コロナ禍で世界の流通が滞り、新品ブランド品が入手しにくい状況となり、中古ブランド品の人気が高まりました。
それに相まってフリマアプリの普及で、気軽に中古ブランド品を買う人が増えています。もちろん、その中には・・・
今回は、”パチモン”購入の裏側を少し覗いていきましょう。
パチモンが溢れる
the Guardianの記事*1を見ていきましょう。
まずは記者の経験談から始まります。
20代の頃、ベトナムでシャネルのバッグを買ったけどパチモンだった( ゚Д゚)という話や、18歳のときにタイで見た目に明らかパチモンのラルフローレンのシャツを買ったという思い出話。
そして、知ってか知らずか、イギリスのおよそ3人に1人はパチモンを買っているというデータがあるそうです。
ちなみに、ある日本の会社の調査では、偽物を買った人の半数は『偽物と知っていて購入した』ということがわかっています*2。
偽ブランドで上げる犯罪収益は、ドラッグに次ぐ2位です。それほどに多くの人が買い求めていることがわかります。
2021年だけでも、イギリス入国時の税関で4200万点以上が押収されています。
ブランドが損するだけ?
偽物を買う人はこう思うかもしれません。
『や、知った上で買うなら別に問題ないし、損するのはブランドの会社だけでしょ?』
音楽でも、ブランド品でもことあるごとに耳にする『知的財産権の侵害』。
多くの人からしてみれば、そんなの知ったこっちゃない♪となっているわけです。
しかし、偽ブランドの問題はそれだけじゃないようです。
偽ブランド品を売った収益は、当然犯罪組織に入るわけです。
ただ金もうけだけでやっている組織ももちろんありますが、世界的な認知では、大きな組織はテロなどの資金集めに違法ドラッグやパチモンを売っていることがわかっています。
つまり、安易な気持ちで買ったパチモンに払ったお金が、テロ行為に使われているというのです。
日本人はカモ
パチモンの中でも見た目がそっくりなものをスーパーコピーとか言いますが、ランクがA級、S級、N級とあり、素材が違うようです。
中でも、一番高品質なものがN級ですが、このNは日本語の『偽物(Nisemono)』から来ているという説もあります(笑)
そして、この偽ブランドは特に日本人をターゲットにしているといいます。
日本人はブランド好きで、偽物でも買うと。バブルの頃、日本人は海外旅行に行き、高級ブランドを爆買いしていました。不景気になった今も、その時のマインドは変わっていません。
そして、手ごろな値段で買えるパチモンは、個人使用では罪に問われません。
そんなこんなで世の中にパチモンが溢れてしまい歯止めが利かなくなっています。
すると、もちろん国も動きます。
届かないし危険
コロナ禍で特に需要の増したネットショッピング。
そんな中で、ずっと欲しかったバッグが激安で手に入る・・・とSNSで発見。
気づけば商品をクリックして、カードで3万円支払い完了。あとは届くのを待つのみ・・・
実は、パチモンは個人使用に限っては目をつぶられていたのですが、昨年の法改正で、個人使用であっても、税関で中身をチェックして、パチモンなら没収!となったのです。
なので、支払っても没収されて届かないという可能性がうんと高まりました。
さらに最悪の場合は、その悪質な犯罪集団にあなたの個人情報(住所、カード情報)などを抜き取られているというパターンです。
これらのリスクは理解する必要があります。
闇バイト
そして、フリマアプリ全盛期の今、そこにもパチモンが大量に出回っているのです。
パチモンのほとんどは近隣国(特にC)から来る*3のは皆さんご承知のとおりですね。
産経新聞の記事*4によると、パチモンをフリマで売る闇バイトが横行していると言います。
そして、販売員のほとんどは在日中国人だそうです。だから、怪しい日本語や、ちょっと違う漢字が出てくるのですね。
将軍様も大好き
ま、ブランド品は原価を知ると・・・( ゚Д゚ ;;)
なんですが、高いのには理由があります。一番の理由はヴェブレン効果です。
要は、高ければ高いほど、買える人が少ないので、「自分は特別」と思えるんですね。
もちろん品質にはこだわっている上で、高いというのが重要です。
そういえば北朝鮮の金正恩の妹の与正(ヨジョン)はブランド大好きで、ディオールのバッグを持っていたり、1年間で数十億ウォン(数億円)をつぎ込んでいるということが、韓国メディアで報じられていました*5。
あのレベルの人間でもヴェブレン効果に弱いんですな(笑)
一方で、国のトップがそうであれば、国民も海外ブランドに関心が強いようです。
しかし、庶民が到底手が出せるはずもなく、北朝鮮の百貨店はバーバリー、シャネル、ディオールのコピー品 (made in China )が溢れているとも*6。
では、また(^^♪
*1:https://www.theguardian.com/fashion/2023/aug/05/hermes-gucci-how-fake-hunters-tell-designer-knock-offs-from-the-real-deal
*2:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2310/24/news090.html
*3:https://www.voanews.com/a/us-says-china-remains-global-top-source-of-counterfeit-goods/6446528.html
*4:https://www.sankei.com/article/20230201-NUXLKTGHB5MNXB4TZ3F3JSFLAM/