ロシアがウクライナに侵攻し、あっという間に首都のキエフまで。
僕も最初は、クリミアの時のように、ウクライナ東側の親ロシア派地域だけ占拠して終わりかと思ってましたが、予想をはるかに超えてきました。
そして、今回のロシアの侵攻は「決して他人事でない」ということを私たちも再認識するべきです。
なぜウクライナを?
ロシアとウクライナの過去については前回まとめたのでぜひご参照ください。
ま、米ソ冷戦時代に、軍事同盟が作られたんですが、1つは西欧とアメリカによるNATO(北大西洋条約機構)でもう一つが、ソ連側のWPO(ワルシャワ条約機構)です。
めちゃ簡単に言うと、加盟した国が攻撃されたときは、みんなで戦いましょうねっていう集まりです。
ソ連崩壊後、旧ソ連の国々で、西側に接近していく国が続出するわけです。そっちの方が、経済的にも豊かそうだし、強い側にいた方が安心だよねってことです。
こうして、NATOはどんどん東に拡大していくわけです。そして、とうとうウクライナでもその動きが見られ始めたんですね。
ウクライナはロシアの隣にあり、ロシアとしては絶対に西側派閥に入れたくない!ということですね。
どの国も敵と隣り合わせになりたくないので緩衝材が欲しいのです。それがロシアにとってのウクライナであり、中国にとっての北朝鮮ですな。
ウクライナへの侵攻
最初は2014年に動きがありました。
ウクライナの南側にあるクリミア半島は、歴史的に元々ロシアの物だったのを、ウクライナにあげたんですね。だから、そこにはロシア系住民が今も多いんです。
黒海に面していることから軍事的にも重要な位置にあります。
親ロシア派の武装集団がクリミアの議会を占拠して、その後、クリミアをウクライナから独立⇒住民投票でロシアに組み入れ決定となりました。
ロシア系住民が多いから当然住民投票で賛成が多くなるのです。
これに対して、欧米はロシアに経済制裁をしますが、どうやらあんまり効果がないみたいですね。
孤軍奮闘
そして、先日、ついにロシアはウクライナに侵攻しました。
ウクライナはNATOに加盟できていないので、NATOの国々はウクライナ側についてロシアと戦うことはできないんです。だから、ウクライナは圧倒的戦力の差があるロシアに1人で戦っているわけです。
NATOは誰でもwelcomeとは言ってますが、ウクライナの加盟はロシアを刺激しちゃうのでNATO内部に『慎重派』が多かったのです。
しかし、ウクライナが一人で戦っている理由はそれだけじゃないのです。
裏切られたウクライナ
小国が自国を守るには何が必要か。それは強い国の軍事同盟に入るとか、あるいは核を持つかですな。北朝鮮が核兵器開発を続ける理由もコレです。
要は、「うちに手出したら、ただじゃすみませんよ」という抑止力になるからです。
実はウクライナは過去には世界第3位の核兵器保有国*1でした。
しかし、いろんな国が核兵器を持つのは望ましくないので制限をすべきと言うことで核拡散防止条約というものがあります。
これにより核兵器の保有は上の5か国だけとされ、日本など他の加盟国は非核保有国となります。(インドや北朝鮮はこの条約に加盟してないので核を持っています。)
で、ソ連が崩壊したあと、旧ソ連のウクライナなど3か国も核を持ち続けいていたのですが、1994年にすべてをロシアに移転し、核を持たないようになりました。
これをブダペスト覚書(1994)といいます。ロシアの侵攻もこれに違反だし、ウクライナが侵略されても米英は手を差し伸べていません。
つまり、ウクライナは覚書に則り、自衛の核を廃棄したのに、裏切られこんな目に遭っているのです。
アメリカは乗り気でない
ブダペスト覚書にある通り、ウクライナが侵略されたらアメリカらは支援するはずですが、その気配はありません。
アメリカは長く、『世界の警察』をしてきましたが、お金もかかる上に、他国の為になぜアメリカ人が死なないといけないのか?という疑問が大きくなっています。
最新の世論調査*2では、ウクライナ危機に『アメリカが積極的に関わるべき』という意見は26%しかありません。
今年は中間選挙も控えており、ただでさえ支持率の低いバイデン政権は国民の反感を買って介入する気はないでしょう。
日本は大丈夫か
バイデン政権になってから、ミャンマーのクーデターも不関与、アフガニスタンからの米軍撤退など、基本的にはアメリカは動かない。
アメリカがやる気がないのを見越してロシアは動いています。そして、この軍事行為を支持する国があります。そう、中国です。
中国も、虎視眈々と領地拡大を狙っており、台湾、尖閣諸島は確実に狙われています。中国は今アメリカの出方を見ているでしょう。
日本は日米安保があるから大丈夫?もちろん抑止力としてはいいですが、実際に攻撃されたら??
その時今回のウクライナのように日本への軍事介入に国民の8割が反対したときアメリカは戦ってくれるでしょうか?
アメリカが消極的となれば・・・
ウクライナのように、日本の中で、例えば沖縄が親中国地域となり、議会を親中国派が占拠して、米軍撤退を決め、さらに日本から独立を承認して、中国に編入となることだってあるかもですね。
ま、さすがにここまではないでしょうが。(笑)
日本に原発がある理由
さて、世界で唯一原爆を受けた日本が、アメリカから原発を導入しました。そして、2011年には福島の事故があって放射能の怖さをまじまじと知らされました。
しかし、今も日本では原発があります。
もちろん、急にすべてを火力発電や水力発電に切り替えなんてできません。電気代も高騰します。
原発の使用済み核燃料から核兵器に転用できるため『抑止力』として重要な働きをしているという考えもあります。
一応、”公的”には、原子炉に使われるものは、威力が弱いので核兵器に向かないとされてますが、実際には転用可能*3と考えられています。
IAEAは組成に関係なく核兵器に転用できるとしています。つまり、表向きはそんな発言したら周辺国に猛バッシングされますので言うてないだけです。
もちろん、原発を持っていると、そこを標的にテロやミサイルを打たれると国に甚大な被害が出るリスクも孕んでいます。諸刃の剣ですな。
今回、ロシアが、ウクライナのチェルノブイリ原発を抑えたのも何か意図はありそうな・・・
さいごに
いかがでしたか?
ロシアによるウクライナ侵攻。今の状況を見ると、日本だって他人事ではないんです。
その時の情勢によってはアメリカが100%日本の為に戦ってくれるとは限りません。
『対話で解決を』というお花畑な考えをする政党もありますが、話の通じる相手でなければそんなの無理ですよね。
平和ボケした日本人こそ、この事実に目を向けなければいけません。
では、また(^^ノ
▼北朝鮮がミサイルを射ちまくる理由▼