マルチリンガル医師のよもやま話

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【サク読み】『女性は感情的』?

昔から一般的に『女性は感情的』と言われます。

経験上、そのように感じる人も多いと思います。よく『男脳』と『女脳』などで説明されることもありますね。

今回はこの辺を少し学んでいきましょう~

ヒステリー

”ヒステリーを起こす”なんて言葉を聞きますが、近年はあまり使われません。死語?

元々、古代ギリシア語の『子宮』という言葉が由来です。

子宮筋腫や子宮体癌の検査でヒステロスコピー(子宮鏡検査)というのがありますが、それを考えれば語源は納得です。

ヒステリーは『子宮』?

紀元前の頃から、感情的に叫んだり、発狂するのが女性に多く見られ、原因は女性にしかない子宮だと考えられたのです。

そのため、治療として、子宮や女性器をマッサージしたり、ヒル(蛭)に局部の血を吸わせたりということが行われました*1*2。詳しくはググってください。

現代になり、脳の働きが解明されていき、子宮が原因ではなく、男にも見られることなどがあり、転換性障害解離性障害という病名で呼ばれます。

転換性障害と解離性障害

交通事故で記憶を失うとか、韓国ドラマでありがちなやつですが、コレですね。

報告にもよりますが、女性が男性の2~10倍*3と、多いことが確認されています。

一つ、我々が日常生活でイメージするヒステリーとは大きく違うと思います。つまり、私たちが想像するヒステリーは『病気』ではなく、ただの『気質』にすぎないということです。

右脳と左脳

ここからは少し科学的な説明*4を見ていきましょう。

論理的な思考問題解決などを得意とするのが左脳で、こちらはIQに関連します。

右脳と左脳

一方で、言語や芸術、表現、感情を司るのが右脳で、これはEQ("心の知能指数")と関連します。

男性は、左脳を主に使い、女性は右脳と左脳の両方を使っているのです。

右脳を使う頻度が多い女性は、相手の感情を読み取ったりする能力も高く、言葉を発せない赤ちゃんの要求を読み取りやすいです。

女性は右脳をよく使う

コミュニケーションから情報を得ることが得意で、男のウソも見破れる能力があるんですね~ 女の勘ってやつ。

大脳辺縁系

もう一つ、女性の脳で特筆的なものは大脳辺縁系です。

大脳辺縁系は人間の行動、感情、記憶を司り、他人との協調性をうまく働かせることができます。

男性よりも大脳辺縁系が発達している分、感受性が高く、デメリットもあります。

大脳辺縁系発達の副作用

それが気分の浮き沈みで、特にホルモンの関係で月経前では顕著になります。

実際、うつ病は女性に多い*5です(男女比 2:1)。

ストレス反応

ストレスを受けた状況での体の反応を見てみましょう。

ストレスを感じるとオキシトシンというホルモンが分泌されます。これは別名”愛着ホルモン”とも呼ばれ、スキンシップなどで分泌されます。

母親が赤ちゃんに愛着を持ったり、男女でいわゆる”情が湧く”ってのに貢献するだけでなく、ストレスを和らげてくれる効果も持っているのです。

オキシトシンとは

男性ではテストステロン(男性ホルモンの一種)がこのオキシトシンの効果を弱めてしまい、結果として”攻撃的”や”怒り”という反応を引き起こします。

一方で、女性はエストロゲンがオキシトシンの効果を強めるので”静かな”反応を見せます。他人に打ち明け、共有することでストレスから解放されるという平和的な解決ができるのです。

ストレスを受けた男性は・・・

つまり、ストレスを感じた時は、実は男性の方が怒りをブチまけやすい?体のつくりなのです。

極度のストレスなどで言葉を失ったり動けなくなるような”ヒステリー”は圧倒的に女性に多いというのは先ほどもお伝えしました。

ここは辻褄が合わないような・・・(^^;

さいごに

大昔から、女性が感情的であるということは知られており、ヒステリーという状態は女性特有の子宮が原因であると考えられてきました。

脳科学が進み、脳の働きなどが解明されてくると、男女の脳の使い方が違うことがわかってきました。

女性は男性よりも右脳を多く使うので、感情の共有や相手の表情を読み取ることが得意で他者との協調性も優れています。その分、普段から男性よりは”感情的”な部分が多く、特に月経前などは顕著になります。

一方で、ストレスがかかった時は、実は女性の方が『怒り』『攻撃性』に走らずうまく対処できるようになっています。

まとめ

結論:女性は右脳をよく使うことで普段から『感情』をよく出しているだけで、ストレスがかかると男性の方が爆発しやすい。

※個人差があります(笑)

 

では、また(^^♪