マイナンバーカード普及のために、保険証を廃止し一体化することにした日本政府ですが、その先には免許証も視野に入っています。
もちろん、たくさんカードがあるのは不便で、一体化は効率化を上げ、便利さを増すでしょう。
他にも私たちの日常生活では、LINEが支払いやFX、保険にゲームと幅広いサービスを提供しおり、ヘビーユーザーにとっては”便利”といえます。
今回は、その便利さの裏に潜むリスクにまつわるニュースを見ていきましょう。
カカオトーク
日本では大人気LINEですが、お隣の韓国では、LINEより前にKakaotalkができたためそちらがメジャーです。
LINEの登場は東日本大震災がきっかけで日本でできましたが、Kakaotalkはその1年前にリリースされています。ま、LINEを作ったNAVER JAPANは韓国のNAVER社の系列です。
いずれにせよ、韓国でのKakaotalkは日本でのLINEと同じ位置づけにあり、国民的SNSという扱いです。
つい先日、このKakaotalkで通信障害が起き、韓国社会では大きな混乱を引き起こしました。今回は、韓国の中央日報の社説*1から学びましょう。
▼LINEができた経緯▼
原因は火事
まずは記事のタイトルを見ておきましょう。
『恐竜』という表現は、カカオトークが日常生活で様々なサービスを局所集中して、大きくて危険な恐竜に例えられているようです。
タイトルからは「こうなることは前から想定できただろう」ということですね。
ソウルの南にある盆唐(ブンダン)というエリアは、韓国一住みやすい、お金持ちのエリアなんて言われるベッドタウンです。カフェが多くて観光客にも人気です。
ここにカカオトークのデータセンターがあるのですが、そのビルの地下3階の電気室で火災が発生しました。それが原因でカカオトークに障害が生じました。
タクシーも決済も
カカオトークでのメッセージや通話ができないだけでなく、カカオトークアカウントと紐づけされているあらゆるサービスに影響がありました。
カカオトークを通じてタクシーを呼べます。韓国のタクシーは日本と比べ物にならないくらい安いので、利用頻度が高いのです。
また、韓国でカーシェアアプリのTADA(타다)というサービスがありましたが、タクシー業界の反発があり、国会で廃止が決定されました*2。そういった経緯もあり、カカオトーク経由でタクシーを呼ぶのが一般化していました。
また、カカオトークからの送金や決済もできなくなっていました。
これらの障害が2日間続いたのです。
予定された災害
今回の記事では、この事故の背景について批判していました。
カカオトークが韓国の日常社会にズッポリと入り込んでおり、便利な生活を送れている反面、想定されるリスクへの対策が取られていなかったのです。
アメリカやEUではこのようなオンラインプラットフォームの独占を予防する法律があるのだそうです。
韓国では、大企業の反発も強く、国会も無関心なことで、放置されていると書かれています。現在は、基本的には”自主的に”独占を規制しており、いわば選手自身が審判をしているおかしな状況だと批判しています。
どんどん買収
日本でも○○経済圏ってありますね。
楽天なり、ドコモなり・・・あーいう風に1つの経済圏を構築するには幅広い分野の関連企業を持つ必要があります。すべて自前で作るのは効率が悪いので、買収して自分の物にしていくのが『恐竜』のやり方です。
例えば、楽天銀行は元々『イーバンク銀行』、楽天証券は元々『DLJディレクトSFG証券』という三井住友系の会社でした。それらを買収して経済圏を築きました。
カカオの状況もこれと同じでした。競合する小企業を買収し傘下に入れていきました。
ネットショッピングが普及すると小規模の自営業者らはそのサービスを利用しなければ商売ができなくなりました。これは、amazonや楽天市場でお金払って出店しているイメージですね。
有事を想定していない
さらにもう一つ明るみになったことがあります。それは、カカオが今回のような非常事態を想定したバックアップなどを怠っていたようです。
今回の問題点は大きく2つです。カカオが独占で韓国社会の日常生活にあまりにも深く浸透していること、そして、そのカカオが有事の想定がお粗末なことでした。
1つ考えなければいけないのは、『有事』です。なぜ韓国はいまも徴兵制があるのですか?理由は今も北朝鮮と『戦争中』だからです。休戦であり終戦でないからです。
この最大の有事が、カカオの通信障害のような社会麻痺と同時に起こると・・・
さいごに
いかがでしたか?
今回の韓国のカカオトークの障害は社会に非常に大きな影響を与えました。それとともに、独占によるリスクへの対策が取られておらず、復旧にも時間がかかりました。
これは有事の際は非常に大きな問題です。
日本でも、LINEは私たちの日常に幅広く浸透しています。今回の隣国での出来事を見て、LINEもその教訓を生かしてくれることを望みます。
マイナンバー一本化も不安が残るのは間違いないですね・・・
もちろん、『紙保険証は原則終了』であって、希望すれば交付されるそうです。マイナカードを持ち歩くのに抵抗がある人は申請すればOKなのです。
では、また(^^♪
▼LINEの情報漏洩▼