ニュースでよく出てくる単語で「正義の味方」っぽい国連とやら。
国連、つまり国際連合って本当はどんな組織か知っていますか?
国連がどのようにしてできたのかに焦点を当てて振り返ってみましょう。
ヒント:中国語で国連は・・・?
国際連合は戦勝国?
ニュースでも頻出の国連さん。国連は英語で、United Nationsといいます。ちなみに中国語では、联合国 といいます。そう、つまり「連合国」のことです。
1920年に国際連盟(League of Nations)という組織がありました。世界平和を目指すも結局は第二次世界大戦を防げませんでした。
というのも有力国が参加しなかったり、脱退したからです。
例:アメリカは参加せず。日独伊は途中脱退など。
その反省をもとに、1945年 第二次世界大戦終了後にアメリカ、イギリス、ソ連、中国などの連合国(the United Nations)が中心に発足させたものが国際連合なわけです。
連合国と枢軸国
そもそも連合国とは何なのでしょうか。
第二次世界大戦では枢軸国(Axis Powers)という国の集まりがありました。大日本帝国、イタリア王国、ドイツ国を中心にした集団です。連合国とはこの枢軸国と敵対した国家連合のことです。
アメリカ、イギリス、中華民国などは初めから枢軸国と戦っていました。ソ連が連合国入りしたのは、終戦間際です。
それまでは日ソ不可侵条約を結んでいましたが、いざ日本敗戦が濃厚になった途端裏切って連合国側に加盟したわけですね。笑
一応は「連合国からの要請を受けて・・・」となっています。
第二次大戦後の日本
日本は敗戦後GHQの管理下に置かれましたね。このGHQはGeneral Headquarters の略ですが、日本語では「連合国軍最高司令部」と訳されています。
勘のいい方はすでにお気づきのことと思いますが、連合国と国連は英語名は同じ United Nationsなわけです。
日本国内では勝手に「連合国」と「国連」と呼び分けています。
そりゃ、かつて敵とした連合国の集まりで、戦後に統治された集団に日本が加盟するというのもおかしいですからね。笑
日本国民の批判をかわす意図もあったのかもしれません。
国連安全保障理事会
国連安保理という言葉が一番頻繁に耳にする理事会ではありませんでしょうか。これは国際の平和と安全に責任を負う機関なのです。
15か国で構成されていますが、うち5か国は常任理事国です。アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国です。
そう、当然ながら連合国の中心メンバー国です。
残りの10か国は任期2年で選ばれる非常任理事国です。日本は非常任理事国です。
常任理事国の特権は拒否権発動ができる点です。
やっかいなのは、たとえば、「どっかの国が人権問題がひどく国民を苦しめている」などの理由で、国連でその国に経済制裁をかけようとしても・・・
常任理事国の1国でも拒否権を行使すれば、その話は通りません。例えば、「日本を常任理事国にしよう!」も1国の反対でおじゃんです。
敵国条項
国連には敵国条項(Enemy Clauses)というものがあります。
簡単に言うと、
ということです。
どれだけお金を払って、国際貢献をしても、日本は元・枢軸国のためこの敵国条項によりいつでも「敵」になりえる。
なんとも言い難いものですね。笑
いまもこの敵国条項は削除されていません。しかし、現状として、日本・ドイツ・イタリアなどの元・枢軸国はすべて国連に加盟しているので当時の状況で作られたこの条項はもはや意味をなしていないとは思います。
国連分担金
国連の財政は加盟国からの分担金で賄われています。一番分担金を払っているのはアメリカで1国で全分担金の約1/4も払っています。
2位が日本ですが、アメリカの半分以下です。
安保理では常任理事国になりたくてもなれませんが、分担金は2位です。ちなみに、実は国連分担金は結構な数の国が滞納しており、財政は不安定なのです。
んーなんとも言えない微妙な組織ですね。
まとめ
国連は連合国のこと。
連合国の敵であった日本は安保理の常任理事国にはなれない。
常任理事国が拒否権を使うと進まない。
敵国条項はいまだに削除されていない。
日本は非常任理事国でありながら分担金の支払いがアメリカに次ぐ2位。
日本にとってはいろいろと切ない話ですね。
国連の在り方についてもみなさんどのような考えをもたれましたか?