恐竜が絶滅したとされるのは、約6600万年前の白亜紀と呼ばれる時期です。
隕石が落ちたことで、地球は一気に寒冷化し太陽光が届かず植物がなくなったことが原因と考えられています。
それだけでもはるか昔のことでロマンを感じますが・・・
今回はさらに昔、2億年前の地球に関して新たな発見があったようです*1。

基礎知識
最初に軽く基礎的な部分だけ学んでおきましょう。
地質を元に時代を分ける考え方があります。古生代⇒中生代⇒新生代となるわけですが、ここはザックリと言うと、恐竜を中心に見るとわかりやすいです。

恐竜が絶滅して以降が新生代、恐竜の全盛期が中生代、恐竜より前が古生代と考えるとめちゃくちゃわかりやすいです。
で、この回の話は、恐竜全盛期の中生代になります。
中生代もさらに大きく3つに分かれるわけです。

一番古い三畳紀ですが、この頃はパンゲア大陸と言って、北極~南極すべての大陸が1つになっていました。
爬虫類が繁栄した時代だったのですが、巨大隕石の衝突であまたの生物が消滅しました。

その中で生き延びた種は、巨大化していき、大きな恐竜が跋扈するのが皆さんご存じのジュラ紀や白亜紀になります。
白亜紀の末にも巨大隕石の衝突があり、恐竜は絶滅したと考えられています。
カキの貝殻
さて、本題に入ります。
今回の研究の主役はカキ(牡蠣)の貝殻です。
英国の複数の大学の共同研究で、古代のカキの貝殻の化石を用いてジュラ紀〜三畳紀(約2億10万年前)の地球についての研究です。

何故貝殻なのでしょうか?貝殻は炭酸カルシウム(アルカリ性)でできているので、海の酸性度が変化するともろに影響が出るのです。
ザックリと言うと、貝殻の化石から、いつごろ海の性状に変化があったか推定できるということです。
2億年前・・・
さて、今から2億年前、いったい何が起きたのでしょうか?
一般的には、海水の性状が急に酸性方向に傾き、海洋生物の生態系に大きく影響したと考えられています。

サンゴ礁は消え、アンモナイトや軟体動物もかなり厳しい状況に置かれました。
詳しくはわかっていませんが、恐らく海の酸性度が上がったのだろうと考えられてきました。
今回の研究では、ホウ素(B)の同位体を用いて昔の海水のpHを推定し、この時代の海の変化はどんなものだったのか調べたのでした。
海水の異常
この時代の海水は、pH8.2程度の弱アルカリ性でした。ちなみに現在の海水はpH 8.1程度の弱アルカリ性だそうです。
今回の古代のカキの貝殻とホウ素同位体の研究で、2億年前に海水に急な変化が実際に起きていたことがわかったのです。

海水のpHは急速に0.3〜0.4ほど低下した(pH7.8-7.9)のです。
我々のような庶民からすれば、「その程度?それ中性に近づいてむしろ刺激少なそう」なのですが・・・
しかし、このpH差の持つ意味は非常に大きいようです。

海は二酸化炭素を吸収したり放出したりするのですが、大気中の二酸化炭素の量が増えると海水にも二酸化炭素が溶け込む量が増え、酸性の方向に進み(=pHは下がる)ます。
で、先程のpHの0.3〜0.4の低下は、大気中の二酸化炭素量が2倍になっていたことに相当するです。
しかも海水中の二酸化炭素濃度も急に上がったことで海洋生物に大きな影響を与えたと考えられます。
火山活動?
ところで、この急激な大気中の二酸化炭素増加はなぜ起きたのでしょうか?
大陸移動説によると、この時期はアフリカもアジアもヨーロッパもアメリカもすべて1つの大きな大陸だったとし、それはパンゲア超大陸とも呼ばれます。
これらが少しずつ分裂し大陸の移動が始まると、いたるところで火山の噴火が起きたと考えられます。

すると地球のマントルの中に眠る莫大な炭素が噴火とともに一気に大気中に放出されたのが原因だろうと研究者らは説明します。
莫大な時間が必要
さて、さきほど、現代の海洋のpHは8.1程度であると説明しました。
つまり、急激な酸性化を経験したものの、2億年たった今は回復しています。
逆に言えば、海洋の状態が元に戻るのにとてつもない時間がかかるということです。

カキの貝殻の調査からわかったことでは海洋の酸性化により消滅したサンゴ礁が回復するのに何十万年もかかっていたのです。
この研究はここまですが、その結果、我々には大きな課題が残されました。
人類の活動
大陸移動に伴う火山噴火で大気中への二酸化炭素放出を起こし、急激な海洋酸性化により多くの生物が絶滅しました。
この200年ほどで人類が発展とともに大気中に大量の二酸化炭素を放出しており、その増加は、2億年前の噴火によるものよりも遥かに速いスピードで起きています。
となると、大気中の二酸化炭素上昇で、温室効果による地球温暖化、海洋の温暖化、さらに海洋の酸性化が短期間で起きると・・・

恐ろしいですな 最近の異常気象は。
地球温暖化を否定するなどもそうですが、非科学的な政治家が増えると地球は終わります。
科学は人間が積み上げてきた叡智です。
真摯に耳を傾け、それを元に対策を行うことがリーダーのあるべき姿です。
では、また(^o^)ノ