マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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【サク読み】簡単ながんリスク軽減法

ここ30年間くらいで50歳未満の”若年性”がん患者が急増しているのはニュースにもなっています。過去に当ブログでも扱っています。

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原因は色々言われています。肉の摂取量が多い加工食品の摂取量が多い、飽食で肥満児が多い、アルコール摂取量が多い、運動不足・・・

もちろんどれか一つではなく複合的な理由でしょう。

今回は、運動の部分に焦点を当てた研究*1を紹介します。

ちょこっとダッシュ

日常から定期的な運動を行うことが、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の予防にもいい影響を与えるので、医師から口酸っぱく言われたことがある人も多いでしょう。

運動をすれば『がん』のリスクも低減

それだけでなく、定期的な運動を行っている人は乳がんや大腸がんのリスクを下げる*2ことがわかっています。

ま、実際は、働き盛りの世代で、定期的な運動時間を確保・・・なんてのは夢の話なワケです。(笑)

そこで、考えたのは、日常生活の中でありうる”短時間で少し負荷のかかる運動”でも意味はあるのだろうか?

短時間の激しい運動

この研究内での『短時間の激しい運動』という定義は大体1-2分の高強度運動で、階段を昇ったりとか、「やべ、バス来てるわ」のバス停までのダッシュなどといったものを指します。

心拍数などを見るためにスマートウォッチを元に判断しました。

回数も重要

この研究はイギリスのBiobankのデータを用いて、2万2398人(平均年齢62歳)の身体活動を解析しました。

ほとんどが1回2分未満の運動

記録を見てみると、ほとんどの運動は1回2分未満の運動でした。1日のトータル時間で見ると、平均は4.5分で、最も長かったもので16分でした。

そして、1日のトータルの運動時間とがんリスクを比較しました。

総運動時間増でリスク減

左側は1回あたりの高強度運動が平均1分未満、右側は平均2分未満で比較したものです。どちらの側でも、1日の総運動時間が増えるにつれて、がんリスクが減ることがわかります。

つまり、1-2分だけの高強度の運動を、1日に何度も繰り返しているとがんリスクが下がるということです。

平均の人のリスク低下

自分が日常の中でどのくらいの『短時間の激しい運動』をしているかはわからないでしょう。無意識のうちにちょっとダッシュしてたり、階段昇っていたり・・・

今回のデータ(平均年齢62歳)の中での平均は4.5分/日 でしたね。

平均的な運動量でもリスク減

平均的な運動量の人たちで見てみると、癌全体でリスクは2割減、大腸がんや乳がんなど運動量と関係が強いとされる癌ではリスクを3割も減らすことができることがわかりました。

さいごに

いかがでしたか?

珍しく短い記事。

ラグビーワールドカップ視聴で忙しいもので(^^;;  

 

いずれにしても、なかなか30分や1時間というまとまった時間が取れなくても日ごろの少し負荷のかかる短い運動を繰り返せば、がんのリスクを下げることがわかりました。

ちょこっとダッシュや、腕立て伏せ、腹筋などのちょこっと筋トレもOK

最近ハヤり?の『チョコ〇ップ』とかも癌リスク低減に意味があるんですな~

 

では、また(^^♪