マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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米『中国の不法移民マジ増えすぎ』

アメリカの大統領選に出馬するトランプ氏は、不法移民には厳しい姿勢を示しています。

ところで、アメリカの移民問題といえば、普通はメキシコからの不法移民の問題が注目されます。

しかし、最近は中国人の問題も大きくなっている

*1*2*3*4ようです。

6300%以上の増加

中国人の不法入国はアメリカの南北の国境どちらからも入ってきており、2024年度(2023年10月以降)の6カ月で既に2万2千人を超えています。

昨年度は約2万4千人ですので、今年度は半年でその数字を超えています

逮捕された数を見てみると、2021年度は342人、2022年度が1987人という記録がありますので、2023年、2024年がどれだけすごいかがよくわかります。

6300%以上の増加!

この数年で、中国人の不法入国が6300%以上の急増を示しています。

南側の国境に近いサンディエゴ地区では、2024年5月のある日に、たった1日で182人の中国人不法入国者が逮捕されています。

共産党の差し金?

米・議員等は不法入国者が中国共産党との差し金ではないかと危惧する声が上がっています。

実際問題、中国共産党の指示で米国内に侵入し、軍事機密や企業秘密のスパイをする事例が山ほど報告されているからです。

中国共産党の差し金?

バイデン政権では、近年の中国の一番の脅威として、産業スパイ市場操作を挙げています。

先日も、カリフォルニア州で海兵隊の基地に侵入し、施設に入ろうとした中国人不法移民が、退去命令に従わず拘束されました。

これに対しアメリカ政府は、国益を守るためにも不法入国者には厳しく対応することを明言しています。

なぜ急増?

以前は学生ビザを取得し正規のルートでアメリカ入りし、留学生がスパイ活動をするという問題がありました。日本にも孔子学院がありますな。現在は名前を変えて、中外言語交流協力センターという名前で活動しています。

孔子学院とは?

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もちろん、決して褒められることではありませんが、少なくとも学生ビザという正規の方法で入国しています。

それでは、なぜいまは不法入国が増えているのでしょうか?

一番は、アメリカ政府が中国人に対するビザを制限していることでしょう。

コロナの感染拡大もあり、同時に米中関係の冷え込みもあって、中国人に発給される短期ビザはこの5−6年で1/15と激減したのです。

米・中国人へのビザ発給激減

こうした背景から、アメリカに行きたい中国人は、不法入国をしてでも入りたいのです。

それはスパイも、中国政府の抑圧から逃げ出した人たちも同じです。

中国からの脱出

世界第2位の経済大国の中国。

そんなよさげな(?)国から脱出したいなんてあるのでしょうか??

このような純真な疑問を持つ人は、もはや数少ないでしょう(笑)

中国内の貧富の差

確かに、すんごい富豪もたくさんいまして、富裕層(資産100万ドル以上)は中国内に約420万人*5もいるといわれています。その一方で、国民の半分近くは月収1万5000円ほどの極貧生活*6をしているわけです。

反発?タンピン族の登場

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そうです、日本に来ているたくさんの中国人は都市部にお住まいのリッチな方々のみです。農村部にお住まいの方々は海外旅行なんてできません。

実際、中国人のパスポート保有率は5%ほど*7です。

そしてこの状況は、中国政府としても都合いいのです。

金持ちは中国を裏切らない

今の中国という国で、成功してお金もたくさんある人は、中国が潰れてほしいと思いませんし、中国から逃げ出したいなんて思いません。

一方で、貧しい生活をしている人は、中国から抜け出したいと思います。しかし、そんな人たちが自由な海外を見るとどうでしょうか?

簡単には海外に行けないようにしています。

中国からの脱出を決意

そして、習近平体制になってから、国民への締め付けや、情報統制が厳しくなったことで、中国と言う国に希望を見出せない人たちが亡命を志すようになったのです。

危険な密入国

さて、中国共産党のスパイだろうが、中国の圧政から逃れたい亡命者だろうが、いずれにせよアメリカへの不法移民はいばらの道です。

成功者らのTikTok動画を研究し、ブローカーに斡旋料を支払って移動を手伝ってもらいます。

ブローカーに大金を支払う

在米中国人の「共助組織」と事前に連絡をとり、交通費や宿泊費などを含めた費用約30万元~40万元(約600万円~800万円)を支払います。

目指すのはエクアドルです。というのも、中国人がノービザで入国できるからです。

そこからは陸路で北上していくのですが、南米といえばマラリアなどの感染症が蔓延しており、さらに危険なギャングらがはびこっている難関なのです。

レイプ、強盗、殺害など被害に遭う人も後をたたないようです。

南米のギャングにも通行料

てなわけで、エクアドルでの密入国ガイドへの「手当」も必要になります。

こちらは相場は約1万ドル(約150万円)程度といわれます。

うー、密入国ビジネス。。

さいごに

いかがでしたか?

アメリカへの不法移民はメキシコなどの中南米の人ばっかりというのはもはや過去のイメージです。ここ最近は中国からの不法移民が押し寄せているのでした。

この背景を知ると、ついさきほど、移民にやさしい左派の民主党・バイデン政権が、『亡命申請を制限』する大統領令を発表した意味も分かってきますね。

それにしても、中国からの脱出も、脱北並に厳しいんですね。

では、また(^^♪