マルチリンガル医師のよもやま話

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携帯通信・通話料問題をわかりやすく

電話ってしょっちゅうしますか?電話って相手の都合無視してるようで個人的にはあまり好きじゃないんです。(笑)

上司からの電話ほどイヤなものはありません。着信履歴もその人で埋め尽くされて。。。というどうでもいい話は置いておいて。笑

今回は、携帯の通信、通話についてのここ最近の流れをものすごくわかりやすく説明します。

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携帯料金が高い根本理由

携帯電話での通話料ってかなり高いですよね。3大キャリアでは30秒当たり22円*1としていますので1分で44円もかかるんです。しかし、3社ともこの値段だと「それが普通」と思ってしまうものですね。たいていはカケホーダイに入っていることでしょう。

今までは3社が独占的に事業をしていたんです。普通の競争社会の原理では価格競争を行ったりして客を奪い合います。しかし日本の携帯電話の契約数はおよそ1億9000万件*2「みんな持ってる」と言っても過言ではありません。

新規契約の急増が見込めない状況で、3社がお互い身を切って格安競争するよりはみんな足並みを揃えて価格を高止まりさせるのが安定した経営に繋がると考えるのは当然ですね。

これは、データ通信料についても同じですね。

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ポイント1

格安simの登場

MVNOという言葉はもう浸透しましたね。キャリアはMNOで格安simの会社がMVNOです。ここは基本ですから押さえておきましょう。

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MNOとMVNO

日本でスマホでのMVNOは2015年頃から注目を集めるようになりましたね。ちなみに僕は2017年にdocomoに別れを告げMVNOだった楽天モバイルにスイッチしました。月額で5000円近く下がったので、年間6万円浮いたわけです。

さて、MNO(キャリア)というのは電波の設備なども自前で持っていて回線を提供している会社です。2020年から楽天モバイルもMNOになりましたが、まだほとんどの地域でauから電波を借りているので完全なMNOとは扱われないこともしばしばです。

MVNO、いわゆる格安simというのは、自前の設備を持たず、キャリアから回線を借りて、それをバラ売りしているわけです。自前の設備が要らないのでメンテナンスも不要、人員も少なくて済むし、ショップも持ちません。なので、安く提供できるというわけです。

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ポイント2

MVNO天下取れず

月々の値段が4000-5000円も安くなるのに、格安simを警戒して乗り換えをしなかった人たちが多かったのです。それはMVNOにデメリットがあるからです。

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MNOとMVNOの関係(イメージ)

よく格安simは遅いと言われますね。その理由は上の図です。キャリアは通信回線に余裕があります。そのうちのごく一部を格安sim会社に売るわけです。格安simは20社とかありますがそれらでその少ない容量を使うというイメージです。

昼休みや帰宅ラッシュ時はみんなが携帯を使いますので、渋滞が起こるわけです。キャリアでも少し通信が遅くなるときありますね。格安simではそれが顕著になります。

また、キャリアは○○ショップというお店がありますね。格安simはたいていこういったショップを持っていません。機種変更含めスマホの設定などに自信がない人にとってはこれも大きなデメリットでした。

要は格安simが合っている人というのは、スマホを自分ですべて設定できて、そんなに使わない人です。

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ポイント3

通話料も下げたMVNO

データ通信は格安simで安くなるのですが、通話料は結局キャリアを通すだけなので1分で44円と高額でしたね。この通話料もキャリアからの卸値が決まっており、MVNO独自で激安にするのは難しいのです。

そこで格安sim会社は知恵を絞ります。それがプレフィックス発信と言う方法です。

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プレフィックス発信

かけたい電話番号の前に6-7桁の決められた番号をつけると、その格安simが大口契約で安く仕入れた回線を中継させることで、利用者の通話料の単価を下げたのです。これで、半額を実現しました。通信品質は変りません。

毎回つけるのが面倒くさいので、アプリを利用してかけることが推奨されています。それが楽天でんわだったり、mineoでんわだったりと言うものです。

また、この方法を利用して10分以内かけ放題を900円弱で提供しているところもあります。ちなみにOCNでんわ楽天でんわは他社の契約者でも申し込めば利用できます。

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ポイント4

楽天がMNOに

日本の携帯料金が高いのはさきほども書いたように3キャリアが足並みを揃えて価格を高止まりしていたからでしたね。格安simの普及でここは大きく変わるかと期待されていましたが、思うほどシフトは進みませんでした。

理由は通信速度を気にする人が結構いたのと、プレフィックス発信アプリからの発信が面倒だということ、さらにショップが使えないというのも大きいようです。

そして、菅総理の肝入りの政策で、第4のキャリア参入を促したところ、楽天がMNOに挙手をしました。そして、楽天回線内使用上限なしで2980円というド肝を抜く価格の発表とともに、政府からの既存キャリアへの圧力により通信料を下げる方向に動き始めました。楽天のgood jobです。

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ポイント5

楽天も難航する

価格破壊の功労者である楽天モバイルですが、政府の圧力により3キャリアがなんと新プランとして対抗策を出してきたのです。それがahamo、povo、LINEMOですね。

docomoがこんな安く!なるなんて誰も夢にも思わなかったでしょう。

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サブブランドにするはずだった?

そもそも ausoftbankにはサブブランドとしてUQモバイルY!mobileがあるわけですが、docomoにはありません。どうしてもメインプランの料金を下げたくなかった(?) docomoとしてはサブブランドとして ahamoを準備したようです。

ところが武田総務省大臣がサブブランドでなくメインブランドの値下げを強調し仕方なく? ahamoをdocomoのプランの1つにしたと考えられます。そして ahamo をマネたのが povo と LINEMOです。

しかし、この3社の格安プランにより価格の優位性が無くなった楽天モバイルは困りましたね。そこで4月1日より新プランを開始しました。

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ポイント6

度肝を抜いた新プラン

ahamoらも衝撃でしたがさらに衝撃を与えたのが楽天モバイルの新プランでした。Rakuten UN-LIMIT Ⅵ という名前の新プランはなんと1GBまで0円という。

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Rakuten UN-LIMIT Ⅵ

しかも楽天の電話(通話)はRCSという技術を用いて、電話回線ではなく、音声をデータにしてデータ通信として電話をすることができます。

つまり、LINEなどと同じ一種のIP電話です。ただ、電話番号にかけれるのがLINEと違いますね。LINE outみたいなもんです。しかも、この通話ですが、楽天リンクというアプリを利用して発信するのですが、なんと何分かけても無料なんです!!Σ(・□・;)

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楽天モバイルの問題点

この赤字必死の方法で勝負に挑んでいる楽天の姿勢を応援しております。

問題点としては、この楽天リンクというアプリが不安定で音が途切れたり、着信が鳴らない、声が聞こえないなどトラブルが多発している点です。仕事などで通話を頻繁に使う人にはこれは困りますね。

また、まだまだ基地局が足りないので、地方ではauに電波を借りている状態なので半分MVNOなのです。また、auの圏内では5GB/月までしか高速通信できないのも少し厳しいところです。プラチナバンドをもらっていない楽天は屋内や地下が電波厳しい。。というのもありますね。

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ポイント7

まとめ

3月末からahamoやpovo、LINEMOが開始しました。

基本的にはキャリアショップを必要としない最低限のスマホの知識がある若年層をターゲットにしているようです。

家族でパケットシェアしている方などはプラン変更で本当に安くなるのかしっかりと確認をしてから移行しましょう。

キャリアの価格低下で競争力を失いそうなMVNOの方でも、価格変更を行ったり、日本通信などのように攻めの対抗プランを出しているところもあります。また、MVNOのデメリットである、アプリ使用のプレフィックス発信ですが、今後キャリア側で自動的にプレフィックスしてくれるようになるので、アプリは不要になりそうです。

小容量で安く!はMVNOそこそこ使ってお得に!はahamo, povo, LINEMOという棲み分けになります。ショップが必要ならばUQモバイルやY!モバイルといったサブブランドで安くすればいいですね。ちなみに楽天モバイルにもショップがあります。

キャリアショップは直営ではないので、全く関係ない会社がキャリアの名前を借りて売っている代理店です。だから質も店によるし、数を売ってなんぼ!の世界です。この1年間に何回ショップに行きましたか?よく考えてみてください。

では、また(^.^)ノ

 

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*1:税込

*2:2020年9月時点