子供の頃、世界ウルルン滞在記という番組でよく、アフリカの裸族とか、原始的な生活をしている人たちを見るのを楽しんでいました。
自分たちの生活とこれほども違うのか、という関心とともに、おそらくその裏にはどこか「自分たちは豊かな生活をしている」という優越感なんてものもあったのかもしれません。
人間のこのような感情が、昔、えた・ひにんという差別制度を生み出したと思うと、少し恐ろしく感じますが・・・
さて、今回は、”マサイの戦士”について覗いていきましょう。
マサイ族
アフリカのケニアの南部からタンザニア北部に暮らす先住民族・マサイ族。
英語ではMaasai(マーサイ)と発音されますので、ご注意を。
20~30万人いるといわれるマサイ族が話すのはマー語で、これが "Maa"sai の語源となっているようです。
マサイ族と言えば、写真にあるような垂直ジャンプが有名ですね。一番高く飛べる男が一番美人と結婚できるのです。
遊牧民であり、通貨は”牛”です。牛をたくさん持っていると、たくさん奥さんをもらえる一夫多妻制を敷いています。
命を守るために遠くにいる猛獣を察知するための視力が鍛えられており、3.0~8.0あるとも言われています。
日常のルールはグループ内の長老が決めますが、その次に位が高いのが戦士(モラン)です。
SNSやってます
今回は近代化したマサイ族に関する記事*1を見ていきましょう。
マサイ族のグループがSNSを始め、世界中でたくさんのフォロワーがついているそうです。
遊牧民であり、原始的な生活をしている”はず”のマサイ族の日常生活が見れると大人気なようです。
世界中に自分たちの生活を紹介するという純粋な気持ちもあるでしょうが、当然、ビジネスです。
牛が通貨であるマサイ族にも、どうやら資本主義の概念が入ったようです。
ま、実はマサイ族でもケニアの都市部に住んで普通に会社勤めしている人たちもいますからきわめて自然なことなんです。
後ろに中国
そもそもSNSもそうですが、マサイ族が携帯電話を駆使しているのも、我々のイメージとは異なりますね。
ま、しつこいですが、都市部に住むマサイ族は以前から現代生活をしています。
実は、10年以上前から遊牧民・マサイ族にもスマホが使用されている*2のです。
それらは中国製の 〇phoneのパチモンが多かったようです。
サバンナにもアンテナが設置されており、通話などに支障はなく、マサイ族は近代化しているのでした。
中国は積極的にアフリカに投資をして、近代化させています。こうすることで、中国の世界的地位を向上するとともに”アフリカ票”を手にできます。
有名なのはエチオピア。『アフリカの中国』と呼ばれるほどの、中国依存の国。
WHOのトップ・テドロスさんもエチオピア出身で、中国寄りなのは有名ですね。
ピザも食べる
マサイ族の食事は基本的には動物の生肉や、生血です。
そんなマサイ族がピザを食べた動画も話題になりました。
もちろんその様子はYoutubeでアップロードされ、しっかりビジネス的にも”大当たり”でした。
どうやらサラミの味はマサイ族にはイマイチだったようで、ピザからサラミをどけて食べていました。
伝統の喪失
近代化するマサイを見るのもたしかに多くの人は関心があるのですが、同時に、”マサイ族”たる伝統や文化が徐々に失われていく部分には寂しさもあります。
本人たちはどう考えているのでしょうか。
電気、通信、金融・・・様々な近代文化がマサイに浸透し、生活は非常に便利で豊かになりました。今や多くのマサイ族はケニアの都市部などに出て働いてお金を稼いでいます。
一方で、徐々に失われていくマサイの文化・伝統に不安もあるようです。
また、『お金』が入り込み、多くのトラブルも生まれていると言います。
しかし、マサイの若者は近代化と伝統のバランスをうまく取れるように最大限の努力をしたいとも述べていました。
さいごに
いかがでしたか?
携帯電話やSNSとは無縁と思っていたマサイ族でしたが、もう完全に私たちと変わらない生活をしているのでした。
急速な近代化とともに失われていく伝統の数々・・・
そして、実はそこの裏には中国のアフリカ進出の野望も見え隠れし、なかなか壮大な話でした。
では、また(^^♪