1月1日、年が明けてすぐに能登半島を襲った大地震は世界メディアも注目しています。
そんな中、海外の複数の記事で指摘されているのが、『ノストラダムスの大予言』の的中*1です。
1999年に地球滅亡って騒いでたけど、2024年も予言してんのかい!というツッコミはさておき、今回はノストラダムスの大予言についてさらっと学びましょう。
ノストラダムス
まずは彼について知っておきましょう。
1503年にミシェル・ド・ノートルダムは南フランスで生まれました。
このノートルダム(Notre-Dame)というのは聖母マリアを指すフランス語です。カトリック関連の学校や教会、また人名でもこの名前を使うことがあります。
ちなみにノストラダムス(Nostradamus)はラテン語式の呼び方です。
幼少期はようわからんのですっ飛ばして・・(笑)、1529年 モンペリエ大学の医学部へ進学し医師になりました。
当時、フランスを含め欧州を襲っていたのはペストです。医師であったノートルダムもペスト患者の対応をしていました。
▼ペストとは▼
色々と俗説はあるものの、ノートルダムが医師として特別優れていたとか、先進的な治療を行っていたということはなく、当時の”普通の医者”だったと考えられています。
ノートルダム自身、妻子をペストで失ったと言われています。(後に再婚)
予言者になる
ノートルダムは人生の後半はサロンという地で過ごしました。
医師として成功したからなのかは不明ですが、お金にも余裕があり、現地で色々な事業に出資し、サロンの名士になっていました。
1550年台に入ると、占星術を利用した予言の書物を出版するようになります。
「今年はこんなことが起きる!」という年明けの週刊誌でありがちなアルマナックとよばれる占いカレンダーが好評となり、本格的な予言を行うことにしました。
そして出されたのが有名な『ノストラダムス師の予言集』でした。
中身は詩で抽象的な文が続き、読んでも理解できないもので、後に何かが起こったらそれを引き合いに信者らが”予言的中”と強引に解釈を付けたというのが一般的な考えです。
予言書の特徴
先ほども触れたように、内容は非常に抽象的で何とでも解釈できるように書かれています。ま、それこそが占いの真髄なわけですが・・
彼の予言書にはもう一つ面白い特徴があります。それは文法がおかしいことなどです。
それゆえ、印刷業者が校訂する際に、違う単語に変えてしまっていたりしており、さらに解釈が広がることとなったのです。
しかし、なぜそのようなことが起きたのでしょうか?
ノートルダムは自分を偉大な”学者”的な存在に仕立て上げるために、自らの名前を”ラテン語式”にすることを思いつきました。
これがノートルダム⇒ノストラダムスの理由です。
そして、それ以降、予言書も母語でないけどラテン語で書いたり、フランス語⇒ラテン語⇒フランス語で再訳することでどことなく”不思議な”文を作り上げることに成功したのです。
また、ノストラダムスの予言集には、盗作疑惑も数々あります。
1520年に編纂されたミラビリス・リベルといういろんな人の予言の寄せ集め本があるのですが、そこにある予言などが”借用?”されています。
ま、そもそも占いなんてそのくらいのもので娯楽と考えればよいのでしょう。
▼インチキな六星占術▼
日本だけ?
海外でもノストラダムスは一応知られていますが、日本ほどの有名人ではありません。
20世紀の日本で加熱したノストラダムス現象はなぜ起きたのでしょうか?
戦後の高度経済成長期も終わりを迎えた日本では、光化学スモッグなどの公害問題に悩まされていました。
1973年にオイルショックにより物価高騰し、生活苦を感じ出した日本国民の頭には”終末論”が浮かびました。
ちょうどその年、小松左京の『日本沈没』がベストセラーとなり、国民は”暗い未来”を想像し始めます。
そして、そこに五島 勉というライターの『ノストラダムスの大予言』という本で、1999年 7の月・・・が拍車をかけ国民パニックに、この本もベストセラーになりました。
日本沈没とノストラダムスの大予言、この2作、実は、同じ編集者*2が手掛けているんです。
伊賀弘三良(いが こうざぶろう)という人物がこれら2作のフィクサーだったんです。
つまり、コロナ禍も地震などの災害も”恐怖を煽れば儲かる”という実例にすぎません。
便乗派
日本国民は多く、世紀末の人類滅亡を気にしながら生きていました。
恐怖を煽って、救われたければ信じなさい!
はい、これはカルト宗教の常套句ですね。今は、闇落ち医師らが「〇〇解毒」とかやってるのと同じですな、ただの詐欺カルト。
1980年代以降、日本では新興宗教がどんどんと世紀末を煽り始めました。
有名なのが『ハルマゲドンが迫る』としたオウム真理教ですね。
凶悪犯罪を犯したのは、一人の信者の死から始まりました(過去記事参照)
▼オウム真理教暴走の理由▼
さいごに
いかがでしたか?
ノストラダムスの大予言、僕も子供の時、恐れていました。
日本国内でのノストラダムス現象は、結局はお金儲けのための不安ビジネスにすぎませんでした。あまりの影響の大きさで、便乗したカルト宗教の問題まで広がりました。
占いは”娯楽”程度と考えるのがベストです!
では、また(^^♪