マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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【サク読み】知られざるJRの実力とは・・・

3月18日はJRグループでダイヤ改正が行われます。

一番大きなものとしては、JR西日本でうめきたエリアの開業です。大阪駅の地下駅が開業し、今まで大阪駅を通過していた 特急はるかやくろしおが停車するようになり利便性が向上します。

今回はJRダイヤ改正にちなんで、JRの知られざる能力を覗いていきましょう♪

輸送だけでない

日本は鉄道とともに発展してきたといっても過言ではないほど、各地に線路が張り巡らされています。

鉄道は、鉄のレールと鉄の車輪という摩擦係数が極めて低い移動物体のためエネルギー効率がよく非常にエコなんです。なんといっても強みは大量輸送です。

同じ公共交通でも、バスの場合、道路は国や県が管理しているのでその維持費はかかりませんが、鉄道の場合、すべて自前の線路などのメンテナンスは自分たちでやるわけで、経費が大きい。

鉄道の特徴とは・・・

つまり、大都市でたくさんの人を運べると儲かるけれど、地方では採算が取れないってことはあまりにも当然なわけです。

しかし、少子化の日本では人口は減り続けるため運賃収入だけで経常利益を出すのは将来的にはさらに難しくなるのは目に見えています。

運輸以外の事業も行う

といったわけで、不動産やホテル、百貨店などの商業施設から観光、クレジットカードにまでに手を広げているのです。

鉄道電話

ところで、列車が走行中に事故を起こしたり、車両トラブルで動けなくなったとき、昔はどうしていたでしょうか?

なんとかして乗務員と運転指令所は連絡を取る必要があります。

駅と駅の間に電話を置いたのです。高速道路でも昔は非常用電話がありましたよね?(今はあまり見ない?)

鉄道電話とは

さきほど、言ったように鉄道は『私有地』になり、その中の保守・点検などはすべて自前なんです。ということは・・・そうです、電話も自分たちで敷いちゃうわけです。

国鉄は全国区ですから全国各地に鉄道電話が敷かれました

すると、その電話通信技術も発達していきます。なんと、応用してマルスと呼ばれる指定席の発券などの機械までできました。

マルスを用いて発見された指定席券

さらに、離れた場所から駅のホームへのアナウンスも電話の技術で行っています。

技術力は電電公社(のちのNTT)と十分競うレベルだったのです。

通信の自由化

1985年、電電公社は民営化され、電話通信の自由化が行われました。

これにより今まで一般国民が使う電話はすべて電電公社の独占だったのですが、新規参入ができるようになったのです。

すると、鉄道電話のノウハウを持ち、さらに全国中に張り巡らされた電話網を持つ国鉄は勝負に出ました。

国鉄は勝負に出た

新幹線の線路沿いに光ファイバーを引いて通信事業に参入することにしました。

ということで、三井物産や三菱商事と手を組んで、1984年に日本テレコムという会社を設立し、1986年から企業などを相手に通信のサービスを開始しました。

さらに、ポケットベルにも進出し、駅構内に公衆電話のサービスも始めました。

国鉄民営化後

その2年後の1987年、今度は国鉄も民営化されることになりました。

鉄道電話にプライドを持つ国鉄は、分割民営化の第一号分社を旅客部門ではなく通信部門で、JR通信を作りました。このJR通信が、日本テレコムを吸収し、2代目 日本テレコムとなりました。

日本テレコムとは

90年代に入って、日本テレコムは時代の流れとともに携帯電話事業に目を向け、J-PHONEを作りました。

2000年にシャープ製のJ-SH04という機種は、初のカメラ付き携帯電話で、これが『写メール』としてヒットし、J-PHONEの人気が急上昇しました。

しかし、2001年、イギリスからVodafoneが襲来し、日本テレコムを買収しました。

J-PHONEからSoftbankまで

Vodafoneは、価格競争や通信エリアの問題などから人気が落ちていくと、ソフトバンクが日本テレコムを再買収し、ソフトバンクテレコムになりました。

ライバルたち

さて、通信の自由化までは電電公社の独壇場でしたね。分割民営化後、NTTとなり、携帯電話の事業はdocomoになったわけですね。

通信の自由化で他にも参入してきた会社があり、第二電電や日本移動通信という会社もありました。これらは後に合併しKDDIになります。その携帯電話の部門が au です。

で、現docomo と 現au には、最初に携帯電話用の周波数が割り当てられました。それは800MHz帯と言って、周波数が低く障害物を回避しやすい電波、いわゆるプラチナバンドです。

プラチナバンドの真相

一方、さらなる競争促進のために、遅れて解放された帯域は 1.5GHz帯です。周波数が高いと逆に波長が短く、障害物があると回り込めないため、屋内での通信は厳しいのです。

日本テレコム(のちのSoftbank)はこちらを割り当てられていたわけです。なので、つながりにくいという不評がつづいていましたが、2012年にやっとプラチナバンドを取得できましたね。

歴史は繰り返す

同じようなことが今も起こってますね。

菅政権で携帯電話大手3社(D、A、S)はどこも足元そろえて高すぎる!携帯料金を安くさせる!!と言って競争のために楽天に携帯事業参入の橋をかけてあげました。

ところが、楽天に割り当てられた周波数は 1.7GHz帯だけです!笑

当初のSoftbankの 1.5GHzよりもさらに高周波数なので、波長はさらに短く、屋内での通信はかなり制限かかりますね。

安いけどつながらない楽天は、ahamoやpovoやLINEMOの登場でどうしても人気は出ません。

そこでいま必死でプラチナバンドの割り当てを訴えているわけです。

しかし、Softbankは割り当ててもらうまで6年辛抱したので、おそらく楽天に対しては「ナメんな、若造」くらい思ってるかもしれませんね~

 

では、また(^^♪