マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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どこもかしこも駐車場

♪どこもー かしこもー 駐車場だねー

♪どこもかしこも 駐車場だよー

・・・

 

森山直太朗の歌で、サビがずっとこの『どこもかしこも駐車場』だという曲、もちろんタイトルも『どこもかしこも駐車場』なんですが(笑)

さて、今回はコインパーキングがどんどん増える背景を学んでいきましょう♪

コインパーキング

無人の駐車場で、お金を払って駐車するコインパーキング。

ま、今は、電子マネーで払えたりもするので『コイン』である必要はないのですが。

英語では hourly-paid parking (lot) とか pay parking (lot) と言います。

コインパーキング

さて、新しい大きな駐車場などでは、車のナンバープレートを画像で記録し、出入場を管理して精算するシステムもあります。海外では pay-by-plateという方式で呼ばれているものです。

お隣の韓国ではコインパーキングはほとんど見かけませんね。そもそも、車庫証明が不要なので、家にも駐車場がないのが当たり前で、路駐文化が根強いです。

バレーパーキング

他のタイプの駐車場としては高級ホテルやアメリカのレストランなどで、玄関前に車を乗りつけて、鍵を渡したら車を駐車・保管してくれるものはバレーパーキングと言います。

ちなみに、大阪などで昔見られた『モータープール』ですが、米軍が昔使っていた用語のようで、日常会話では使われません。

 

さて、話は戻って、日本でコインパーキングが増殖している背景を学びましょう♪

アメ様の怒り

戦後の高度経済成長期を超え、一気に先進国に仲間入りした日本ですが、オイルショック(1974~)が世界を包みます。それにより、日本の景気も鈍化していました。

そこで、日本は自動車業や電化製品の製造業に力を入れ始めました。

レーガノミクスで大儲けした日本

そのころ、アメリカでもオイルショックで景気が悪く、『強いアメリカ』をスローガンにドル高政策、いわゆるレーガノミクス(1981)を行いました。

すると、円安・ドル高となり、さらに日本製品の品質の高さも相まって、日本は輸出で儲かる構図が出来上がりました。

アメリカ、怒る

これに気を悪くしたのがアメリカで、今度は反対に、日本が儲からないように円高になるように日本に迫ったのが有名なプラザ合意(1985)ってやつですね。

こうして日本は円高不況に陥りました。

バブル崩壊

不況の対策として日本政府は低金利政策を実施しました。

不景気⇒低金利政策

つまり、お金を借りやすくして、「みんなどんどん経済回してね」という政策です。

また、戦後40年以上過ぎ、都市再開発をどんどん行い雇用を増やそうとしました。

すると、再開発に伴い土地の値段が上がり始めました。

土地神話と財テク

土地神話というものがあり、「土地の値段は下がることはない」と、冷静に考えればそんなわけないのは自明ですが、多くの人が信じ込みました。

庶民の間でも、低金利なことを利用し、お金を借りて土地を買い、価格が上がれば売るという儲け話、いわゆる財テクが流行しました。

これにより土地の価格は実態以上に高騰したのです。中身がないまま膨らみ最後ははじける・・・これが bubble です。

総量規制と地価税

政府も対策に出ました。

「土地を買うための借金は規制します」という総量規制や「土地を持っていたら税金とります」と地価税にを導入すると、逆にブレーキが効きすぎて土地の価格は急落しました。

すると、たくさんの土地を持っていた大手企業が不良債権を抱えることとなり倒産し、そこにお金を貸していた銀行も破産・・・というのがバブル崩壊ですね。

バブル崩壊とは

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空地の有効活用

さて、土地価格の下落に伴い、不動産価値も低下。マンションを建てても売れない時代になっていました。

しかし、土地を遊ばしておくのはもったいない・・・

とりあえず、駐車場にしてしばらく小遣い稼ぎでもしようと、1991年以降コインパーキングが広がり始めます。

コインパーキングの始まり

さらに、車の保有数が年々増えていっていたこともあり、駐車場の需要も上がっていきました。依然、違法駐車は多く、駐車場は全然足りない状況でした。

駐車監視員

さらに追い風となったのが2006年の道路交通法改正で、駐車監視員という業務が規定されました。

”駐車監視員”の登場

警察が直接駐車違反を取り締まるのではなく、委託した業者の駐車監視員という”みなし公務員”が駐車違反の”確認”を行い記録し警察に報告します。

人海戦術で駐車違反をしらみつぶしに・・・

こうして、駐車違反の取り締まり強化が背景にさらにコインパーキングの需要は伸びました。

ライフスタイルの変化

時代とともにライフスタイルも変化しました。

核家族化が進み、通勤・通学に便利な都市部に住む人が増えました。

すると、車を持たない家庭も増えたのです。それに合わせて、新たに作られるマンションなどでは駐車場の数はかなり少なく作られるようになりました。

ライフスタイルの変化

マンションを買ったのに、駐車場の空きがないと、近くで駐車場を借りないと・・・

最近では月極と時間貸しのハイブリッド駐車場が住宅街でも多いですね。

また、両親が亡くなって相続した土地があるけど、特に使用用途がない場合、「駐車場でもして少し儲けようか」というのもありますね。

ハードルが低い

不動産投資をするには初期費用としてかなりお金がかかります。

しかし、空き地を利用した駐車場経営ならば、初期費用少なく気軽に始めれます。

コロナ禍での在宅ワークでの副業としてもさらに注目され、コインパーキング投資としてサラリーマンらの間でも始める人がいるのです。

しかし、デメリットもしっかり把握していないと痛い目に遭うこともあります。

例えば、両親の住んでいた家を潰して、駐車場にした場合などです。

固定資産税に注意

住居用の土地と、それ以外の土地では固定資産税が全然違います。

住居用は特別に1/6にしてくれている固定資産税が駐車場にすると、住居用でなくなるので高くなってしまうのです。

何事もリサーチは重要ですね。

さいごに

どんどん増えるコインパーキング。

歴史をひも解けば、様々な要因が複雑に絡んでいるのでした。

どこもかしこも駐車場~~~

ちなみに、森山直太朗の『コンビニの趙さん』という歌もなかなかいい歌です♪

では、また(^^♪