マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

MENU

中国の情報統制は今も健在

ここ最近、個人的に気になってたのは、ついこないだまでは「コロナはただの風邪や」と騒いでたインフルエンサーの方々が、「中国からの入国を止めろ!!」と言っている矛盾ww

結局、みなさん、『結論ありき』なんですね~笑

さて、今回は、ゼロコロナをやめて開き直った中国の懸念点を考えます。

シャレにならん

中国政府は、『コロナ死者』の定義を変えた*1ことで、ゼロコロナ政策を放棄した後も死者数は1桁レベル。コロナによる肺炎・呼吸不全からの死亡だけをカウントするそうです。

コロナ死者の定義を変更

オミクロン株は肺炎は起こしにくいのは周知の事実で、死者数を少なく見せる意図しか感じませんな。

しかし、今の時代、情報などは漏れてくるものです。

中国で死者が急増し、火葬が間に合わない情報などは日本でも連日報道*2されていますね。

中国でコロナ感染爆発

www.multilingual-doctor.com

シャレにならないような感染者が出ていると考えられます。

漏洩文書

中国衛生部(厚生労働省的?な)の内部文書が漏洩してきており、その情報によると、12月20日までに中国内で 2億5000万人が感染したという試算でした。

20日間で2億5000万人が既に感染?

中国の人口は約14億人ですから人口のおよそ18%にあたる人が20日程で感染したことになります。想像を絶しますね。

さらに、その漏洩文書の中では、12月20日(火)だけで3700万人が感染したと計算しています。

公式発表・・・

しかし、同日の公式発表では新規感染者数は3049人1万倍以上の乖離。笑

日本でも、安倍さんの国葬反対デモの参加者は1万5000人(主催者発表)が航空写真ではガラガラだったとかはありますが・・・笑 桁が違いますね。

中国製ワクチン

なぜこれほどに感染爆発や死者急増しているのか?

理由は中国製の不活化ワクチンの効果が低い*3ことが1つ、もう一つは重症化リスクの高い80歳以上の層の接種率が低い(65.8%)こととされます。

中国製ワクチンと未接種高齢者

つまり、追加接種以前に、未接種の超高齢者が結構いることが死者を増やしていると考えられています。

また、厳しいゼロコロナ政策でオミクロン株の感染者も少なく、免疫を持つ人が圧倒的に少ないことも関係ありそうです。

選択肢がない

大きな疑問は、なぜ高リスク層の高齢者の接種率が低いのでしょうか?

中国内では海外製のワクチンは打てません。

というわけで、中国製の不活化ワクチンを打つしかありません。

”ゴミワクチン”SNSで拡散

しかし、このワクチンが全く効かないこと、接種後に脱毛やデキモノが出る例が多く、これは『ゴミワクチン』だとSNS上で広がりました。

中国産ワクチン拒否

記事内の証言*4によれば医師や知識人の大半は国産は拒否し、mRNAワクチンを希望しているといいます。

mRNAワクチンの発症予防効果はオミクロン株になってから落ちましたが、それでも2回接種済みで高齢者の入院抑止効果が半年経っても9割以上ある*5ということもわかっています。

さらに直近のランセット系列の論文*6では、中国製ワクチン3回接種では、mRNAワクチン3回接種と比較して重症化が90%増加するということも報告されています。

ついに解禁?

中国はワクチン外交で、発展途上国への影響力を得ようとしていました。

しかし、中国製ワクチンの効果がかなり低いことは中国自身もわかっていました。感染者0、死者0を続けることが中国製ワクチンの宣伝になるので、ゼロコロナ政策で厳しい感染対策を続けました。

そのゼロコロナを急にやめ、感染大爆発が起きる中、中国はついにmRNAワクチンを承認*7しました。

ドイツ人限定

しかし、中国にいるドイツ人限定です。

ビオンテックはドイツの会社で、ファイザーと共同でmRNAワクチンを出しました。

で、その代わりに、ドイツにいる中国人にシノバックを打たせるように承認をさせました。

自国民には意地でも海外製を打たしたくないのですね。

そして、アメリカにあるファイザーに言わず、ドイツのビオンテックに言ったところも中国の『メンツ』を感じますね。

海外旅行へ

ゼロコロナ政策をやめた中国は海外旅行も緩和しています。

すると、感染爆発で医療品不足の中国から逃れようとする人々や、命を守るためmRNAワクチンを海外で打とうとする人*8がでています。

マカオでmRNAワクチン接種

これほどの感染爆発を起こすと、遺伝子の複製ミスが起こり、変異が起こるわけです。その中でたまにややこしい変異株が登場したりするわけです。

世界が恐れているのは、これです。

教えてあげないよ♪

しかし、中国は先手を打ちました。

要は、「中国人の大移動で海外へ変異株をもたらした!」とかなると困るので、初期の武漢でやったように証拠を消すことにしたようです。

情報統制の方針

陽性者から出たゲノム解析を禁止*9しました。

ということは、今後中国で変異株ができても、わからないし、海外に出ても「うちでは見つかっていない」と言えるわけです。

これからの展望

日本政府は、中国からの入国の際に検査をすることを決めました*10

アメリカ政府でも中国からの入国制限を検討している*11と伝えられています。

米、中国からの入国制限検討

日本で現在広がっているのはいまもBA.5が主流です。欧米では、BQ.1(BA.5の亜系統)がメインに置き換わってきています。日本でもBQ.1が増えてきているのでいずれ置き換わるでしょう。

変異株の割合

BQ.1はBA.5よりさらに感染力が強いようですが、重症化などはあまり変わらなさそうです。

中国については、データは得られませんが、BF.7というBA.5の親戚ですが感染力がさらにすごいヤツが流行しています。

さいごに

いかがでしたか?

中国での感染爆発は、効果の低い中国製ワクチンに依存し、メンツを保つためにゼロコロナ政策で厳しくした結果、一気に制限を緩和すると感染者急増、死者増加につながりました。

感染爆発は新たな変異株を生み出す可能性を秘めています。

そんなさなか、中国は海外旅行の制限も緩和し、現在医療提供ままならない中国から海外に逃れようとする人たちが多くいるのは目に見えています。

また、中国は、情報統制に入っており、感染者数もええ加減、変異株も調べないという風に進みました。

何やら不穏な流れ。。。

では、また(^^♪