埼玉県にある川口市で『クルド人』というキーワードでニュースをよく耳にすると思います。
今回はこの辺、学んでいきましょう*1。
クルド人
まずは、「国を持たない最大の民族」という形容詞があるクルド人について学びましょう。
元々、クルド人はオスマン帝国(現トルコ)に住んでいました。
広大なオスマン帝国では様々な人種や文化が入り混じった多様な社会でした。
ところが、第一次世界大戦でオスマン帝国が敗れ、国土が縮小されると、「トルコ語を話すトルコ人のための国」になってしまったのです。
さらに、英仏露が旧オスマン帝国領を勝手に分割(サイクス・ピコ協定)したことで、クルド人が暮らしていた地域も別の国々(イラクやイランやシリア)にまたがるようになりました。
いずれの国でも少数民族として、ひどい扱いを受けてきました。
21世紀に入り、シリアで内戦が始まると、自治を求めるクルド人も参戦します。
この頃、ISが勢力を増しており、シリア政府軍はクルド人兵と手を組み、ISを撃退し、その見返りでシリア北部の一部はクルド人による自治を黙認しています。
こうなると、その流れがトルコ内に波及するの嫌い、トルコはクルド人を『テロリスト』と指定して攻撃するようになりました。
クルド人”難民”はこのようにしてでき、世界各国で難民受入をしています。
ワラビスタン
埼玉県で人口が1番多いのが県庁所在地のさいたま市、2番目が川口市です。
そしてこの2つの大都市に挟まれる日本一小さな市が『蕨(わらび)市』です。
蕨市は京浜東北線や埼京線で都心まで30分圏内、なのに比較的家賃が安いという恵まれた立地です。
以前から日本で暮らしていたクルド人をたよって、90年代からクルド人が川口市や蕨市周辺に住みつくようになりました。
すると、そのクルド人たちを頼ってどんどんとクルド人が日本にきて難民申請を提出ということを繰り返すうちに、「ワラビスタン」を形成していきました。
日本は世界的にも難民認定が厳しく、難民の受け入れが非常に少ないです。なぜ、ワラビスタンができたのでしょうか?
民主党政権
安倍元首相が「悪夢の民主党政権」とよく口にしていました。
その民主党政権時代の2010年に、難民申請のルールを変えました。
難民申請から6カ月経過したら日本での就労可としたのです。すると、迫害などされていないけど、「日本で働くために難民申請」をする、就労目的の難民申請者が増加しました。
すると、難民申請者数は2010年に約1200人から2017年には約2万件に急増しています。
「これはやべぇぞ」と2018年、安倍政権が一律就労を廃止し、明らかに難民に該当しない申請者の在留や就労条件を元に戻すと、難民申請者は半減*2しました。
民主党政権がワラビスタン形成にも関係していたんですね。
さて、なぜ川口市や蕨市にクルド人が集中して住んでいるのでしょうか。
東京都心に近くて、家賃が安い・・・
はい、安いには必ず理由があります。
NK流
NKと見ると、North Koreaを想起させますが、違います。
Nishi Kawaguchi(西川口)です。実はここ、かつては違法風俗で賑わった地域です。
ここの”NK流”は、世の男性を虜にしてきて、週末などは非常に栄えていたんです。
元々は東京・赤羽にあった違法風俗店が摘発され、逃げ込んだのがこの西川口だとか。
しかし、”違法”なわけで、後に取り締まりが強化され、2006年に埼玉県警が一斉摘発を行い、いまやそういうお店もほぼ壊滅状態です。
その空き家ビルは値崩れし、そのタイミングで中国人富豪が買い占めたわけです。
そう、ここはチャイナタウンに変貌を遂げました。芝園団地なんてのは有名ですな。
いまでは、中国人、ベトナム人、クルド人などが定着し、日本ではないような雰囲気を出しております。
こうして、川口市は日本で一番外国人の多い町となっております。
なぜ日本?
川口市や蕨市に外国人が多いこと、さらにクルド難民が住み着いてワラビスタンを形成していることはわかりました。
しかし、最初に述べたように、そもそも日本は難民受け入れが世界的に非常に少ないです。
そんな中で日本に難民申請する理由は何でしょうか??
答えは「入りやすいから」です。
▼アメリカへの入国は厳しい▼
日本とトルコの間では、最大90日間のビザなし渡航ができます。
つまり、観光で日本に入国さえすれば、『トルコ政府から迫害されてます』で難民申請できるのです。
欧米に比べ最初のハードルが低いのがクルド人にとっては都合がいいのです。
しかぁし、日本の難民認定は厳しく、「出稼ぎや定住を目的としていることを強く疑わせる」としてなかなか認められません。当たり前。
もちろん、実際に迫害され命の危険があり、日本に逃げてきた人もいるのかもしれませんが、わざわざ航空券買って飛行機乗って日本に逃げて来ますか?という疑問点は残りますわな。
日本も対策を強化しており、今年6月の入管法改正で、3回目以降の難民申請者は、新たに難民と認定すべき相当な理由がある資料を示さない限り、強制送還が可能になりました*3。
いままでは、観光VISAで入って「ワタシ、ナンミン」で申請→却下→再申請→却下・・・を繰り返して日本に住み着いていた人たちも強制送還できるようになったのです。
さいごに
いかがでしたか?
ニュースでよく見かける、『川口』『クルド人』のキーワードについて学んでみました。
実際の難民かどうかを見極めるのは非常に難しいです。
飛行機代をわざわざ払って日本まで来る人たちを『難民』と呼べるのか?という議論はかなり的を得ていると思います。
制度の抜け穴を狙って、ブローカーたちはどんどんと不法入国をさせていきます。
危機意識を持って、定期的に法の改正などは必要ですな。
ではまた(^^♪