人間誰しも怖い夢を見たりして、朝あまりいい気分でなく起きることがあります。
子供の頃に、「左(心臓)を下にして寝たらあかん」と教えられました。理由としては、心臓が圧迫されストレスから怖い夢を見る*1らしいです。
さて、今回はこの悪夢に関して、CNNの記事*2から学んでいきましょう。
殺される?夢
あるカナダ人の患者は「連続殺人鬼に追い回される夢をここ数年しょっちゅう見る」と言います。
その夢を見るようになって以降、日中起きている時でさえも、自分の足の上に何かが乗っているような異様な感じがするときもあるといいます。白昼夢です。
別のイギリス人の患者では、「息ができず、誰かが胸の上に乗っている悪夢を何度も見る」と言います。
また別のアイルランド人の患者は「殺人鬼に狙われる」夢や「自分の皮膚が剥がれてしまう夢」などを訴えます。
彼らの話を聞いてみて、あることもわかりました。
ストレスが多ければ、悪夢はより鮮明になるのです。
このような恐ろしい夢や、白昼夢が実は裏に病気が隠れているかもしれないのです。
病気が悪くなるサイン
僕自身は歯が抜ける夢をたまに見ることがあるのですが、物の本によれば、”虫歯がある”とか書かれていたりします。もちろん根拠はないでしょう。笑
しかし、イギリスのケンブリッジ大学の公衆衛生学の研究者が行った今回のstudyでは、悪夢などを見ることが「病気のサイン」であったり、「持病が悪化するサイン」である可能性が指摘されました。
その研究者によると、特にSLE(全身性エリテマトーデス)の患者で見られる傾向で、その他の関節リウマチなど自己免疫性疾患でも「病状悪化」と関連しているようだと言います。
SLEは、誤って自分の細胞を攻撃してしまう全身性の自己免疫性疾患です。原因としては、遺伝、感染症、紫外線、妊娠・出産などが知られています。
症状としては、関節痛や腎炎、顔に蝶形紅斑と呼ばれる皮疹が有名です。
重症例では、妄想などの精神障害や脳梗塞などを起こすこともあります。
コロナも原因
シカゴのノースウェスタン大学の睡眠医学・精神行動科学の准教授も今回の研究についてコメントをしています。
悪夢は本人にとっては、非常に辛いものであるが、あまり一般的には理解されておらず、研究としてもPTSD以外では注目されることはありません。
最近の研究では、定期的に悪夢を見る人の割合は人口の5%ほどですが新型コロナ後遺症患者では18%にも及ぶことがわかっています。
コロナ後遺症は、以前記事にしましたが、全身性の慢性疲労症候群であり、身体的・精神的ストレスが悪夢につながるのかもしれません。
▼コロナ後遺症について▼
金縛り
関節リウマチやその他の自己免疫疾患の患者では悪夢を見やすいだけでなく、レム睡眠障害の1つである「金縛り」もよく体験することがわかっていまうす。
レム睡眠とは、要は体は寝ているけれど、脳は起きているという状態ですね。このときに、記憶の整理・定着、ストレスの解消を行っていると考えられています。
またこのときに夢を見るようで、記憶の断片のつなぎ合わせが夢になっているのでは?と考えられます。
サインに気づいて
全身性の自己免疫疾患では、様々な前駆症状があります。
つまり、病状が悪化する前に出てくる、各種症状です。それは、頭痛であったり、倦怠感が続いたり、関節痛であったり、めまいであったり・・・
これらは体内で炎症が大きくなっているサインだと考えられています。
そして、自己免疫疾患の患者では、これらの前駆症状に気づき、早めに治療することが非常に重要です。
そういう意味では、自己免疫疾患の患者は悪夢を見たら主治医に伝えたり、医師側ももっと患者の悪夢などに関心を持って話を聞くべきではないかというのが今回の研究の締めになります。
注意しなければいけないのが、健康な人でも悪夢を見ます。それだけで、自己免疫性疾患を疑うことはありませんので、慌てずに!
他にも、極度の倦怠感や頭痛、蛋白尿などそういった所見に頻繁な悪夢があれば「怪しいな」と考えるくらいがよさそうです。
では、また(^o^)ノ