マルチリンガル医師のよもやま話

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WHO『情報提供もらえずわかりません』

新型コロナウイルス感染症が武漢で確認されて早2年半が過ぎました。(ま、実際はもう少し前から流行していた可能性が高いですが)

新規感染症と言うのは今まではヒトには感染しなかったウイルスが突然変異してヒトに感染するようになったものです。これから先もこういったことはあるので、科学としては、どのようにして今回のウイルスの変異が起きたのか解明する必要があります。

進展はあったのでしょうか?

『研究室流出説を調査』

新型コロナウイルスによる死者は世界で630万人*1を越えました。

ウイルスの変異や、ワクチン・内服薬の登場で致死率は大きく下がりました。一方で、このウイルスの起源についてはどうでしょうか?AP通信の記事*2から学びます。

流出説についてももっと調査を

WHOは武漢の研究室からの流出説についてももっと調査したほうがいいと言っています。

ん、ちょっと待ってくださいな、おかしいですね~(笑)

『研究室漏洩の可能性は極めて低い』

去年、WHOは現地調査の後、「流出の可能性は極めて低い」と結論*3づけてましたよね。その後、新たな現地調査などなかったのに意見が変わりました。

批判が多く、路線変更

どうやらかなり批判が多く、路線変更したようです。(笑)

名ばかりの現地調査

では、昨年の現地調査はどんなものだったのか振りかえりましょう。詳細は過去記事にありますのでお時間あればぜひ↓↓

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ここでは、軽~く復習程度で行きます。

昨年の現地調査に入れたのは中国が許可した研究者だけでした。まずこの時点ですんごいバイアスですね。で、アメリカ人で唯一許可されたのがピーター・ダスザック氏。

ピーター・ダスザック氏

この人は、武漢ウイルス研究所と密接な関係があって、コウモリ女こと、石 正麗 氏と研究仲間です。(↑詳細は過去記事参照)

2015年のオバマ政権下で、アンソニー・ファウチ博士が武漢ウイルス研究所への資金提供にGOサインを出しましたが、その時の仲介役もこのピーター・ダスザック氏が率いるエコヘルスアライアンスです。

アメリカから武漢ウイルス研究所に資金提供

アメリカは国内での”ウイルスの危険な研究”を禁止した為、中国に外注したということです。アメリカから370万ドル(約4億円)が武漢ウイルス研究所に行きました*4

で、彼らの関係を図にするとこんな感じ↓

色々怪しい関係

現地調査は中国の関係者がベッタリ張り付き、決められたところしか調査できませんでした。そして、最終の発表前には中国側からの圧力があったことも指摘されています。

中国からの圧力

報告書に、『研究所流出』に関わる内容は書かないようにと。

本当に無意味な現地調査でしたね(笑)

『研究室流出』にアレルギー

過去にも研究室流出による感染症拡大はありました。

1978年に英国の大学で天然痘ウイルスが流出し死亡者が出ました*5。また、”ソ連かぜ”と呼ばれたインフルエンザも中国とソ連の研究室からの流出が原因*6とされています。

「研究室流出」にアレルギー

当然、自分たちの過失でウイルスを流出させてしまい死者が出たら、どれほど自責の念に駆られることでしょうか。

そんなこともあり、科学者たちの中では『研究室流出説の調査』という言葉にアレルギー反応を示す人がいるというのも納得です。

中国のあまりに非協力的な態度を見ると、何か隠したいことがあると考えるのが自然ですね。

テドロス氏も要請

しかし、白黒ハッキリつけるべきだという論調は強く、中国に対して、現地調査への協力を求める声は多いです。

そんな中、WHOテドロス事務局長は当初から中国賞賛を続けておりました。彼の出身国エチオピアは『アフリカの中国』と呼ばれ、チャイナマネー漬けとなっているからです。

アフリカの中国:エチオピア

彼に対する批判も高まり、世論に押されたせいか、最近は中国に対して、新型コロナの初期データの提供などを2度要請しています。

情報提供してもらえず

ま、中国には無視されているようです(笑)

「情報提供なくわかりません」

こういった背景で、時間ばかり過ぎますが、全く新たな情報は得られていません。

『情報提供なくわからない』

現在のWHOのスタンスとしては、可能性がある以上は調べないといけないが、中国の協力が得られないから難しいんだよね~ということです。

SARS起源解明まで10年

2003年に中国で発生したSARSは、コウモリからヒトに直接感染することが後にわかりました。わかったのは2013年、つまり10年も要したのです。

もちろん当時より科学も発展してますし、容易に海外と情報交換もできるのでこれほど時間はかからないでしょうが。

今から証拠をつかむのは難しい

しかし、もう2年以上時間が過ぎて、市場や研究室からの関連を証明するのは難しいでしょう。というか、中国は初めからこの時間稼ぎを狙ったのでしょうね。

さいごに

いかがでしたか?

新型コロナウイルスの起源調査は、中国の協力が得られずなかなか進みません。

昨年やっと受け入れた現地調査は中国が許可した研究者のみ、中国の指示した通りに場所だけ見学できました。最後の結論のときも、『研究室流出』の可能性については言及しないようにと圧力をかけていました。

そのような中で、「流出の可能性は極めて低い」と声明を出したのが去年で、その後、多くの科学者から反発があり、今年は「もっと調べるべきだ」と意見が変わっています。

いずれにしても、2年半が過ぎ、証拠となるものはほぼ残っていません。。。

 

では、また(^.^)ノ

 

流出説詳しく

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