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【教養】サムギョプサルの歴史

日本人が「焼肉」と言えば、牛肉を使ったものをイメージします。

韓国の人に同じ質問をすると、だいたい『豚肉』という答えが返ってきます。そうです、サムギョプサルが韓国の”焼肉”の王道です。

今回はサムギョプサルの歴史*1について学んでいきましょう。

年間〇kg以上

さて、韓国人は年間サムギョプサルをどのくらい食べるのでしょうか。

一人当たり年間20.9kgを消費

韓国の農林水産省のデータによれば、韓国民1人当たり、年間20.9kgのサムギョプサルを消費するそうです。

参考までに、日本人1人当たりの牛肉の年間消費量は6.5kg(令和1年)、豚肉の年間消費量は12.8kg(令和1年)*2ということなので、日本人が食べる牛肉と豚肉の合わせた分くらい”ギョプってる”ということですね。

3層肉

よくサムギョプサル3層肉と訳すことがあります。

サムギョプサルは3層のお肉

サムは”3”で、ギョプは”重ねる”、サルは”肉”です。

赤身と脂肪と赤身で3層になっていることからこう呼ばれます。

ビタミンB群豊富、美肌効果も

豚肉にビタミンB1が豊富に含まれていることは有名で、疲労回復などによく、つまりは薬でいえばアリナミンと同じですね~

ちなみに、サムギョプサルの時にニンニクも一緒に焼いて食べますね?

あちらにもビタミンB1が含まれており、やはり疲労回復に向いてるということですかな。

中国産ニンニク

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実は北朝鮮発?

疲労回復効果を知ってか知らずか、一説によると、昔炭鉱で働く労働者らが安くて疲労回復目的に高カロリーのサムギョプサルを食べていたのが由来だとか。

有力な説としては、開城(ケソン)地方から始まったとされます。

炭鉱の労働者が食べたのが始まり?

開城と言えば、北朝鮮にあり、韓国との国境に接する都市です。2000年の韓国・金大中大統領の太陽政策(北朝鮮融和政策)により、開城に南北共同の工業団地を開いたところです。

北朝鮮にとっては重要な外貨稼ぎのできる工業地域でしたが、核実験やミサイル発射などで韓国が怒って2016年に共同運用は中止されています。

歴史は浅い

韓国人がこんなにも好んで食べるサムギョプサルはさぞかし歴史が長かろう・・・

ってこともないようです。

一応、1931年の書物にサムギョプサルに近い料理の記載があったとかなかったとか?

1959年新聞に初登場『サムギョプサル』

公的なものでいえば、1959年に初めて新聞でサムギョプサルという単語が使われています。

当時の韓国は朝鮮戦争の後で非常に貧しかったわけで、当然、サムギョプサル含めお肉が庶民の口に入るのはまれでした。

1970年代でもサムギョプサルはまだ・・・

1970年代に入っても、サムギョプサルは依然大衆向けのものではありませんでした。

そもそも当時の韓国人の好きな肉は牛肉だったのです。しかし、牛肉は高くてそれを焼肉でたくさん食べるなんてことは夢のまた夢でした。

代わりに当時の大衆が好んで食べたのは、ソルロンタンコムタンといった肉の入った牛骨スープでした。

養豚業の活性化

この頃、韓国では養豚業に発展がありました*3

養豚業の発展

1970年代、韓国の養豚業は力をつけていき、輸出量も飛躍的に伸びました。

輸出するのは海外で好まれる部位(ロースやヘレ)のみです。

内臓や豚足は都市部の労働者の食事に

そうです、韓国で豚足コプチャン(ホルモン)のお店とかありますね?それはこういった背景でできたまだ比較的新しい食文化なのです。

ちなみに、豚足は韓国語でチョクパル(쪽발)と言います。日本人を蔑む言葉のチョクパリはこれからできており、一応TVではNGワードになります。

日本人の差別用語”チョクパリ”

昔の日本人は下駄をはいており、その足が豚足に見えるのが理由です。

ちなみに半チョクパリ(パンチョクパリ)という言葉もあり、これは日本信者や在日韓国人を表す差別用語です。

サムギョプサルの大衆化

さて、豚足やコプチャン(ホルモン)が大衆食になった背景はわかりました。

サムギョプサルはどうでしょうか?

脂肪が多く不人気の下位等級

韓国での豚肉海外輸出が本格化した1980年代、サムギョプサルは脂肪分が多く、日本・西洋では不人気下位等級でした。

養豚業からはこの不人気部位も何とかお金にしたい思惑もあり大衆化を狙います。

当時の韓国では牛を農業に使っており、食用に回す余裕はなく、豚肉の消費を国策レベルで促しました

肉の肥厚化

肉の冷蔵流通が韓国で確立したのは1990年代半ばで、それまでは傷みやすい豚肉は冷凍が基本でした。

なので、この頃は冷凍サムギョプサルを薄く切ったテペサムギョプサルが一般的でした。

そして、1997年のアジア通貨危機で、韓国は国家破産寸前まで行きました。

アジア通貨危機について

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となると輸入牛肉価格は高騰し、またもや国民の手が届かいないものになっていました。

サムギョプサルの進化・肥厚化

そんな時代だけに、国内で余っているサムギョプサルは、一気に国民食に発展しました。

すると、サムギョプサルも進化し、済州島でできた分厚いサムギョプサルの人気が爆発し、全国展開。現在に至るわけでした。

さいごに

いかがでしたか?

サムギョプサルは近年日本でも人気になりましたが、古くからの韓国食かと思いきや、結構最近のものなんですね~

そういえば、スンドゥブ(純豆腐)も1990年代に、アメリカ・ロサンゼルスのコリアンタウンでできて、韓国に逆輸入されたってことはご存じですか?

アメリカで当時 TOFU は健康食品として人気になりつつあり、それがきっかけです。

次に韓国料理に行った際、ぜひ今日の知識をひけらかしてください。

 

では、また(^^♪