和歌山の夏祭りでカレーの中にヒ素が入れられており、4人が死亡した事件から25年が過ぎました。
在校生が死亡した和歌山市立有功小学校では、25年たった今もでもカレーを給食に出せないと報道*1されていました。
今回は、25年前の事件を振り返り、カレーの呪いを学びましょう。
悲劇の夏祭り
1998年7月25日、和歌山市園部地区で行われた夏祭りでカレーライスがふるまわれていました。それを食べた67人が急性ヒ素中毒になり、4人が死亡しました。
死亡したのは自治会長、副会長、小学生、高校生です。
最初は食中毒が疑われていましたが、残ったカレーと遺体からヒ素が検出されたため毒物混入事件とわかりました。
こうして、現場では地元民内でも犯人捜しが始まり、ある一人の女性に疑惑の目が向きました。
みなさんご存じ林 眞須美です。後に逮捕され、死刑が確定しました。
逮捕されたのは事件から3カ月過ぎた10月、林 眞須美とその夫の林健治でした。
しかし、この逮捕容疑はカレーとは関係のないものでした。
無職なのに金持ち
林 眞須美は元保険の外交員、健治は元シロアリ駆除業者でした。
しかし、その後二人とも無職となっていますが、林家は非常に豊かな生活をしていた*2のです。
札束を積み木にして遊ぶこともあったとな。
実は、そのお金は保険金だったのです。さすが、元保険外交官。どうすれば保険金が手に入るかをよく知っていたようです。
シロアリの駆除にヒ素を使うので、林健治はヒ素がどのくらいなら問題ないかも把握しており、その知識と林 眞須美の保険の知識で詐欺を繰り返していたのです。
その後も、知人の殺人未遂も加わり、これらの件で逮捕されました。
その後、調べると別の知人男性にもヒ素入りのうどんを食べさせて殺害しようとしたこともわかり、林 眞須美は再逮捕されています。
ついに冬になった
しかし、一向にカレー毒物混入の犯人は逮捕されないまま12月を迎えました。
12月9日、ついに警察は林 眞須美をカレーヒ素混入した殺人及び殺人未遂の疑いで逮捕しました。
検察が林眞須美が犯人だと断定した理由は上のようになります。
後半2つがさすがにちょっと弱すぎます。。。
決定的な証拠をつかめずに時間が経ち、世間の関心も高いことから警察や検察もゴリ押しで犯人断定にした感じでしょうか。
直接的証拠なし
その後、死刑が確定しますが、『直接的証拠』は見つかっていないのです。動機も自白もないです。
時間とともに様々な疑問点が上がってきました。
例えば、林眞須美がカレーの鍋を開けていたという目撃証言では『白いシャツ』を着た小太りの女性でしたが、眞須美は同日、上下黒の服でした。
どうやらこの目撃証言は、容貌のよく似た林眞須美の次女のことだったようです。
さらに、林の家で見つかったヒ素と、カレーに混入されたヒ素については、鑑定側の勘違い?があって詳しい成分の一致までは調べておらず、単に『同じ業者』を通して入手したという事実を確認できただけでした。お粗末。
後に、再調査が行われ、なんと成分的にはこれらのヒ素は別物だとわかったのです。
これらから支援者らは、林眞須美は無実で冤罪であると主張しています。
真犯人は?
実は以前から他に真犯人がいるのでは?という説はありました。
近所の小学生がイタズラで混入させた説なども有名です。事件後、家族とともに引っ越していったそうな・・・もちろん真偽は不明です。
もう一つは、林眞須美の次女が真犯人だという説もあります。
目撃証言での白シャツがその次女だと言われています。しかし、証言で言われているカレー鍋はヒ素が混入されていない方の鍋だったので、これもちょっと弱いですね。
自治会長と副会長が亡くなっていることからもその人たちを恨むものによる犯行説もありますが、結局よくわかりません。
もしかしたら、林眞須美は冤罪の可能性がありますが、しかし重要なことを確認しておきましょう。
カレー事件の直前1年の間に4件もヒ素を混入させて、いわば殺人未遂を行い保険金詐欺をしています。これは決して許されることではありません。
長女の自殺
コロナ禍に入って2021年6月、関西空港連絡橋から飛び降り自殺をした親子が見つかりました。
その母親は、林眞須美の長女 R (37)で、一緒にその次女(4)も引き連れての自殺でした。
さらに、同日、Rの長女(16)も遺体で見つかっています。
調べていくと、眞須美の長女Rは、日常的にその長女に虐待*3をしており、電気コードで首を絞める、頭を踏みつけるなどの行為が確認されています。
後に、Rの再婚相手も逮捕されました。Rの連れ子を一緒に虐待していたのです。
眞須美の長女Rをここまで追い詰めたのはカレー事件の影響は大きいでしょう。
事件後、児童養護施設に通い、高校を中退後、20歳で結婚しています。
さいごに
いかがでしたか?
25年経った今も、不幸の連鎖が続くこの事件。
林眞須美のカレー毒物混入の直接的証拠は見つかっていませんし、もう今さら見つかることはないでしょう。
しかし、彼女は過去に殺人未遂を繰り返し、保険金詐欺をしていたことは紛れもない事実でそちらは許されることではありません。
この事件の一番の被害者は、ヒ素入りカレーを食べた人たち、そして虐待死したRの長女と、何もわからないまま心中させられたRの次女だと思います。
家庭環境は重要です。
では、また(^^♪