マルチリンガル医師のよもやま話

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【サク読み】右利きの割合は○○%!イヌは?

僕は右利きですが歯を磨くときと消しゴムだけなぜか左手なんです。これはクロスドミナンスと呼ばれます。残念ながら別にそれが「天才肌」とか「奇才」とか言うことはありません(笑)ただの習慣に過ぎません。

勝手な印象で海外は左利きが3-4割くらいいるかと思っていたのですが、世界中で右利きは9割*1にも及ぶそうです。今回は利き手について学んでいきましょう。

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いつ決まる?

利き腕はいつくらいから存在するのでしょうか?

これも色々な研究があり、ほとんどが2歳までに利き手がある*2とされますが、胎児の時からあるだろうという研究*3もあります。これは子宮の中で左右どちらかの指をよくなめる傾向から推察できるのではないかと言われています。

もちろん、幼少期の”矯正”により右利きになることが多いです。

右利きが多い理由

ところで、元々右利きの人が多いのはなぜでしょうか?

これは脳についても知る必要があります。人間が使う高等技術 ”言語” を司る部位は左脳にあります。

この部分を言語中枢と呼ぶわけですが、ここはさらに2つに分かれ、話すときに使うブローカ中枢と言葉を理解するときに使うウェルニッケ中枢がとあります。

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言語中枢

人間の脳と、首から下の神経は途中で交差して反対側を司ります。

例えば左側の脳梗塞が起きると、右半身の麻痺とともに、左脳にある言語中枢がやられてしまうので、発語障害などを起こしえます。

ヒトが使う高等技術『言語』は左脳で処理するので、体で言うと右側が高等処理に向いているのではないかというのが一般的な考えです。

生まれた後の影響

成人の言語中枢は右利きで95%以上、左利きの人は70%以上が左大脳半球にあります。

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言語中枢は左大脳半球にある

これから考えると、言語中枢が反対の”右側”にあって”純粋な左利きの人”というのは30%未満と言うことになります。つまり、残りの70%は生まれた後の生活で左利きになったとも考えられます。(習慣ですね)

また、右利きの人でもわずか(5%程)ですが、言語中枢が右脳にあり”本来は左利き”なんだけど、育っていくうちに右利きになった人もいます。

ということは、「私元々左利きだけど、子供の時に矯正されて右利きになった」と言う人は、実際はかなり少ないということになります。

正しくは、体のつくりとしては右利きだけど、小さいころ左手をよく使っていたら、親に矯正されて右利きになったというのが実際なのでしょうかね。

実際の利き手

体のつくり的には、一般的に右手の方が利き手となりやすいのではないかというのはお判りいただけたと思います。しかし、実際の生活ではよく使った側の手が器用になるのも当然なわけです。

例えば、右利きのギターではコードを抑えるのは左手ですよね。アルペジオはやや繊細な動きでしょうが、ストロークで弾くなら左手のコードを抑える動きの方が難しいですね。

しかし、左手でコードを抑える練習をずっとするので何の問題もなくスムーズに弾けるようになるわけです。サッカー選手が両足でシュートを打てるのもそうですね。

2歳になる前頃からスプーンなどを使うようになりますが、このときは左右関係なく用います。そのうち自分にとって使いやすい方、たくさん使った側が4歳くらいに利き腕となって固定するようです。もちろんその間に親からの矯正なども入りますね。

イヌも右利き?

イギリスのリンカーン大学がイヌの”利き脚”について調査しました。約1万8000匹の犬を対象におやつを与えたときにどちらの脚をよく使うかを調べました。

結果8割のイヌは右脚を優先的に使うことがわかりました。

これに関しては、2016年にハンガリーの研究チームが犬も人間と同じように言葉を”左脳”で理解することがわかったと超有名雑誌Scienceに発表*4しました。

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ハンガリーの研究チーム

MRI検査を使って、意味のある言葉を聞かせたときに、左脳が活性化することがわかりました。

このことから犬は言葉を理解するのは人間同様に左脳を使っているという結論でした。

まずMRI検査って20-30分かかるのでその間犬にじっとさせる訓練に半年かかったとか。。。

なるほど、犬も言語を理解する言語中枢が左脳にあるから人間と同じように利き脚は右になるんだな~ふむふむ。

発表内容を訂正

しかし、まさかのどんでん返しが起こりました。

2017年に入って、著者らが自分たちのミスに気付いて論文の発表内容を訂正*5したのです。

なんとMRIの画像が左右逆だっとことに気づいたのです。え、どういうこと?

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著者による訂正内容

人間はCTやMRIを取るときは仰向けに寝るのですが、犬はうつ伏せで撮るのです。つまりできあがったMRI画像は人間とは左右が逆にできるのです。むちゃ凡ミス。笑

しかしながら、彼らの「主結果には影響はない」と言っています。

ん?影響ないの?ますますようわからんぞ。。。

しかし、論文の本文を読むには会員登録とお金もかかるので読むのを辞めました。笑 謎が多い。

利き脚と性格

犬の利き脚を調べるのは難しく、昔からエサなどを使ってどっちの脚をよく使うかで見てきました。しかし、結果は研究によりマチマチだったのです。

というのもエサを使った研究*6では、左右の利き脚はなさそうという結果でしたが、エサを使わない別の研究*7では右利きが圧倒的に多かったと言います。

利き脚と性格について調べた研究もあります。ある研究*8では、利き脚を持たない(=両利き)犬は利き脚をもつ犬よりも見知らぬ人に対しての攻撃性がわずかに低い、おとなしいという結果が出ています。

また別の研究*9では右利きの盲導犬の方がトレーニングの成功率が高いという結果もあります。

 

こういう研究もなかなか面白いもんですね~ では、また(^.^)ノ

血液型と性格

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