マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

MENU

『小児の謎の肺炎』世界で拡大

11月の記事で中国でマイコプラズマ肺炎(←中国の発表)などが急増して小児科がヒーハーなってるよって話をご紹介しました。

www.multilingual-doctor.com

どうやら他の国でも”小児の謎の肺炎”が急増し始めているようです。

現状確認しておきましょう。

中国

最初に世界で注目を浴びたのは中国での小児科の状況でした。

ニュースなどで流れる映像は4年前のコロナ初期の武漢を彷彿させるデジャブ・・・

今回のメイン患者が小児というのが大きな違いです。

WHOは新型コロナの初期対応で相当批判を浴びたので、即座に中国に詳細な情報提供を要求しました。

「未知のウイルスではない」

中国からの報告によると、それは新種のウイルスや細菌によるものではなく、既知の病原体によるものである*1と。

インフルエンザ、コロナ、マイコプラズマだと言っています。

マイコプラズマ肺炎

話題となっているのが、マイコプラズマ肺炎です。

主に若者の間で広がる、しつこい咳が出る肺炎で、抗生剤で治療します。

しかーし・・・台湾のニュース*2には興味深いことが書かれています。

「抗生剤が効かなくなっている」

中国で流行中のマイコプラズマ肺炎は抗生剤が効かなくなっていると。薬剤耐性菌、これは(; ・`д・´)

さらに、このマイコプラズマ肺炎は2023年5月から出始めていたというのです。

ともすれば・・・当然、、

なぜ特定の国から感染症発生

www.multilingual-doctor.com

韓国でも

もちろん、近い国から見つかるはず。

韓国でも危機感上がる

韓国では既にインフルエンザの大流行で小児科がごった返しており、ここに抗生剤効かないキツいマイコプラズマ肺炎が入り込むとやべーぞと戦々恐々していました*3

嫌な予感が当たる

嫌な予感は当たったのです。韓国でも11月に小児のマイコプラズマ肺炎が急増し、入院も増えています*4。しかも患者の多くはまだ小さい5歳未満

大半の症例は軽症なようですが、小さい子は非常に心配なものです。

オランダで急増

11月末になってオランダでも小児の謎の肺炎が急増*5しています。

オランダ『小児の謎の肺炎急増』

オランダ史上最大の爆増だそうです。

もちろん、中国と関係してるという証拠はありません。

中国との関連は不明

世界中で、コロナに対してロックダウンや様々な規制をしていて、マイコプラズマや各種病原体に曝露される機会がなかったことで、それらに対する免疫が低下しているからだという説明はよくされます。

ほんまにコロナ規制撤廃によるものか?

中国でコロナ規制が撤廃されたのはちょうど1年前です。

しかし、オランダはじめ欧州各国などでは約2年弱前に規制撤廃し、社会活動を戻していたのに今まで増えてこなかった。むしろ先に中国で出てきた。

ほんまに中国と関係ないのかな??とこの記事は怪しんでおります(笑)

欧州で拡大

そして、デンマークでもマイコプラズマ肺炎の急増が始まりました*6

デンマークでマイコプラズマ肺炎急増

デンマーク国立血清研究所が国内に向け注意喚起声明を出しました。

他にも、フランス、スイス、アイルランド、スコットランドでも報告が相次いでいます。

そして、アメリカでも・・・

オハイオ州で小児の謎の肺炎急増

オハイオ州小児の謎の肺炎の急増が見られ、非常に多数の小児が入院となっている*7と伝えています。

その後、マサチューセッツ州でも同じように小児の謎の肺炎の急増が報告*8されています。

さいごに

いかがでしたか?

中国でマイコプラズマ肺炎を含む、複数の呼吸器疾患で小児の入院が急増していることがニュースとなっています。さらにそのマイコプラズマ肺炎は抗生剤に耐性を持っていることもわかっています。

ただし、冷静になる必要があります。

マイコプラズマ肺炎は日本でも、約4年毎に流行を繰り返しております。

中国から来たのではなく、たまたま!!偶然!!同じタイミングで増えているだけかもしれません、ちゃうか。

また、薬剤耐性についても日本ではマイコプラズマ肺炎の薬剤耐性は50%くらいある*9とも言われています。

日本や中国は抗生剤使い過ぎで耐性菌ができやすいとも。

 

そして、日本でもマイコプラズマの流行が来ているようです(; ・`д・´)

 

では、また(^^♪