マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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『新型コロナは存在せぇへんねんで』説について

今日はバレンタインデーです。日本でバレンタインを広めたのはロシア人モロゾフさん、そう、聞いたことある名前ですよね?でもそのモロゾフさんはその会社からは排除された?んです。(笑)

詳しくは↓↓

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最近の森喜朗氏の『女性蔑視』とかで騒いでる人たちがいますが、そういう人たちはバレンタインとか女性専用車とかにはどういうお考えなんでしょうか。

ぜひ森喜朗さんの全文(ネットで探せます)見てみてください。いかに日本のメディアが腐っているかわかります。いわゆる切り取り報道です。さらにそれを拡散するSNSなどなど。はー(~~;)

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患者Aさん

外来をしていると、夫婦そろってフェイスカバーで来院される方もいますし、N95マスク絶対、息苦しいでしょう!笑)で来られる方もいます。

正直色々とアドバイスできることはあるんだけど、”和をもって貴しとなす”の精神(意味違うかw)でスルーします。個人のお考えがあってなのでそこはよしと。

さて、ある患者さんがこんなお話をしてくれました。

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患者Aさん

ネットは取捨選択の能力が必要になります。ウソや陰謀論もあふれています。それをちゃんと見分けなければなりません。

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ヒトは自分が信じたいものを信じ、そのためにそれに合った情報を探します。これを専門用語では確証バイアスといいます。要は自分の考えに合わないものを本能的に避けるというものです。歴史問題に終わりが見えないのもこのせいです。

 

日本では思想の自由は認められています。しかし、悪意のあるウソはいけません。

さて、患者Aさんのお話を聞いて、もちろん後半は陰謀論に過ぎませんが、ふとある人のことを思い出しました。今日はそのお話です。

 

マリス博士

マリス博士はアメリカの生化学者で1983年にPCRを発明し、後にノーベル化学賞を受賞しました。

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マリス博士

PCR検査はコロナの検査と思っている人もいますが、殺人犯を捜すDNA鑑定、親子鑑定、出生前診断、がん遺伝子分析、白血病の早期診断など幅広く利用されています。

PCRの長所はごく微量のDNAを採取すればそれを短時間で増幅させることができるという点です。加害者の痕跡などは見つかってもごく微量ですよね。最適です。

短所は精度の問題(新コロでは7割程度)や、感染力の無いウイルスすら増幅して”感染者”にしてしまう可能性があることです。

 

肺炎とPCR

普通の肺炎で入院して治療するときにPCRはしますか?いいえ、しません。

細菌性肺炎では痰を出して培養検査で何の細菌がいるのかを調べ、判明したらそれに合った抗生剤を使うのですが、時間がかかるんです。なので、結果を待たずにいくつか決まった抗生剤を開始します。普通はそれが効きます。

肺炎患者は別に隔離もしません。つまり、治療法があり、人に移しやすいものではないので今までの方法で問題ありません。

逆に、結核や麻疹は空気感染を起こすので、早く見つけて隔離しなければいけません。こういうときにPCRは威力を発揮します。新コロさんも同じですね。まだどういうウイルスかわかっていない危険なウイルスだったのでPCRで早く結果を得る必要があったということです。(一応いまも)

PCR検査のしくみ

まず、PCRはDNAを複製するものです。ココ確認です。

まず下図の右側の<PCRのサイクル>を参照してください。

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PCRの流れ

DNAは2本の鎖がらせん状になったものです。まず高温にすることでこれらの水素結合を外し、1本ずつにします。

次に、増やしたい遺伝子の部位(プライマー)を1本になった鎖にひっつけるのですが、高温ではひっつかないので急速に冷却します。図では緑線です。

最後にDNAポリメラーゼの働きにより、DNAが合成され最終的に2つのDNAになりました。そう、1サイクルで2倍になります。

ザックリご理解いただけたところで、新コロさんはRNAウイルスでしたね?PCRはDNAを増やすものでした。なので、最初にRNAからDNAに逆転写(上図左)しなければいけません。これらを合わせてRT-PCR法と言います。

RTは Reverse Transcription(=逆転写)です。

コッホの原則

感染症の考えの中にはコッホの原則と呼ばれるものがあります。

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コッホの原則

ところでAIDSの原因はHIVと言うウイルスだというのは皆さんご存じだと思います。しかしながらHIV陰性ながらAIDSとなる症例もあり、「コッホの原則に合致しない」という理由で、「HIVはAIDSの原因ではない」というエイズ否認主義者たちもいます。

実はマリス博士もこのエイズ否認主義者です。

そして、この理論がまさに、患者Aが言っていた「新型コロナは存在せぇへん」ということになります。

今の新型コロナウイルスは分離されておらず、コッホの原則を満たしていないというものです。というのも、元々中国で提供された遺伝子情報は、患者の肺胞洗浄液から出てきものを遺伝子解析したものです。

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イメージ:肺胞洗浄液

肺の中には空気中の細菌、ウイルス、カビ、チリなど色々あります。それらを洗ってきた水の中は様々な遺伝子が見つかる。

つまり、「いま世界中で新型コロナといわれているものはこれらの寄せ集め遺伝子であり、ウイルスではない!」という主張ですね。

しかし、現代ではコッホの原則は必ずしもすべて当てはまるわけではないと考えられています。たとえば子宮頸癌はヒトパピローマウイルス(HPV)によってもたらされることがわかっていますが、すべての症例でHPVが見つかるわけではありません

子宮頸癌とワクチン

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ちなみに新型コロナに関しては中国のCDCなどがウイルスの分離に成功しています。なので、存在しています。

マリス博士の遺言?

よくネットで見かける、「PCR考案者が感染症の診断にPCR検査を使うな」ですが、これは世界中で広められています。実際はこれも森喜朗氏と同じで切り抜きです。

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マリス博士のことば

実際の言葉は上図です。これはPCR検査の特性をそのまま言っているだけです。これはみんなわかりきっていることですね。ちなみにマリス博士がこの言葉を言ったのはAIDSの話をしているときです。

先ほども言いましたが、彼はAIDS否認主義者です。現在の医学ではもちろん、HIVが関連していると言うのが主流な考えです。

さらに、この発言は決して遺言ではありません。彼が亡くなったのは2019年の8月です。それも合いまり、『コロナ直前に殺された』などの陰謀論ができ、上図の発言もそれに合うように広められたのです。

PCRは必要時に

「PCR検査みんなにやれ」というのは間違えています。非効率。医療として当たり前ですが、検査は怪しい or 可能性がある人にしぼるべきです。

まぁ、すべて自費でやるのなら大いに結構です。もし、自治体が税金でやるなら「ふざけんな!」ですね。終息後はコロナ復興税が待ってますよ。

今日陰性でも明日かかる可能性もあります。非効率

中国のように国の命令で一気に大量の検査ができて、陽性が出たらその建物を包囲して一歩も出れないようにできるなら話は別です。日本では無理です。

前回も紹介しましたが、中国の武漢で1000万人の市民に対して行なったPCR検査では無症状陽性者は人に移さないというのも発表されています。

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無症状陽性者はうつさない

もちろん、無症状でも"未"症状の可能性もあるので、そのつもりでマスクをしたり、行動に気をつける必要はあります。

無症状と発症前について

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まとめ

情報社会では情報の取捨選択が重要。

発言者がどういう思想なのかも知る必要がある。

マリス博士の「遺言」は遺言ではなく、彼はエイズ否認主義者である。

治療薬、検査キット、ワクチンなどは儲ける道具であることも忘れずに。

新型インフルエンザは製薬会社が・・・

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では、また(^O^)