マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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解説『武漢の謎に新たな光』

当ブログでは過去に何度かコロナ起源に関する記事を書いております。

新型コロナは流出か

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やはり流出を疑う

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私は現時点では研究所流出を強く疑っております(後述)が、今回は最新の知見を入れてupdateしていきましょう。

当ブログの見解

まず、過去記事をまとめて、わかっている事実は・・・

2015年 オバマ政権で危険生物(細菌・ウイルス)のアメリカ本土での研究が3年間禁止*1*2となり、その年にできた武漢ウイルス研究所の新施設への外部委託をすることになりました。

アメリカが資金提供

このときにアメリカから370万ドル(うちコロナウイルス関連は60万ドル)の資金提供*3をしています。

この施設内で、過去のMERSウイルス(コロナウイルスの1種)を用いて、"コウモリ女"こと石 正麗博士らがアメリカの大学研究機関とともに機能獲得試験を行ったことは2015年の論文で報告*4されています。

武漢ウイルス研究所で機能獲得試験

機能獲得試験とは、ウイルスがどういう変異をすればさらに強毒化するか、とか人に感染しやすくなるかなどを行うことで、それに対抗する薬やワクチンの開発に重要なデータを提供します。(ただ、万一流出したら・・・( ゚Д゚))

で、このときの研究費も↓

アメリカからの資金提供

アメリカのNIHから資金提供を受けていることも明記されています。ま、国内で禁止だから中国にお金を払ってお願いしましたって流れです。

問題は、このウイルス研究所の管理がユルユルで流出の危険性があると2017年から指摘されていた*5ことです。

ウイルスの研究は、危険度や治療法の有無などによって、扱える施設のレベルが違います。BSL-1からBSL-4までに分けられています。

バイオセーフティーレベル

コロナウイルスはBSL-3で行うことが多く、武漢研究所ではBSL-2施設で行うこともあった*6こともわかっています。

つまり、「万一広がっても風邪のウイルス」と甘く考えていたことがわかります。

当ブログの見解

以上から、一番あり得る話としては、上図の流れだと考えています。

もしくは、研究所内の人が感染し、外部に広がった。ま、いずれにせよ研究所始まりだと思っています。

3つの仮説

さて、先日のワシントンポストの記事『武漢の謎に新たな光』*7から最新の知見を見てみましょう。

2つの仮説

まず、コロナ起源には2つの主要な仮説があり、1つはコウモリから中間宿主経由でヒトへ感染した自然発生説です。最近、武漢水産市場で売られていたタヌキが中間宿主かという研究*8が出ましたね。

そしてもう一つが私の意見と同じ研究室から何らかの形での流出説です。

研究者が偶発的に感染?

そして、これらの2つの中間として、研究者がコウモリに噛まれるなどで偶発的に感染し、それが広がったというのもあります。ま、結局は研究所始まりです。

管理体制まだまだ

近年、中国は遺伝子操作やワクチン開発などの最先端科学技術への投資に大きな意欲を示しており、たくさんの研究所を作ったりしています。

生命工学分野の拡大に躍起

西洋に追いつけ、追い越せ。特にライバルはアメリカです。

2015年に武漢ウイルス研究所でBSL-4施設が作られたのもこの一環です。危険なウイルス研究はBSL-4でやる必要があります。

安全管理は追いついていない

しかし、その一方で、安全管理などは追いついていません

先ほど見た通り、武漢ウイルス研究所の漏洩リスクについても過去から指摘がありますね。

違法な取引

問題は安全対策がユルいだけではありません。

「自分には関係ない」「被害は他人に及ぶだけ」という無責任なモラルです。

モラルの問題が大きい

ウイルス実験などに使用した動物をコッソリ市場に売りさばいたり、ウイルスや細菌が混じっている汚染水を一般の下水に流したりと、いったことが報告されています。

そして、何よりも共産党独裁で、目標が設定されれば、嘘をついてでも目標を達成する社会です。

隠ぺい体質の中国

また、不都合な事件や事故は決して世間には知られないように隠ぺいされます。

40人の死者を出した高速鉄道の脱線衝突事故(2011)*9でも、車両はすぐに埋めましたね、証拠隠滅。コロナの時も、現地調査を拒み続けて、初期のウイルス検体などはすべて破棄、証拠隠滅。

ウソで塗り固める社会

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 武漢ウイルス研究所で

さて、武漢ウイルス研究所でもこのような体質が問題を引き起こしたのでしょうか?

ヒトに感染しうるコロナウイルスを調査

武漢ウイルス研究所では、コウモリやネズミの肺をヒトの肺に似せて、どのコロナウイルスがヒトに感染しうるかという実験をしていました。これはアメリカ上院の報告*10に書かれています。

パンデミック前に緊急調達

この報告書によれば、2019年11月、コロナ感染者の初報告の1カ月前に、武漢ウイルス研究所は排ガスの殺菌・消毒を行うインシネレーターを『緊急調達依頼』しています。

仮にどこかの施設のイシンネレーターが故障したのであれば、その施設での実験を中止し、修理or付け替えすればいいのに、『緊急調達依頼』するのはなぜでしょう?

実は施設設備が整っていないまま、または不適切な施設でコロナウイルスを扱っており、それが流出し、空気中へまき散らしてしまうことに焦ったからと考えるのが自然ですね。

さいごに

いかがでしたか?

今さら多くの新しい情報は見つかりませんが、最新の報告を元に知識をアップデートしました。

ちなみに米上院で、コロナ起源の報告を出している議員は共和党の議員です。

なので、政治観的には『中国嫌い』というのが根底にあるので、多少引き算してみる必要がありますが・・・

新たに分かったことなどをも見ていきましたが、やはり武漢ウイルス研究所の関連を疑ってしまいます。

みなさんはいかがお考えでしょうか?

 

つづく(笑)