"時は金なり"
これは18世紀アメリカの独立に尽力したベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)が自叙伝に残した名言、Time is money. からきた言葉です。現在のアメリカ100ドル札に、彼の肖像画が載っています。
今回は”時間”をテーマに少し考えてみたいと思います。
第1章:日本人と時間
日本人の”感覚”
外国人が日本に来た時に、日本の鉄道が時間通りに来ることに驚いてyoutubeに載せているのは有名な話です。そのくらい日本人は時間厳守な性格だと考えられています。
明治時代、日本の鉄道も遅延は当たり前でした。しかし、1900年ごろにテコ入れが入ったのです。鉄道員たちに懐中時計を持たせ、時間を守ることを徹底させたのです。
さらに、運転マニュアルを作成し、それを徹底しました。
〇〇駅を発車後は時速▽▽kmまで加速し惰行、◇◇の建物を横切るときにブレーキ開始
などというものを作成し、途中駅間での遅延を防ぐ努力をしたのです。これは現在も行われており、運転士は各駅間の運転マニュアルを頭に入れています。
これらの徹底したマニュアルにより日本の鉄道の定時制は保たれており、一般の人たちも”定時”の列車に乗るように行動し、自然と時間厳守が染みついたと考えられています。(一説です)
第2章:個人の"時間"感覚
変化した時間の感覚
僕は時間にかなり厳しい方です。約束には基本的に遅れません。メールや連絡は気づき次第すぐに返事する、いわゆる”マメ”なやつなんです(笑)
こういう人って、返信が遅い人たちの気持ちが理解できないし、イライラすることすらあるんですよね~?(みなさんの共感待ち)
さて、僕の時間の感覚は医師になってから大きく変わりました。
忙しいから? じらし作戦?(笑)いえ、そういう理由ではありません。
経過観察
医者がよく使う言葉で「経過観察」ってのがあります。
たとえば、上の図のような状況。これはよくあるシチュエーションです。
「悪いものかもしれないが、今すぐ判断はできない。いずれにしても今すぐに検査してもおそらく診断つかないし少し待って画像の変化を見よう」と言うわけです。
医師になりたての頃の僕なら、「いや、今の画像で異常なものがあるんだから今すぐに対応しなきゃ!!」と考えていたでしょう。
この考え方間違えてますでしょうか?
待つという戦略
もちろん、先ほどの考え方は間違っていません。しかし、今の僕はそうは考えません。理由は経験とともに少し広い見方をするようになったからですです。
上の図はザックリと経過観察の理由を書いてますが、今回は肺癌がテーマではないので、軽く流しときます。要は、変化しうるものを1時点で判断するなということにつきます。
この考え方は非常に重要だと思います。特に数値などです!採血の検査値や、血圧の値、東京都の新規感染者数・・・w
何度も記事で書いていますが、これらはワンポイントで見たって意味がないです。だから、「今日は多かった」「今日は少なかった」などは判断材料になりません。それだけで「政府の対策がうまくいっていない」とかいうのは、あまりに短絡的です。
変化しうるものは数値の経過や傾向を見ることが重要となります。
時間は偉大です。それに逆らうことはできません。"待つ"というのもれっきとした戦術なのです。
喧嘩をした時や、男女関係がこじれたときも、慌ててすぐに対応してもあまりいいことは望めませんよね?僕も経験的にそれを知っています(笑)
冷却期間をもつことが重要です。
第3章:金持ちの考え方
あなたの時間単価は?
さて、話は変わりますが、お金持ちの人々のマインドって少し僕らと違うようです。僕も去年くらいに聞いた話ですがその一部の話をシェアしてみたいと思います。
時間単価という考え方をご紹介します。
年収600万円のAさんと年収680万円のBさん、自分がなるならばどちらがいいですか?そりゃ当然、Bさんですよね!笑
しかし、これは年収しか見ていないのです。
では、これ(↑)でどうでしょう?Aさんは9時~5時の残業無しです。Bさんは毎日平均2時間は残業があるそうです。
ここで出てくるのが時間単価という概念です。
時間単価を計算しよう
それでは時間単価を計算してみましょう。
時間単価の計算は簡単で、収入を労働に関係する総時間(通勤、残業含)で割るだけです。するとAさんの方が時間単価が300円以上高いことがわかります。Aさんの方が作業効率が高いとも言えます。
金持ちマインドはこの時間単価を重視ます。つまり、Aさんにとっての1時間は2566円の価値があり、Bさんにとっては2247円の価値があるという風に考えます。
まさにTime is Moneyの考えですね。
この考え方では、いかに自分の時間単価を上げるかを重視します。給料は変えれませんので、残業を減らして通勤時間が短ければ時間単価は上がります。
時間単価を上げて、余った時間を有意義に過ごすというのが充実した人生につながると考えているのです。
ちなみに僕の時間単価は2081円でした(笑)
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応用編
では、この時間単価を日常生活で応用することができます。たとえば、タクシーを乗るかどうか悩んだときに使います。駅から1.5kmの距離、歩けば20分、タクシーで5分です。初乗り運賃で行けるので660円としましょう。
Aさん(時間単価 2566円)で考えましょう。タクシーに乗ることであなたの大切な15分をセーブできるとすると、644円分浮くと考えるのです。
さらにタクシーに乗るメリットは体力温存や、余裕もって到着すること等たくさんあると思います。それらの+アルファが16円以上の価値があると判断すれば、660円の運賃のタクシーに乗っても問題はないという考え方です。
自分の中で決めていてもいいですね。大雨なら +1000円分の価値とか。
これは特急料金についても同じことが言えます。30分ゆっくり家を出れて広い席でゆっくりできる価値が特急料金以上であればOKです。
ま、正直こんなんイチイチ考えるのめんどくさいと思うのですが(笑)
応用編2
家賃についてもこの考えを使うことができます。
通勤に1時間かけているBさん(時間単価 2247 円)の例で見てみましょう。
通勤に往復で60分かけているBさん。その価値は 2247円ですね。
毎月平日のみ22日出勤するとすると、2247円×22日で49,434円です。つまり、往復1時間の通勤でBさんは月に5万円弱も消耗しているというわけです。
極論ですが、会社のすぐ近くに住んで通勤時間が0分ならば、毎月5万円分のムダ時間をセーブできるので、例えば家賃が2-3万円upしても会社近くに住むのは価値があると考えられるわけです。
まとめ
いかがでしたか?あくまでこれは「考え方」ですから、絶対に正しいわけではありません。
要点は、無駄な時間を省いて、時間単価をがあげること。そして、その余った時間を有効活用しようという考えですね。新しい習い事をするのもよし、子供と遊ぶもよし…
Time is Money!
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