記事によると、ジョージアの与党の主席が、与党内の会議で、ロシアとの開戦について国民の声を聞こうと言ったそうです。
南オセアチア独立のロシアのやり口は、ウクライナでのクリミア半島独立と同じです。
つまり、ウクライナとジョージアは似た境遇にあります。
そして、ウクライナの政治家からジョージアへの『共闘』の呼びかけがあったそうです。戦争というのは、国家の一大事なわけで、国民の声を聞こう!というのが今の状況のようです。
▼ウクライナを欲するワケ▼
乗り気ではない
もう一つ別の記事*3を紹介します。ウクライナの新聞です。
こちらでも、先ほどの内容を伝えていますが、ジョージア政府としては、参戦に対してはあまり乗り気ではないとのことが書かれています。
実際、ジョージアはロシアに対する多国籍の経済制裁にも参加しておらず*4、中立的立場を取っています。関わりたくないということです。
そら、自ら進んで大国相手に戦争なんてリスクが大きいですもんね。では、なぜこの議論が出てきたのでしょうか?
今がチャンス!
敵の敵は味方という言葉がありますが、ジョージアとウクライナの共通の敵はロシアということになります。
しかし、ジョージアからしてもメリットがないと、わざわざ参戦はしません。
ウクライナの与党は『国民の僕(しもべ)党』と言いますが、その議員がジョージア政府に対して以前助言をしたそうです。
内容としては、ウクライナとの戦いに手こずっており、ロシアは今他の国に気を払う余裕はなく、南オセチア奪還は今がチャンスだというのです。
これを理由にウクライナとしては、ジョージアに参戦を促したという感じです。
ウクライナとしては、現状打破には、ロシアの戦力を分散させるために、『第二戦線』が必要だと言っています。つまり、どっかの国が介入してロシアとドンパチやってほしいわけです。
さいごに
いかがでしたか?
日本では国民投票はまずありません。憲法改正のときは、衆参議員の2/3以上の賛成を得た後で、国民投票と規定されていますが、そのくらいですかね。
ジョージアは2008年にロシアとやり合っており、ジョージアの一部である南オセチアなどを失いました。同じようなやり口がウクライナでも起こっています。
敵の敵は味方理論で、ウクライナとしてはジョージアに共闘を呼び掛けています。ウクライナとしては、第二戦線が必要で、ジョージアとしては、失地回復のチャンスともなり得ます。
しかし、ジョージア政府は慎重な姿勢を取っており、この是非について国民投票を行おうとしているということでした。
では、また(^.^)ノ
▼ウクライナ侵攻とワクチン▼