2022年に入って1月だけで7回もミサイルを射った北朝鮮ですが、現在は北京オリンピック中なので一休み。いま射ったら習 近平がブチギレますからね。
というか、コロナ禍で射つべきはミサイルじゃなくてワクチンでしょ。
中国やロシアからのワクチン提供は拒否しましたが、『ファイザー or モデルナなら』と関心を示して*1います。そこは、割と現実的なんですね(笑)
ま、将軍様は昨年の5月に既に接種済という話*2もあります。
さて、今回はここ最近やたらとミサイルを射ちまくる理由を学んでいきましょう。
北朝鮮を取り巻く状況
ミサイル脅威論
今回は韓国の中央日報の2月4日のコラム記事*3を中心に見ていきましょう。
ま、これはみなさんご存じの通り、ミサイル技術の進展を見せつけて、脅してアメリカを交渉テーブルにつかせたいという思惑ですね。
しかし、北朝鮮は『敵対視を辞めない限りアメリカとは交渉しない』という強硬姿勢を取り、バイデン政権からの対話提案を数か月拒んできました。もうこのやり方は、アメリカには通用していないことに気づくべきだと記事には書いています。
かまってちゃんを続けると最終的には無視されるというのは、誰もが経験上知っていますね(笑)
中国やロシアの動き
普段は中国・ロシア・北朝鮮は手を組んでアメリカとその同盟国に対抗しているように見えます。そう、『普段』は。
しかし、現在は中国は台湾侵攻、ロシアはウクライナ侵攻を目論んでいるという、いわゆる『有事』なわけです。
▼ロシアがウクライナを欲するワケ▼
ロシアや中国が軍事行動を起こすと、アメリカや同盟国は当然そちらに目が向きます。で、普段は仲間のロシアや中国も、有事の際は自国のことで精いっぱいとなるので、朝鮮半島は蚊帳の外に追いやられます。
北朝鮮の困窮
さらに追い打ちをかけるのが、北朝鮮の困窮具合です。
昔から食料困難などによる飢餓は知られていますが、特に今は厳しいようです。
近代的な農業技術がないので凶作もしょっちゅう、その上、核実験やミサイル開発により、世界から経済制裁を受けています。
また、2020年以降は新型コロナにより、国境を完全に封鎖している為、中国やロシアからの物資が入って来ず、とんでもない困窮具合というわけです。
2022年に入って、中国から貨物列車が入ってきたり、ロシアとの貿易も再開しようとしている*4ことからも、深刻具合がうかがえます。
ミサイル発射
ミサイルを射ちまくる理由
まず、先ほども書いたようにウクライナ危機で忘れ去られそうになっている自分たちを忘れさせないためにどんどん打っているというのも1つでしょう。
当然、アメリカと交渉して経済制裁を外してもらうのが一番の理想ですからね。
また、BBCの記事*5では別の考察もありました。
これは独裁者あるあるですね。クーデターが起き暗殺される可能性に怯えながら、常に部下を監視していると、誰かに裏切られないかと人間不信に陥るやつです。
そして、ロシアや中国すらも信用していないと言います。
北朝鮮はソ連が作った国なので、まぁロシアは味方するでしょう。中国にとっての北朝鮮と言うのは、米・日・韓の資本主義陣営との緩衝材として重要だからです。ただそれだけなんです。その必要性が無くなったら、トカゲのしっぽになる可能性も十分にありますね。
日本海に打っているミサイルは、当然モスクワや北京だって射程圏内に入るので、「もし裏切って我が国を潰そうとしたら・・・」という無言のアピールにもなるわけです。
他にも、コロナ禍と経済制裁で困窮した国民向けの国威発揚というのも言われています。
したたかな北朝鮮
しかし、ただでさえ経済制裁下にある北朝鮮がミサイル発射などするのはさらなる制裁に繋がりそうで、普通は控えそうですが・・・
今の時代、世界中が経済や外交やらで何かしらつながっており、『絶対的な関係』といものはありません。例えば、アメリカは中国に圧力を強めても、輸入相手国の1位は中国*6なんです。
さらにコロナ禍でもあり、国によっては遠いアジアの国の核開発を相手にしている場合でないということもあるでしょう。
実際に1月11日に超音速ミサイルを発射すると、国連安保理で北朝鮮を非難する声明が出されたのですが、その署名に参加しない国がちらほらいたのです。
こんな足並みがそろっていない状況では、北朝鮮への追加制裁どころではありません。こうして、北朝鮮の目論見は当たり、国際社会はこれ以上の制裁を課すつもりはないと確信したようです。
したたかですね~
さいごに
いかがでしたか?
経済制裁にコロナ禍の国境封鎖で疲弊しまくりの北朝鮮で、景気よくバンバンと射ちまくるミサイル。その資金は、仮想通貨を50億円以上盗んで*7やっています。ハッキング技術もすごいんですね。
当然、一番の目的はアメリカと交渉をし、経済制裁を解いてもらうことでしょう。
他にも、コロナ禍でさらに進んだ困窮で、国民の不満をそらすための国威発揚であったり、疑心暗鬼になった金正恩は中国やロシアすら信用しておらず、自らを守るために武装に進んでいるという説もあります。
しかも、すごいのは、各国の出足を伺って、さらなる経済制裁の可能性が低いことをわかってドンドン射っているというところでしょうか。
では、また(^^ノ
*1:https://www.asahi.com/articles/ASQ1S674VQ1SUHBI00L.html
*2:https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20210828-00255292
*3:https://www.joongang.co.kr/article/25045454#home
*4:https://news.yahoo.co.jp/articles/edb8a308943c9332ebaaa2c06338d2074fd5e85f
*5:https://www.bbc.com/news/world-asia-60150121
*6:https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202104/202104p.pdf