「発達障害が増えた」という話をよく聞きます。
遺伝因子、ストレスやTV・スマホなどの環境因子などが原因とされます。
時代とともに周りが敏感になり、「もしかしてうちの子」で受診して診断がつくからです。
昔は「ちょっと変わった子」くらいの扱いだったけど、ゆくゆく大人の発達障害として、社会に出ると色々あって働けなくなる・・・なんてことも
さて、今回は、発達障害の1つ自閉症について学んでいきましょう~*1
自閉症
まず、少しだけ自閉症について基本をおさらいします。
主には、人間関係やコミュニケーションに問題を抱え、強いこだわりを持っていおり、多く精神遅滞を伴います。
男の子に圧倒的に多く、1000人に1~2人いると言われています。
その中でも、知能や言語発達の遅れがない場合は、アスペルガー症候群と呼ばれます。
『医者にアスペルガーが多い』なんてよく言われます(笑)勉強はできるけど、コミュ力絶望的とか。。。(以下、省略)
リスク因子である程度わかっているものは、父親が高齢(40歳以上)だとか、母親が妊娠中に抗うつ薬やてんかんの薬を飲んでいるなどがわかっています*2*3*4。
他にも腸内細菌のバランスが崩れていると起こりやすいことも言われており、乳幼児期に過剰な抗生剤投与もよくないとされます。
最新の研究では、妊娠中の母親の糖尿病が生まれてくる赤ちゃんの自閉症と関連しているという報告*5がされています。
あと、RFK Jr.が支持しているMMRワクチン原因説は、この論文を書いた医師が反ワクチン陰謀論者で、データ捏造も発覚して論文は撤回となりました。
この嘘のせいで接種率が下がり、はしかが流行ってのが実際起こってる*6わけです。
被害受けたサモアの首相はRFK Jr.らにブチギレてます*7。
▼反ワクが厚生大臣に▼
3%の子が自閉症
アメリカでは、2011年から2022年の間に、自閉症の診断の割合が3倍になりました*8*9。(1000人に2.3人⇒1000人に6.3人の割合)
この数字は、全年齢での診断で、成人で発達障害と診断される人たちも含まれます。
年代別で見ると5~8歳が最も多く、100人に3人の割合、実に3%の子が自閉症と診断されるという驚異の調査結果が出たのです。
もちろん、時代とともに発達障害自体が多くの人に認知されるようになり、受診・診断される数が増えているのが一番大きな理由とされますが、それだけではなさそうです。
その1つとして、イスラエルのヘブライ大学の研究*10が注目を集めています。
彼らが注目したのは一酸化窒素です。燃料などが燃えた時に放出されるものです。
石油ストーブ、排気ガス、焼却炉・・・・などが原因です。
深刻な大気汚染
大気汚染と言えば、発展途上国の工場からモクモクと黒い煙を出しているイメージがありますが、実はそうではないようです。
先進国のアメリカでさえ大気汚染問題が深刻なのです*11。
特に西海岸のサンフランシスコ、サンノゼ、ユージーンなどは米国内で最悪の大気汚染があります。
米国人の4割(約1億3000万人)が『大気汚染危険地域』に暮らしていると報告*12されています。
この大気汚染が喘息発作、長期的には心筋梗塞などの原因となり、アメリカでは毎年何万人もの人が亡くなっています。
脳内に移行
先ほどご紹介したイスラエルの研究では、PM2.5、一酸化窒素、二酸化硫黄、オゾンという4種類の大気汚染物質を用いて調べたところ、これらが脳内に移行し、神経細胞を変性させることがわかりました。
そして、母親の体内にいるとき~幼児期にかけてこれらの環境汚染物質を大量に吸い込むと、脳内で慢性的な炎症を起こし、自閉症を起こしやすくさせるのではないかという仮説を導いています。
研究からわかったのは、遺伝性素質のある子においては、生後間もない時期にこれらの環境汚染物質に曝されると、非・汚染地域の子たちと比べて自閉症を発症しやすいとわかりました。
最大64%リスク増
このイスラエルの研究ではどのくらいのリスク増加かという『数字』は出ていません。
しかし、2021年にハーバード大学が出したデータ*13によると、大気汚染地域に住み幼少期に吸い続けると、最大64%自閉症発症のリスク増だと言っています。
やはり、親族内に自閉症の人がいるという遺伝的素因が重要で、その上でストレス、抗うつ薬、大気汚染などの環境因子が影響していると考えられているようです。
大気汚染は地球温暖化の原因として大いに取りざたされており、世界中でも対策を考えているところです。2010年代より世界中で、大気汚染と自閉症などの関連性が研究されています。
他にも香港の研究(2021年)*14でも、PM2.5が自閉症の発生に関与しているかもという結果を導いています。
さいごに
いかがでしたか?
スマホやTVが当たり前の現代、そうした中で他人との関りがどんどん減り、コミュニケーションに問題を持ったまま育つ人たちが増えていると言われます。
しかし、自閉症は、遺伝素因もわかっており、そうした素因がある人が特に、環境因子が加わって発症するのではないかと考えられます。
その中には、母親が妊娠中に内服する抗うつ薬やてんかん薬、小児期のストレス、空気中の大気汚染物質の長期曝露などがわかってきています。
ちなみに最近、妊娠中のアセトアミノフェン(カロナールなど)内服が子供のADHDの発症リスクを3倍にするという報告*15も出ました。
一応言っておくと、アセトアミンフェンではリスクは上がらないという研究*16もあります。
いずれにしても妊娠中の服薬は必要最低限にしておくべきということですね。頓服ならリスクは小さいので気にしすぎないこと!
また、PM2.5については環境省がそらまめくん*17で状況を公開していますので、一度ご覧になってみてください。
日本は年中通して結構きれいです。中国高くて、韓国は時折高い。
では、また(^^♪
▼小児がんが増えている▼
*1:https://www.msn.com/en-us/health/other/autism-may-be-caused-by-toxins-breathed-in-by-millions-every-day/ar-AA1tV9uY?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=2f5699b00bbb454e8fe662c082b3fdd6&ei=70
*2:https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/1681408
*3:https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/1681385
*4:https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2476187
*5:https://www.msn.com/en-us/health/other/researchers-uncover-a-link-to-autism-and-it-isn-t-vaccines/ar-AA1CxS1O?ocid=msedgntp&pc=U531&cvid=462486b7cb87444bb19b33c66cd39fca&ei=9
*6:https://www.afpbb.com/articles/-/3128922
*7:https://www.theguardian.com/world/2025/jan/31/samoas-prime-minister-criticises-rfk-jrs-vaccine-views-after-deadly-measles-outbreak
*8:https://www.dailymail.co.uk/health/article-14025037/autism-spiked-kids-young-adults-health-experts.html
*9:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39476234/
*10:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37212048/
*11:https://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-13344889/America-air-quality-worst-cities.html
*12:https://www.lung.org/getmedia/dabac59e-963b-4e9b-bf0f-73615b07bfd8/State-of-the-Air-2024.pdf
*13:https://hsph.harvard.edu/news/air-pollution-linked-with-increased-risk-of-autism-in-children/
*14:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34216652/
*15:https://www.nature.com/articles/s44220-025-00387-6.epdf?sharing_token=fpUlNtr8PZtuQJtUSf-wE9RgN0jAjWel9jnR3ZoTv0PnoSLx7AIUTNabJRwiEKQOWz8csjJ5cVkMOuqaFVOs53Puzs6pPMlNfC1bc1e6i2XsEMvfwVTOSR3PCTRT8PeeWFFxtZrxzxm4lNpV1T-SInMIfp6TbyJmVdJvgGen8iQ%3D
*16:https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2817406