マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

MENU

おーやつの時間だよ♪ でも何時がいい?

仕事をしていると小腹が空いて、ちょっと甘いものとコーヒーを。。。

この積み重ねが肥満への入口とわかりつつ、やってしまうのが人間ですね(笑)

なんでもかんでも我慢するには、限界があります。コロナ禍での自粛疲れが世界的に問題となっています。メンタルの面でときにはストレス発散も重要になります。

さて、今回はこのおやつについて少し学んでみましょう。

f:id:jonny1205:20210409092743j:plain

日本人のおやつ

必ず言葉の話から入る、言語オタクの癖なんです、すみません。笑

ところで、おやつってどういう意味かご存知ですか?歴史をたどればちゃんと由来があるんです。

僕は1日3食の生活です。朝食を抜く方もいて、1日2食の人もいるかもしれません。1日3食が日本に定着したのは江戸時代以降で、それ以前は1日2食が普通でした。

農民たちは1日中体を使いますので、休憩時に少し栄養補給をしていました。これを食事と食事の間に食べるもので、『中食』とか『間食』と呼びました。

f:id:jonny1205:20210409161253p:plain

昔は1日2食だった

では、おやつという言葉はどこから来たのでしょうか?

実は、昔は時計がなく、今のように1時, 2時, などとは言っておらず、もっとザックリと2時間をひとくくりにしていました。

十二時辰

日本や中国の昔の時間の表記です。1日を2時間ずつ(=これを時辰という)12の時間に分けました。12と言えば、そうです、十二支を使って数えていました。

f:id:jonny1205:20210409162809p:plain

十二時辰

例えば、0時は子(ね)ですから、その前後1時間ずつ合わせて2時間(23時~1時)が子の刻となるわけです。この計算で行くと11時~13時は午(うま)の刻です。そのちょうど真ん中の12時が正午と呼ばれるのはこのせいですね。

時間を知らせるために鐘を鳴らすのですが、正子(0時)と正午(12時)は9回鳴らします。これは『奇数が縁起がいい』とする陰陽道の影響で、1桁で最大の奇数9を使います。

f:id:jonny1205:20210409164517p:plain

おやつの語源

以降、2時間毎に1回ずつ鐘の数を減らしていきます。例えば、正丑(2時)と正未(14時)には8回、正寅(4時)と正申(16時)は7回・・・となります。

いいですか、鐘が8回鳴るとき(=14時)が ”お八つ”の時間と言うことですね。

おやつの時間は太りにくい?

さて、続いて、医学の面でも見ていきましょうか。

f:id:jonny1205:20210409165208p:plain

よく言われる話

答えから言うと本当です。これはあるホルモンが関係しています。

その名もARNTLで、Bmal1とも呼ばれます、こちらは聞いたことある人もいるかもしれません。びーまるわん!

このタンパク質は概日リズムといって、要は体内時計に関与するホルモンなんです。

人間の体は1日25時間でセットされています。ところが地球の1日は24時間なので毎日1時間ずつズレていってしまうわけです。それを補正するためには日光を浴びることが必要です。また、このBmal1も体内時計の調整に関係しています。

f:id:jonny1205:20210409172220p:plain

Bmal1について

このBmal1には別の仕事があり、ザックリ言うと脂肪を増やす役割をしています。

つまり、Bmal1の値が高いときに食事をすると脂肪になりやすいのです。逆にBmal1の値が一番低いときに食べれば脂肪になりにくい、そう、その時間は起床後7時間頃です。7時起きの人なら14時頃です。この時間におやつを食べれば罪は軽いということですね。

食欲を抑えるホルモン①

まず、受け入れないといけない事実があるんです。

f:id:jonny1205:20210409172553p:plain

受け入れなければならない真実

そうなんです、昔から動物は飢餓に耐えるために食べたものを栄養源として体に効率よく貯蓄するための装備ができているのです。一番の高等生物であるヒトは当然そのシステムが最強なわけです!つまり、ほっとけば太るようにできている!

飽食の時代になったのはまだかれこれ50年とかでしょうか、こんな短い期間で人間の遺伝子は変化しませんので、これは仕方ありません。

では、逆に太ることを抑えるシステムはないのでしょうか?そんなイイものが・・・あるんです!その名もレプチン

レプチン(leptin)と言う名前は、もともと痩せるというleptosという言葉からできました。これは蓄積した脂肪細胞から作られるホルモンで、「もう十分脂肪ありまっせ」と脳に知らせる役目があるのです。

f:id:jonny1205:20210409173922p:plain

レプチン

レプチンが分泌されると、脳は「もう食べなくてもいいな」と判断し、食欲を抑えるようになります。レプチンの効果がよく出るのは食事開始後20分くらいからです。ゆっくり食べるのがいいのは、そのせいです。

早食いの人はレプチンが高くなる前に大量に食べてしまって太ります。またアルコール過剰摂取はレプチンを減らします。

レプチンが作られるのは脂肪細胞ですね。デブは脂肪細胞が多いから作られるレプチンも多いはず!ところがあまりに多すぎると、レプチンが常に高い状況が続き、段々効きが鈍くなるんです。つまり、満腹を感じられなくなるんですー。

デブは食欲止まらず過食の無限ループとなるわけですね~はいー。

食欲を抑えるホルモン②

さて、もう一つ重要なホルモンを学んでおきましょう。その名もセロトニン。これは聞いたことある人が多いでしょう。別名”幸せホルモン”といわれるもので、精神の安定・安心感・平常心を保つ働きをしています。

セロトニンは、日光を浴びること・適度な運動で分泌されることがわかっています。冬になり日照時間が短くなると自殺が増えるのは、実はセロトニンの分泌が減っていることも影響しています。

f:id:jonny1205:20210409174630p:plain

セロトニン

実はセロトニンは食欲を抑制する作用もあるのです。イライラしているときはセロトニンが不足しており、食欲の抑制が利かずついつい甘いものに手が・・・

ちなみに女性限定ですが、生理前にイライラするという方もいますよね。それはプロゲステロンというホルモンのせいなんです。このホルモン自体が妊娠のために体を作るホルモンなので栄養を蓄えようとし、太りやすくなります。さらに、イライラでセロトニンも少ないので食欲に歯止めが利きにくくなりますので注意が必要です。

おやつの目安

さて、14-15時のおやつは脂肪になりにくいことはわかりました。かと言って食べ過ぎると、結局はカロリーオーバーで太ります。”脂肪になりにくい時間”というだけであることは忘れずに。

では、栄養学的におやつのカロリーの目安はどのくらいかと言うと200kcalくらいと言われています。夕食前の3-4時間前にこの程度を食べると夜のドカ食いを防げるというメリットがあります。

f:id:jonny1205:20210409172822p:plain

甘いものは糖質をたくさん含んでいますので、血糖値が上がります。血糖値が上がると登場するのがインスリンで、こいつは糖を脂肪に変換して体にため込むということをします。だから糖質を取ると太りやすいんです。

なので、普段のおやつは糖質が少ないものを選んで、アーモンドやチョコレート、ヨーグルトなどがよいとされています。ときどきは気分転換に甘いものを食べて幸福感を得ると、セロトニンが増えて食欲が抑制されます。

低糖質ダイエットについて

www.multilingual-doctor.com

まとめ

おやつと言う言葉は昔の時間の『八つ時』からできました。当時は日本人は1日2食だったため、間食をとる目的で”おやつ”を食べていました。

時代は移り、今は1日3食の日本人は、間食は絶対必要ではないのです。しかし、そのおやつが”楽しみ”であり、過食にならなければ、セロトニンが増えて食欲は抑制されるし、夕食のドカ食いも避けられることがわかっています。

人間の体は取った栄養を効率よく貯蓄できるシステムを装備しています。残念ながらココは変りませんので、受け入れて、おやつとうまく付き合っていきましょう

では、また(^.^)ノ