マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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喘息はどんどん増える

年々秋になっても30度を超える日が増えたり、12月に入っても冬らしからぬ温かさなど、異常気象を日々感じさせられる今日このごろ・・・

このような【地球温暖化】は疾患にも影響を与えます。

今回は、気管支喘息が増えている裏側を見ていきましょう。

気管支喘息

気管支喘息の原因は、小児では9割近くがアレルギー性と言われています。

一方で、成人の気管支喘息は、6割がアレルギー性、残りは感染や喫煙、ストレスなどが原因とされています。

アレルギーは、ハウスダストやダニ、花粉、ペットの毛など多岐にわたります。

気管支喘息は、日本で過去30年で3倍に増えているという研究もあります*1

その中で、1980年代に提唱された衛生仮説というもの*2が、よく原因として語られます。

衛生仮説:幼児期感染が少ないと・・・

これは先進国などで、小児期を清潔すぎる環境で育つと、免疫系が適切に発達せず、アレルギーや自己免疫疾患を増やすのではないかというものです。

実際にペットを飼っている家庭では子どものアトピーが少ない*3*4とか、農村で育った子はアレルギー発症率が低いなどということがわかっています。

しかし、喘息患者の急増はこれらだけでなく、どうやら環境の変化も影響しているようです。

花粉症が増加している原因

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喘息患者は増える

喘息患者さんを見ていると、冬になると悪くなるとか、雨の前に悪くなる、など気温・気圧の変化が影響を与えていることを実感します。

今回、東京科学大学の研究*5では、2011年から2019年までの喘息による入院データを解析しており、暑さと喘息の関連を調べています。

(東京科学大学とは、東京医科歯科大学+東京工業大学です)

猛暑で喘息入院が急増する

すると、暑さが喘息での入院のリスクを高めることが確認されました。

極端な暑さ(1年に2-3日程度の異常な暑さの日)にさらされると、喘息による入院するリスクが1.22倍になることがわかりました。

さらに14歳以下の子供では、1.33倍に増えることもわかりました。

近年の気候変動を考慮し、日本の人口動態も加味したシミュレーションを行うと、2090年代には、暑さが原因で入院する喘息患者は2010年と比較して、最大で4.19倍にもなるという結果が弾き出されました。

なぜ暑さ?

いままで、喘息といえば冬に増悪のイメージが強かったです。

それは、冷たく乾いた空気が刺激になるからです。その他にも重要なのが、空気の急な変化です。温度・湿度。

風邪を引いたあとに、咳だけ長く残ることがあります。そのときに部屋が変わったり、話し始めると急に咳が出始める経験ありませんか?

これは、急に空気が変わるからです。

猛暑で喘息がこれからも増える

冬は、外が非常に冷たい空気中は暖房で温かい空気です。例えば室内23℃、屋外5℃ならその差18℃もあります。

一方で、夏は外が33℃、中が24℃とすればその差は9℃に過ぎません。

だから普通は冬のほうが増悪しやすいと考えられます。

しかし、地球温暖感による異常気象で、外気温が40度を超える日が出てきています。となると、気温差は16℃。冬の状況に近づいています。

こういうことですね。

さいごに

いかがでしたか?

地球温暖化による影響は、「夏が暑い」「冬が温かい」というだけではなくなってきました。

実際、猛暑で熱中症が増えたり、気温の大きな変化により体調を崩したり、喘息が増えたり・・・

今までは熱帯にしか見られなかった感染症が入ってきたり・・

すでに我々の体にも影響を与えているのです。

将来が怖くなりますね。

では、また\(^o^)/