マルチリンガル医師のよもやま話

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異例の3期目、台湾併合あるか?

異例の3期目に突入した習近平政権。

何よりも前国家首席である胡錦涛をTVの前で退席させた?ことが世界中で物議を醸しておりますな~

今回は、異例の3期目に入った習近平体制と台湾の問題について、少し学びましょう。

異例の3期目

復習しておきましょう。『異例の3期目』の意味。

実は元々、中国共産党内では、独裁を防ぐ目的に任期は5年×2期までと言う風に憲法に定められました。1990年代に鄧小平氏が定めたようです。

2期10年までと定めた

習近平は2013年に国家主席に上り詰めて以降、貧困撲滅、汚職摘発愛国主義などをスローガンに力をつけていきました。

汚職摘発の名のもとに政敵をどんどん排除していき、自らの地位を安定化させていきました。すると、反対意見なんて消せるわけです。

どんどんライバルを蹴落とす

そして、前回の党大会(2017年)で、ついに『3選禁止』を撤廃しました。

もう一つ、中国共産党には七上八下という慣例があります。党大会で、新指導部の人事を決めるときに、67歳以下ならば指導部に入れますが、68歳以上であれば『引退』するというものです。

七上八下という慣例

これは、明文化されていません。ちなみに、習近平氏は69歳ですから、慣例で行けば引退となるのですが。

はい、ま、このようにして異例の3期目となったわけです。

完全に独裁

そして、新指導部も面談して人事を決め「習近平への忠誠」が条件になりました。んー独裁。

胡錦涛の退出

さて、続いて退席させられた、前国家主席の胡錦涛 氏(79) について少し復習です。

習近平の前の国家主席です。この人のときに中国は経済成長をどんどん成長していきました。『和諧社会』をスローガンに豊かで社会的紛争のない国を目指しました。

胡錦涛と和諧社会

一方で、チベットなどの少数民族への弾圧を強めたりと、まぁ、大きくは習近平も胡錦涛も大差ないように見えますが・・・

大きく違うのは引き際ですね。

胡錦涛はキッチリ2期10年で、すべての権力を次の習近平に譲りました。そんな胡錦涛の目には、今の習近平のやり方がどのように映っているかは想像に難くないですね。

胡錦涛は習近平の3期目には反対していたといわれ、それが理由で退席させられたのではと考えられています。

台湾の独立を抑え込む

習近平の3期目が決まってすぐに、”党規約”が改正され、台湾独立に強く反対し、その動きを抑え込むという文言が書き加えられました*1

台湾独立を抑え込む

中国内での圧倒的な権力を持ち、3期目を果たした習近平の『台湾』への圧力を強める意志がわかります。

ロシアによるウクライナ侵攻以降、ドサクサ紛れの中国による台湾侵攻があるのでは?と憶測を呼びました。

VOAの記事*2から専門家たちの見方を学びましょう。

2049年侵攻説

習近平は、度々台湾の中国への再併合を口にしていますが、期日については明言していません。ゆえに、いろんな人がいろんな説を唱えます。

2049年までに台湾統合?

台湾の専門家の声を紹介しており、今すぐに侵攻はないと言います。ま、ロシアがウクライナ侵攻で明らかにミスってるのを見てますしね。

で、2049年までには併合を計画していると言います。この数字はいったい・・

建国100周年の節目

中華人民共和国の建国100周年の節目が2049年だからのようです。

ただ、2049年となれば、習近平は生きていても96歳のヨボヨボ(失礼)のはず。野心家の彼がそこまでじっと待っているでしょうか??

2027年侵攻説

アメリカ海軍の役員は2027年という数字を出しています。

2027年までに侵攻?

これは、中国の人民解放軍の100周年記念に合わせる説ですが、このとき、習近平は73歳ですから、まぁ、あり得ますかね(笑)

もう一つ説が紹介されていて、台湾の政府関係者の見解としては、早ければ2023年にもありそうだと言っています。

早ければ2023年に?

これは、『侵攻』というより、法律を変えていき、不条理な条件を台湾に押し付けるだろうということのようです。

ま、結局のところ、あくまでこれらは仮説にすぎず、実際のことは習近平の腹の中は見えないのでわかりません。

アメリカが刺激

この記事を読んでいて面白いなと思ったのは、アメリカの動きも中国を刺激していることに触れていました。

ペロシ議長の訪台など

このブログでも紹介しましたペロシ下院議長の突然の訪台や、その他アメリカの高官が台湾を訪れたことも中国を刺激したのでしょう。

ペロシ下院議長の訪台

www.multilingual-doctor.com

他にも、9月にアメリカの上院では台湾政策法を可決し、台湾への軍事支援や中国に対する制裁強化に関する文言が明記されました*3

これもまた中国を刺激したのだろうと考えられます。

ABCD包囲網

近代史でABCD包囲網を習いましたね。アメリカらが大日本帝国に対して共同で経済制裁を課し、最後には石油の禁輸を行ったことで、日米開戦へとつながりました。

どうやら、中国に対しても同じようなことが言えるのかもしれません。

中国が強硬手段に出る可能性も

アメリカと同盟国による中国への経済制裁や、台湾支援の法律まで作ったことで、中国を刺激しすぎると、中国が自暴自棄に陥って、アメリカと断交、さらには実力行使で台湾を併合することもあり得るという専門家の声を紹介していました。

さいごに

いかがでしたか?

異例の3期目に突入した習近平は、かねてから台湾の併合を狙っています。しかし、期日については明言がありません。

100周年という節目に合わせての併合がなされるのか、色々と説はあります。

しかしながら、ここ最近のアメリカの動きが中国を刺激しているという見方もあります。その外的因子により、台湾侵攻が早まることもあるかもしれません。

 

では、また(^^♪