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若年性大腸癌が急増( ゚Д゚)

先日、アメリカで若年性の大腸癌が急増しているというのが様々なメディアでニュース*1となっていました。

それでは、詳しく見ていきましょう。

腹痛と血便

まず、記事は一人の女性の経験を書いていました。

2020年8月、35歳だった女性は、頻回に出てくる腹痛でトイレに駆け込むことが増えていました。またたまに便に血がついていたのです。

腹痛と血便

症状がひどいとき、病院に受診したところ、かかりつけ医は「多分胃潰瘍だろう」と言いました。

通常、血便があれば『大腸癌』の有無を考えますが、35歳という若年のため可能性は低かったので医師はこう言ったのです。

食事内容の見直し

彼女自身もそれほど大きく捉えておらず、食べ物が悪いと考えました。そこで、肉を減らし、野菜や果物をたくさん摂るようにしました。体重はみるみる落ちていきました。

消化器科へ紹介

受診時の検査結果がそろうと、彼女のかかりつけ医は『消化器科へ受診して』と言いました。血液中の鉄の数値が異常に低かったのだと言います。

消化器科で検査を受け、その後の医師の言葉に落胆しました。

「残念ながら癌です」

診断はstage Ⅲ直腸癌でした。若く健康で、娘のいる彼女は頭が真っ白になりました。彼女の体重が減ったのは食事のおかげではなく、癌によるものでした。

実は、1990年代以降、アメリカでは55才未満のいわゆる”若年性大腸癌”が急増しているのです。

しかし、ハッキリとした原因はわかっていないのです。

辛かった抗がん剤

彼女の闘病生活は、肉体的・精神的にキツいものでした。

辛かった抗がん剤

副作用は強く、体が弱っていくのを感じ何度も泣きました。しかし、4歳の娘を思うと、「強くならなきゃ」その一心で耐えきり、いまは寛解し、再発なく経過しています。

家族の献身的なサポートを受けて、ここまで来た彼女は若い人たちにこう呼びかけています。

異常を感じたら病院へ

まずは若くても癌になるという事実をしっかり知ること、そして、明らかに普段とは違って体調がおかしかったり、血便、体重減少など異常があれば受診すること。

若者で急増

先日、アメリカがん学会が出した報告*2によると、大腸がん患者のうち55才未満の割合は1995年で11%でしたが、2019年では20%に増えています。

若者で急増している

若い世代の割合が増えており、特に30代~40代が顕著だというのです。

大腸がんの原因として既に知られていることは、大腸がんの家族歴や特定の遺伝子の変異、アルコール多飲、喫煙、肥満などです。

若年性大腸がんの原因?

若年性大腸がんのリスクを上げるとされるものも同様に、太りすぎだったり、赤身の肉加工肉の摂りすぎが言われています。

牛肉・豚肉などの食べすぎが癌に関係することはほぼ確実視されています。

加工食品は大腸癌リスク

www.multilingual-doctor.com

 

太っていない

しかし、近年アメリカで若年性大腸がんと診断された人たちの多くは、いたって健康で、太っていない人が多かったのです。

若年性大腸がん患者は太っていない

肥満が大腸癌リスクを上げるのは間違いないが、なぜか急増する若年性大腸がんでは太っていない人が多い。

しかし、ある事実もわかりました。

肥満児の増加と相関か?

過去30年で、肥満児の割合は2倍に増えており、20歳未満の20%が肥満です。

子供の時にかなりのデブだった場合は、細胞内のDNAの損傷が起こりやすいのだそうです。

もちろん、これも若年性大腸がん増加の一説にすぎません。

遺伝子は関与なし?

若くして癌になる場合、例えば乳がんなどでは、BRCAという遺伝子の変異の関係も知られています。若年性大腸癌でも特定の遺伝子の変異などついては調べられていますが、いまのところめぼしいものはないようです。

遺伝子変異は関係ない?

もう一つ考える必要があるのは、医学・科学技術の発展です。

つまり、30年前と比べ、CTが気軽に撮れたり、検査の精度が上がったり、それにより昔よりもうんと発見数が増えているでは?というものです。

検査も家庭でできる便潜血のキットや下部内視鏡で早期発見など、これらがある程度影響を及ぼしていることは十分あり得るのです。

さいごに

いかがでしたか?

アメリカでここ30年で急増している若年性大腸がん。

はっきりした原因はわかっていませんが、複数の因子から起きていると考えられています。赤身の肉加工肉、加工食品の大量摂取、肥満児の増加、医療科学技術の発達による発見数の増加・・・など

実は、日本国内でも赤身の肉の摂取量と大腸がんの関係を調べたものがあります。国立がん研究センターの研究*3によれば、やはり肉や加工肉の摂取量が非常に多いと大腸がんのリスクが上がります

日本人と肉と大腸がん

一方で、毎日肉ばっかり大量に食べない日本人のほとんどは、大腸がん発生への影響はあっても軽微だとも言っています。

こいったこともあり、最初は、欧米人だけで見られる傾向と思われていましたが、日本人を含むアジア人でも同じように若年性大腸癌が増えている*4ことがわかっています。

とりあえず、現状で言えることは、肉を食べすぎず、ベーコンやウインナーやなどの加工肉も摂りすぎないようにしましょう。

できることは、早期発見です。症状があれば検査を受けましょう。

では、また(^^♪