マルチリンガル医師のよもやま話

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米「反ワクのいとこがヤバすぎる」

大統領選で圧勝したトランプ氏は、厚生長官ロバート・ケネディー Jr. 氏を起用することを発表しています。

彼は、有名なジョン・F・ケネディー大統領の甥にあたります。

自身も今回の大統領選に民主党から(のちに無所属で)立候補していましたが、途中で降りて、急遽、敵対する共和党トランプ氏支持を表明しました。

そんな彼が新政権でポストを手に入れることで、アメリカだけでなく、世界が懸念しているのは、彼が非科学的な反ワクチン活動家であることです。

今回はこの辺、学んでいきましょう♪

叔父と父の暗殺

暗殺された叔父の略称JFKにちなんで、RFKジュニアなんて呼ばれ方もするロバート・ケネディーJr.についてまずは基本から知りましょう。

叔父と実父の不可解な暗殺事件

9歳の時に、叔父であるJFKが暗殺されました。その弟のRFKは、司法長官をしており、5年後の大統領選に民主党から出馬すると、黒人差別撤廃を掲げ活動を続ける中、演説会場を去る際に銃撃され帰らぬ人となりました。

これらの暗殺事件には謎が多く、LA警察が、事件現場の重要な証拠写真などを早々に焼却廃棄し捜査を終わらせたりと不可解な点も多数出ており、ハリウッド映画などでありがちな”大きな力”が働いていることを感じさせます。

暗殺犯はいったい何者?

裏で手を引くのは、マフィア白人至上主義者か、CIAか・・・様々な憶測を呼びました。

このようなことが幼少期から身近に起こっていると、”陰謀論”を信じるのも納得がいきます。

陰謀論者

弁護士となった後、長年環境問題に取り組む傍ら、彼の”陰謀論”主張はどんどん大きくなります*1

アメリカで銃乱射事件は以前はほぼなかったが、ここ最近増えているのは、ある抗うつ薬の使用が広まってからであり、そのせいであると主張しています。

ロバート・ケネディー Jr. の陰謀論

他にも2004年の大統領選でブッシュ大統領となったのは、選挙不正があり、本当はケリー氏が勝利していたとも主張しています。

他にも、JFK暗殺はCIAが犯人であると、また、父・RFK暗殺は犯人は催眠にかかっており真犯人が別にいるなどということも語っています。

そして、医療界では彼は反ワクチンで富を築いた人物としてよく知られています。

反ワクチンビジネスの成り立ち

ワクチンが子供の自閉症の原因だと、科学的に否定されていることを高らかに主張し、当然、今回のコロナ禍でもコロナワクチンは『殺人兵器』だと言っています。

反ワクチンはまじで儲かる♪

何度も言っていますが、世界中の反ワクチン情報の大部分は12人が流しており*2、それを信者らが一生懸命流布しています。

その12人のうちの一人が、ロバート・ケネディー Jr. です。

コロナワクチン誤情報で3億円以上稼いだ

今回のコロナ禍の反ワクチン活動で40億円以上の収益を得ており、ケネディー氏は3億円以上得ています。控えめに言ってクズです。

反ワクチンの正体

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トランプ大統領

今回のトランプ大統領の人事を見ると、彼に大きく選挙協力した人をポストに置いています。イーロン・マスク氏も巨額の献金をし、”政府効率化省”という非公式の新設機関を束ねることになります。

ケネディー 氏も選挙戦の途中で自らは離脱し、トランプ支持を表明しましたね。

それで、かねてからの彼の反ワクチン活動を”尊重”?してか、厚生局長に起用です。

ケネディー氏は弁護士であり、生物・科学・医学の専門知識なしです。

トランプ大統領も前回の大統領選でバイデン氏に敗れた後、”奪われた選挙”と大々的に発言し、『Deep State(闇の勢力)と戦う』と、まぁ、思想はケネディー氏と似ていますね。

ただ、忘れてはいけないことがあります。

トランプ氏は元々反ワクチンでありませんし、コロナワクチンも少なくとも3回接種*3しています。

トランプ氏は反ワクチンでない

アメリカでコロナワクチン開発を一気に進めたワープスピード作戦を指揮したのは他の誰でもないトランプ大統領です。

コロナワクチン開発を指揮したのはトランプ

ま、その後、大統領選に敗れバイデン政権に代わり、お手柄をすべて持っていかれたこともあり、トランプ支持者らは反ワクチン多いですな。

共和党だけ超過死亡増加

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いとこも危惧

そんな次期政権はどうなることやら。

いずれにしても反ワクチン陰謀論者のケネディー氏が厚生長官になることは世界中で注視されており、ニュースに連日出てきます。

現在の駐豪大使をしている、キャロライン・ケネディー氏NBCのインタビュー記事*4を見てみましょう。

彼のワクチン観は危険

まず、『彼のワクチン観は危険だが、多くのアメリカ人は彼に同調しないと思う』と述べています。

キャロライン氏は、『国民はこれから彼を知っていくことになるだろうが、私は子供のころから彼のことも考え方もよく知っている』と続けます。

ケネディー家はRFK Jr. 以外同じ見解

その上で、『ケネディー家は彼以外は結束しており、公衆衛生についても同じ見解をしている。我が国の医療従事者に対して最大のリスペクトを持っている』

親族がこれほど強く言うとこから見ても、彼は自身の極端な思想で孤立しているのだろうと容易に想像がつきます。

ケネディー家でも疎外されている?

実際、今回の選挙戦では、民主党の候補選びで、ケネディー氏vsバイデン氏となりましたが、ケネディー一族は揃って、バイデン氏支持を表明*5しました。

親戚からも疎ましがられてますな。

さいごに

いかがでしたか?

ロバート・ケネディー Jr. 氏厚生長官起用については様々な懸念が出ています。

非科学的な陰謀論者が権力

ワクチンと自閉症の関連など科学的に認められていない*6*7ことを主張したり、コロナワクチンは殺人兵器、5Gが癌増加の原因、コロナは白人と黒人を殺すための計画などという陰謀論を展開するような人物が国の公衆衛生に携わるのは非常に危険です。

ま、彼の生い立ちを知ると、陰謀論に傾倒してしまうこともわからなくはないです。

それでも、先人たちが築き上げてきたエビデンスを無視するような非科学的な人が、国の医療の重要なポストに就くのはヤバいですな。

「有効性と安全性を確認する」

後にケネディー氏は「ワクチンを取り上げるつもりはない。科学的に効果と安全性を確認する」とも述べています*8

世の中で使われているいずれのワクチンも治験で科学的に有効で安全であると認められたから出回っています

もちろん、免疫を誘導するので、人によってその反応は異なり、一部の人には強く反応が出てしまいます。

これをいかに低くできるかは常時の改善課題ではあります。

Dr. Mehmet Oz

またトランプ氏は、公的医療保険の責任者にメフメト・オズ氏という”代替医療”を推奨する医師を起用することも明言*9しています。

コロナ禍初期に、根拠なく『マラリアの薬がコロナに効く』と言いまわった人です。

非科学的な人物のオールスターチームが世界中から”注目”されています。

ただの”show”であればいいですが・・・

 

ま、バイデン政権での行き過ぎたリベラリズムで、LGBTQのゴリ押しとか、そういうのに辟易とした人達が多いというのが今のアメリカの民意なわけで、その正反対を行くのがトランプ政権と。

なんでこうも極端なんでしょうか

ま、トランプ支持者に反ワクチン多いので、そうせざるを得ない部分もあるかもですな。

では、また(^^♪