ロシアによるウクライナ侵攻からまもなく2年になります。
一向に終わる様相を見せない戦争の中、ロシア国内の状況はあまり知ることはできません。長引く戦争で、生活苦に陥っているのでしょうか?
今回は、ウクライナ侵攻後のロシアの景気について、The Week US の記事*1から学びましょう。
新冷戦
まず振り返ると、冷戦中は資本主義陣営の軍事同盟NATOと東側のWPOが対峙していました。
その後1990年代になると、旧ソ連に含まれる国がどんどんNATOやEUに加盟していき、残るはウクライナとベラルーシだけとなりました。
自分の庭をどんどん荒らされていくことにロシアは怒り、西側諸国を敵視し、中国との距離を縮めることになりました。
こうして、西側諸国vs中露という”新冷戦”が繰り広げられて、今に至ります。
ロシアも中国も国連安保理の常任理事国なので、西側諸国らの非難決議などがあると、『拒否権』行使しまくり混乱を招きました。
▼国連=”連合国”▼
で、今回のロシアによるウクライナ侵攻も、広い目で見ればこの新冷戦の一部とみなされます。
他の国に倣い、ウクライナも、民主主義陣営に近づきたいという希望があり、ロシアは行動に出ました。これが2014年のクリミア侵攻です。
クリミアは元々ロシアだったのですが、1954年に”友好の証”としてウクライナに譲渡しました。なので、今も住人の6割以上がロシア人です。
ロシアは第一段階として、クリミア半島を”住民投票”でロシアに併合しました。
▼ロシアがウクライナを欲するワケ▼
露軍30万人死傷
さて、クリミア侵攻に続く第二弾が2022年2月から続くウクライナ侵攻です。
ロシアのラブロフ外相は記者会見で次のように語っています。
この2年間で、死傷者30万人以上と推定されるロシアですが、それでもこの戦争により”いい影響”がロシア国内では見られていると言います。
当初は、西側諸国による経済制裁などでロシアは大きなダメージを被ることになるだろうという見方が強かったですが、実際はロシアは持ちこたえています。
それでは、ロシアの経済状況を見ていきましょう。
経済成長の予定
国際通貨基金による予想*2では、ロシアの2024年のGDPは2.6%成長となっています。
その一方で西側の英国ではGDP 0.6%成長の予想です。
ちなみに同じデータでは、日本は0.9%成長、アメリカは2.1%成長の予想となっています。うーむ、岸田首相。涙。(インフレでGDP↑の影響も)
さて、西側による経済制裁で重要なのは、ロシアの天然資源、特に石油です。
しかし、今の状況を見れば経済制裁は効いていません。
およそ半分のロシア国民は、経済状況や生活水準が良くなっていると答えており、やはり経済制裁を受けてもロシアは打撃を受けていないようです。
ま、ロシアの石油は西側が買わなくなった分、中国とインドという合わせて地球の人口の半分を擁する2国が買って*3いるので実質制裁の影響なし(笑)
『ロシア要塞』
ロシアからすれば、西側からの経済制裁なんて当然予想の範囲内です。
ウクライナ侵攻を前に、何年もかけて準備を続けていたようです。
経済制裁を食らって、世界から孤立しても生きていけるように『ロシア要塞』計画を着々と準備してきたのです。
石油を売って外貨をどんどん蓄えました。これは、戦争によりロシアの通貨ルーブルが急落したときに外貨で買い支える為替介入のためです。
そして海外との支払いに使われるSWIFTなどの決済システムが利用できなくされてもいいように独自の決済システムを構築していました。
したたかな、おそロシア
戦争経済モード
現在のロシアは完全に”戦争経済モード”になっています。
戦争をするには武器が必要で、軍需産業が潤います。これに依存した経済成長が今ロシアで起きている現象です。
日本は朝鮮戦争特需で経済発展の恩恵がありました。韓国もベトナム戦争特需で経済成長がありました。戦争は金を生み出すんです。
最初のラブロフ外相の”いい影響”は実はコレですね。
戦争により多くの死者が出るものの、国の経済としてはいい方向に進んだというワケです。
▼朝鮮戦争について▼
さいごに
昔ならば、こんなときはアメリカや連合軍が介入してロシアと戦ったかもしれません。
しかし、今の時代、戦争を望む先進国はありません。ウクライナはNATOに加盟できていなので、NATOは介入できず、アメリカも自国が直接戦争することには消極的なので軍が出てくることはないでしょう。
ロシアはそんなこともよーくご承知。もちろん、お仲間の中国も・・・台湾に少しずつ圧力をかけて様子を見ていますな。
誰も止めれない現代の戦争、一部の国民は死んでも、国の経済は良くなる。
悲しい現実がそこにはありました。
では、また(^^♪