家族と暮らしていると、ご飯を作ってくれる人がいたり、もちろん作る側の人もいたりで、いわゆる”手料理”を食べる機会が多いですが、独り暮らしなどで忙しい人の味方といえば、インスタント麺などですね。
疲れた日、時間がないときにさっと食べれて、味も安定♪ 『体に悪いんやろな~』と罪悪感をひた隠しながら食べることでしょう。
近年、これら"超"加工食品の健康に関する研究が進んでいます。
超加工食品
今回は超・名門医学雑誌 BMJに掲載されたアメリカからの研究*1をご紹介します。
まずこの論文に出てくるキーワード、『超加工品』をまず確認しておきましょう。
炭酸飲料やソーセージ、インスタント麺、ポテチ・・・どれもよく食べます(笑)
とりあえず、みなさんも大好き?なこれらが超加工品の例として挙げられています。
美味しく思わせるために味付けは濃く、塩分・糖分も多いし、保存が利くように添加物も入っています。いかにも体には悪そう。
さて、この研究は、アメリカの医師や看護師合わせて約20万人のビッグデータを用いて、食事の傾向などと病気の関連性について調べたのです。
大腸癌のリスク
『食の欧米化』で日本でも大腸癌が増えているなんて話は耳にタコができるほど聞いたと思います。
今回の超加工食品の研究でも、やはり大腸癌の発生に注目されました。
最大28年間のフォローで、参加者の中で大腸癌の診断を受けた人は、男性が1294名、女性が1922名です。
この数字を見ると、女性の方が1.5倍多く思えますが、違います!
この研究の参加者は女性が男性の3倍いるからです。一般的に男性の方が大腸癌のリスクは高いです。
で、この大腸癌になった人たちの食事の傾向を比較しました。
超加工食品の摂取量を元に、5段階のグループに分けて比較すると、摂取量が一番多い群は一番少ない群と比して、29%大腸癌になりやすかったのです。
さらに、大腸癌の中でも肛門に近い直腸癌になりやすいこともわかりました。
重要なことを言います!これは男性のお話です!
女性の場合は?
では、女性の場合はどうでしょうか?ま、男性の方が大腸癌に少しなりやすいのは事実ですが、食事内容の影響を考えると、やはり超加工食品摂取量が多いとリスクは上がるのでしょうか。
ところがどっこい、女性に関しては、超加工食品の摂取量と大腸癌の発生には何ら関連性が見られなかったのです。うらやましい。
特にどんなもの?
では、もう少し詳しく、超加工食品でもどういったものが大腸癌と関連するのか見てみましょう。
男性では、肉や魚介類を使った調理済食品や甘い飲み物の摂取量が増えると大腸癌のリスクが上がることがわかりました。
調理済食品ってのは、スーパーとかで買えるチンしたらすぐ食べれるものですが、日持ちするように保存料などの添加物を加えているのがよろしくないようですね。
超加工食品全体については、女性では、摂取量が増えても大腸癌のリスクは増加しませんでした。
しかし、細かく見ると、女性でも調理済食品や加熱して食べる”弁当”的なものの摂取量が増えると大腸癌のリスクが上がることがわかりました。
一方で、ヨーグルトなどの乳製品のデザートをたくさん食べると大腸癌のリスクが低くなることもわかりました。
まとめ
超加工食品というのは、脂質多めで、味付けも濃く、塩分・糖分多めで、さらには保存料が含まれています。これらすべての合わせ技で、大腸癌のリスクを高めるようです。
実はその他にも、認知症との関連を指摘する研究*2や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患との関連を指摘する研究*3、さらには過剰摂取で死亡リスクを高めるという研究*4も報告されています。
しかしながら、癌や糖尿病などの生活習慣病は長い期間で起こるものです。いますぐにどうこうというわけではないので、長い目で見て、摂取量を減らしていくのが大事です。
自分にも言い聞かせます(笑)
では、また(^.^)ノ