マルチリンガル医師のよもやま話

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ジェネリックの真髄を知ってお得に生きよう

新しいものが発売されると手の届く価格なら試してみたくなるのが人間の"性" とでもいいましょうか。新しいものは当然最新の技術があっていいものですよね~でも高い。

今日はジェネリックについて学んでみようと思います。

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ジェネリック

ジェネリック医薬品というのはみなさんもう聞きなじみですね~

ところでジェネリックという意味はご存じでしょうか?

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ジェネリックの意味

generic まずアクセントは第二音節ですから注意してくださいね。意味は『一般的の』とか『包括的な』『無印の』などです。

よく考えると general (一般の)という単語にスペルが似てますよね? general の方は他に『全身の』という意味もあります。general anesthesia というのは全身麻酔です。

二つの違いは、ザックリと考えると、普段はgeneralを使えばOK、ブランドがない(無印)などのときはgenericと覚えればよいです。

ジェネリック医薬品と言うのは、つまるところノーブランド医薬品みたいなもんです。

ジェネリック医薬品

さて、我々医療現場では『ジェネリック』という言葉よりも『ゾロ』という言葉を使います。

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ゾロ

次から次へとゾロゾロと後発品が出てくることから ”ゾロ” という隠語?業界用語?が使われます。笑

さて、このジェネリック医薬品を知るにはまず次の2つを知る必要があります。

一般名と商品名

医者になりたての頃はこれに苦しめられました。学生のときは薬理学一般名(化学物質名)を覚えるのですが、働きだすと薬は商品名で使われます。だから名前がわからない( 一一;)笑

なんでこんなわざわざ分けるのでしょうか・・・

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一般名と商品名

例えば、ある咳止めの薬で見てみましょう。一般名はジヒドロコデインリン酸塩です。我々医師はこれを見たときに”コデインリン酸塩”とか ”リン酸コデイン(リンコデ)”などですぐに咳止めだとわかります。

しかし、一般の方が、こんな長いカタカナ名称の薬を覚えられません。特に高齢者はたくさんの種類の薬を飲みますのでどれがどれかわからなくなります。

つまり、なるべくわかりやすく覚えやすい名前にしよう!というのが製薬会社が使う『商品名』です。

先ほどの例では『セキコデ』です。咳+コデインでできていますがパッと咳止めとわかりますね~

もちろん商品名は同じ成分でも会社によって違います。コーラとペプシとか、7-upとサイダーくらいのもんです。

海外に紹介状を作るときは、セキコデなどの商品名は通じませんので、一般名を使うのが常識となっています。

ジェネリックは偽物?

よく患者さんに言われます。

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『ジェネリックは効かない』

日本語で『後発品』と呼ばれるので、ブランドのパチモノ*1みたいな印象を持たれている方も結構多いんです。(笑)

これは全く違います!

では、わかりやすく例を考えてみましょう。新型コロナウイルスの治療薬が開発されたとしましょう。丘田製薬という会社が『コロナオル』という薬を開発しました。(コロナ?おかだ?うーーむ。。笑笑)

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ジェネリックの流れ

丘田製薬は特許を取って10年間は独占的に高めの値段で売れるわけで、この間に”ブランド力” を高めます。特許が切れたときにその”ゾロ” が他社から売られるようになるわけです。

有効主成分は同じなので基本的には同じ効果が期待されます。もちろん100%同じではないので、同一ではなく”同等の薬剤”と称することが多いです。

さらに、売り始めて10年の間に飲みやすい形状ができたり、長持ちするような製法ができたりと技術革新もあるでしょうから、ジェネリックとして登場するときはそのような進化もつけて現れるのです。

しかも、価格はゾロが出始めるとだいたい3割引くらい、最終的にはオリジナルの8割引き位の価格になります。最初高いのは莫大な開発費用などを回収する為でもあります。

医療費削減のためにも

高齢者はたくさんの薬を飲んでいることが多いです。するとちりも積もれば…で薬剤にかかる費用も大きいです。しかし、本人は1割負担ですからあまりイタくない。

残りの9割は国民が払ったお金、医療保険です。医療費がひっ迫しているので、なるべくジェネリックを推進するのは国として当然ですね。

西欧諸国ではジェネリックの処方の割合は7割にも達していると言われています。

10年ほど前までは日本でのシェアは10-20%くらいで、だんだんと政策によりジェネリックを使うようになり、2018年に70%を超えました。

しかし、やはり「ジェネリックは効かない」と言う方もいます。ごくわずかな副成分の違いによる可能性、心理的影響などがあるのかもしれません。

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気になる点

これは先ほどまで書いたように、主成分のみが一緒で、他の含有物は違ったり、製法がオリジナルとは違うため完全に同じではないということです。”同等の効果”が期待されているということです。

 

世界中のジェネリック薬品はほとんどがインドと中国作られています。ま、インドも、実は原材料は中国から仕入れているので実質中国で作られていると考えて問題ありません。

あと、ジェネリックは審査がユルいというのも気にはなります。2018年にバルサルタンのジェネリックの降圧薬に発がん性物質が検出され自主回収*2されたこともありました。

もちろん長期に内服してもそれほど影響はないようですが、含有されていないに越したことはありませんね。

ジェネリック家電

ここまでのジェネリック医薬品をまとめてみましょう。

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ジェネリック医薬品のメリット

オリジナルの物と同等の薬剤を激安で買えるし、場合によっては最新の技術も取り入れられているというのはかなりよいことですね。しかし、ほとんどが中国製で、審査がユルいというデメリットもあります。なかなか難しいですね。

実は、ジェネリック家電と言うものもあります。これは一級品の家電ではないですが、決してB級品ではない家電があるんです。実は僕はコレをかなり使います。

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ジェネリック家電とは

要は最新技術でできた製品てアホみたいに高いです。これは薬も同じで研究開発費を回収するから。しかし、家電なんて技術がそんなに違わなくても毎年毎年モデルチェンジしてますよね?型落ちしたら値段一気に下がりますよね?

だから新しいものにすぐに飛びつかないことが重要です。1年待てば全然違います。

ジェネリック家電は最新技術は使わないけど一流ブランドの技術を用いて、低価格国産の家電を提供しているのです。機能だって30個あったって普段使うのなんて結局5個くらいでしょ?笑

必要最低限の機能に絞って価格を下げているんですね~ 

有名どころは、アイリスオーヤマとか、モダンデコ、山善、オリオン、などなど

 

みなさんもジェネリック家電で出費を抑えながら、『国産』の安心感も得るのはどうですか?

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では、また(^^♪