卓球の混合ダブルスの決勝戦、人生においてこれほど卓球に注目したことはありませんでした。ネットでは水谷選手と芸人の波田陽区が似ていると話題ですね。笑
卓球王国の中国に勝って金メダルは本当にめでたいです。
というわけで、今回のテーマは中国の卓球!!、、、ではなく、中華料理です(笑)
中華料理≠中国料理
中華料理と中国料理は厳密には違います。あなたの行きつけのお店はどちらですか?
中華料理は、日本人の口に合うようにアレンジされてできた中国の料理風の大衆食です。ラーメン、チャーハン、ギョーザ、天津飯、エビマヨなどが有名ですね。
▼中華料理と中国料理▼
天津飯なんて中国にないですし、中国でのギョーザは基本的には水餃子です。満州では焼き餃子があったようで、鍋貼(グォティエ)と呼ばれます。餃子の王将で”イーガーコーテル”というのは『一個鍋貼』ですね。
中華鍋って丸いですよね、焼きものも炒め物も、スープだって作れる万能なフライパンです。この形ゆえ、中国では焼餃子より水餃子が主流になったと聞いたことがあります。
一方で、“中国料理”というのは、イメージは本格的な味付けで、高級なものが中国料理店になるわけですね。あくまで、一つの参考までに。
大陸系中華
ところで、最近、月に2回ほど、外科医として20年以上?先輩とランチに行くのですが、その方は大食漢なのでだいたい決まった中華料理屋に行きます。
安くてボリュームが半端ない定食メニュー。
昔ながらの近所のおじさんがやっている中華料理屋は”町中華”なんて呼ばれますが、たしかに町中華も量は多いです。
しかしながら、最近、格安で食べ放題などやっていたりする中華料理屋もよく目にしますよね?こんなんで経営大丈夫?ってくらい大盤振る舞いな中華料理屋。
それは、町中華でなく、"大陸系中華"かもしれません。
ルーツは名古屋?
大陸系中華の始まりはどうやら名古屋にある*1ようです。
大陸系中華はだいたい店を見ればすぐわかります。ド派手な赤地に黄色~金色で店名が書かれた看板や中国国旗などが見られることが多いです。そして、店員が中国人というのも特徴です。
また、もう一つ重要な共通点があって、どこの店もメニューがほぼ同じ。
大陸系『中華』だけあって、日本人が好む町中華のようなメニューで、ラーメンとチャーハンのセットや、レバニラとご飯のセットなどどれもボリューミーで値段も安いです。
『眞弓苑』
蔡洪涛(さい・こうとう)さんが大陸系中華の第一号*2と言われています。中国のホテルの料理人をしていましたが、1992年に来日し、名古屋の町中華『眞弓苑』で働き、日本人向けの中華料理の味を学んだそうです。
当時、中華料理屋で夜のメニューは基本的に単品しかなかったのですが、数多く頼むと当然値段がかさばります。そこで、思い切って『夜のセット』を始めたのです。
これが当たり、『眞弓苑』は大繁盛したそうです。
格安の維持
この『眞弓苑』の成功をマネしたお店が増え、名古屋の町中華は安くて量が多いが定着します。これが、大陸系中華の基礎になったと言われています。
ところで、ここ最近の”大陸系中華”は格安なうえに、食べ飲み放題などもやっています。しかも、どんどんとお店が増えています。なぜこの低価格が可能なのでしょうか。
飲食店の経費の目安は30%は人件費、30%が原価です。それ以外は、家賃だったり電気代だったり固定費はなかなか削減できません。
つまり、低価格で儲けようとすれば、削るところはこの2つです。その中で、原材料ってそこまで下げれないですよね。ボリュームを前面に押し出すならば、なおさら。
そう、つまり人件費を削るわけです。
だから、店員が日本人ではなく、中国人なのです。
ブローカーの存在
中国の金持ちはヤバ金持ちです。想像がつかないくらい。しかも、その人数がエゲつないんです!!
中間層とされる人口だけで日本の人口の3倍もいます。しかもこの『中間層』の定義は日本で言えば富豪です(笑)しかも5年以内にこの中間層が5億人を超える*3というから恐ろしいですね。
しかしながら、中国の平均年収は日本の1/3以下*4です。要するに、中国のおよそ40%は金持ちで、残りは極貧なのです。真ん中があまりいません。
中国の農民たちからすれば、日本に来て、日本人を雇う半分の給料でも、中国で稼ぐ額より多くなります。だから日本に来たい。これがカラクリですね。
そしてそこには、ブローカーが存在するのです。多くは、日本に永住する中国人なようです。日本に住むには就労ビザを取って働く必要があります。
ブローカーは日本で働きたい中国人から高額な仲介手数料を取って、ビザの手続き、お店の斡旋などを行います。
そういえば、慰安婦募集もブローカーが斡旋していましたね。だまして連行したり↓
訪日ビザ緩和
特に2017年にインバウンド需要を拡大するために訪日ビザの発給要件を緩和*5しました。これによりツアーだけでなく、個人レベルでの日本旅行が一気に増えました。
となると、訪日中国人相手の商売がビジネスチャンスとなり、日本に来て訪日中国人相手の商売をしようという中国人が増えた*6そうです。
そういえば、よく西川口(埼玉)がチャイナタウン化しているってよく聞きますよね?ここはかつては風俗街でしたが、一斉摘発で空き家が増えました。そこに格安で来日した中国人がドサっと住むようになったのです。また、周辺には安い県営住宅などもあり、段々とチャイナタウン化していったようです。
西川口からは京浜東北線で都心の職場へのアクセスも抜群なのも重要な要素ですね。
さいごに
いかがでしたか。
日本で増えている激安の大陸系中華。
人件費が重要なファクターで、さらに2017年のビザ発給緩和により人気が高まりました。
ブローカーに100万円以上の大金を支払ってでも日本に来たい人たちは、日本で必死に節約、貯金をして、最後は独立するのでしょう。
そして、そのお店にもまたブローカー経由で中国から・・・
こういったビジネスサイクルができているのですね。
では、また(^.^)ノ
*1:https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/masaki-nagaya/2019-00056
*2:https://toyokeizai.net/articles/amp/319236?page=2
*3:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-05-21/QTG39XT0AFB801
*4:http://chugokugo-script.net/chugoku/nenshuu.html
*5:https://www.travelvoice.jp/20170421-87495
*6:https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/getnavi/trend/getnavi-https_getnavi.jp_p_330733