イタリアの高級ブランドと言えば、グッチに、ブルガリ、アルマーニ・・・
誰もが知る有名なものですね・・・
さて、今回は、ABC newsの記事*1からある高級ブランドの裏側を覗いていきましょう。
有閑階級の理論
高級ブランドの商品がなぜバカ高いのか・・・
表立っての理由は、一流のデザイナーがデザインし、一流の素材を使って作り、一流のモデルらが宣伝するので、必然的に高くなるとされます。
ただ、根本的な理由は、みんなが”欲しがる”ために敢えて高く設定されているというのは、もはや誰もが知る事実。
これは、有閑階級の理論とかヴェブレン効果として知られています。
要は人間の持つ”自己顕示欲”を利用した価格設定というだけです。
それゆえ、本物は手に入らなくても・・・
ってなる人たちの心をもてあそぶのが、C国などで大量に作られるパチモンですな・
▼パチモンブランド▼
アルマーニ
さて、今回の主役アルマーニについても少し学んでおきましょう。
ジョルジオ・アルマーニさんは1934年生まれの89歳で、ミラノ大学医学部を中退後、ファッションの世界へ入りました。
デザイナーになった後、1975年にブランド、ジョルジオ・アルマーニ(GA)を設立しました。
ご存じの通り、エンポリオ・アルマーニ(EA)は、GAのセカンドラインで、そのスポーツ仕様がEA7というものです。
ちなみにエンポリオ(emporio)はイタリア語で、大きめの商業施設のことで、イオンモールとかそんな感じ?
高級ブティックでなく、そういう商業施設で売られているようなイメージなの?かもしれませんね。
で、もって、カジュアルでお手頃価格なものが、アルマーニ・エクスチェンジ(AX)というわけですな。
かつては、アルマーニジーンズとかもありました
そういや暗殺された、金正男(キム・ジョンナム)は、エンポリオ・アルマーニのキャップを被ったりしてましたね。
どこの国でも人気ということですな。
下請け業者
高級ブランドは、一流の素材を使って、職人たちが一つずつ・・・
なんていうのは戯言です(笑)
警察によると、アルマーニ側から下請け業者にバッグの製作を委託しました。
すると、その下請け会社はさらに別の下請け会社に依頼したということです。
この会社は、違法の中華系の会社でありました。
なぜ、下請けに委託するかと言えば、当然、その方が安いからです。では、その下請け会社がさらに下請け会社に委託するのは・・・?
そう、もっともっと安いからです。
なぜ安いか?理由は労働者の賃金を少なくし、搾取しているからです。
では、なぜそんな環境なのに労働者は働くのでしょうか?
カポララート
この辺は、少し社会事情を知る必要があります。
カポララートという言葉を聞いたことはありますか?
イタリア語で違法雇用という意味です。
イタリア人が忌避する低賃金・重労働(主に農業)を代わりにしてくれるのは、ルーマニア人やモロッコ人をはじめとする外国人です。
特に不法滞在の外国人は、表立って働けません。仕方なく、カポララートをせざるを得ないというわけです。
で、今回のアルマーニの件の、二次下請けの会社が中国人のカポララートでした。
こうした不法滞在外国人の弱みに付け込み、労働力を搾取するカポララートはイタリアで大きな問題となっており、特に2016年以降は厳しく取り締まられています。
アルマーニもこの中国人カポララートの問題で厳しい目を向けられているなう・・・というニュースですね。
1/20の支払い
警察が公開した情報から、バッグの販売価格や下請け業者への支払額までわかっています。
作られたバッグは1つおよそ1800ユーロ(約30万円)と高価です。
一方で、バッグ1つあたり、この中華系下請けに支払われるのはその1/20にあたる93ユーロ(約1万5000円)です。
ま、仮に200個作れば、300万円受け取り、そこから労働者の賃金を払うのですが、これがムチャクチャ安くされているので、中華系オーナーはほとんど丸儲けってわけです。
わかりやすく図示すると上のようになります。
間に入った公認の下請け会社(B)は何もせず、1個あたり差額の157ユーロ(約2万5000円)の利益があるというムチャクチャな。
そして、このお金はどこから来ているか・・・元をたどると何も知らない、自己顕示欲の為にブランドを買う人たちが払っているのです~(笑)
マジで劣悪
2次下請けの中華系の会社ですが、カメラが立ち入りし、労働者の劣悪な環境が確認されました。
労働者は、狭い部屋に2段ベッドで生活をしています。
そして、彼らが使うであろう調理用具は、置き場所がないのか、いかにも汚いトイレの中に積み上げられていました。
その隣には、壊れたシンクがあり、そこには後で食べるのか?ウナギのような生物が水につけてありました。(よう食べんわw)
食べ残しや汚いお皿が壊れたシンクに積み重ねられています。
そして、窓には外から見えないようにか、段ボールが張り付けてありました。
はい、30万の高級バッグはこんなところで作られているのです。(; ・`д・´)
一気に興ざめ・・・買うか!! ちゃうわ、買えんわ 30万ならw
さいごに
いかがでしたか?
不法滞在者の弱みを握って、”タダ働き”に近い安い賃金で働かせる不法労働は世界中であります。
イタリアでは近年、このカポララートの取り締まりを強めていました。
元々は、農業分野で多かったカポララートは、なんと高級ブランドの世界にも存在したという衝撃のニュースでした。
1つ30万円のバッグは、労働者を搾取する会社、それもあまりに不衛生すぎる場所で作られ、仲介した下請け会社は何もせずとも2万5000円の利益を得ていたのです。
そのお金を払ったのは・・・
では、また(^^♪