いまはスポーツはラグビーしか見ませんが、実は中学に入るまでは熱狂的な阪神ファンでした。新庄が大好きで、プロ復帰を目指しているのが本当にうれしいです。
当時、たしか野村監督が言っていた言葉なのですが、
「オリジナルっちゅうもんは自分で一から作るんとちゃうんや。まず人のまねをしてそこから自分のオリジナルになるんや」
これは本当になるほどな~と今も心に残っています。
温故知新
冒頭でご紹介したノムさんの言葉は「温故知新」と同じことだと思っています。
温故知新という言葉は論語に出てくる教えです。
僕たちが歴史を学ぶ理由はこれなんだと思います。過去にはどのようにしてうまくいった、あるいは失敗した。人類はそういった過去から学ぶことで効率よく発展してきたのだと思います。
まだ終わりの見えない新型コロナウイルス感染症も、やはり過去に学んで温故知新することがカギになってくるのではないでしょうか。
シューソク
ところでよく耳にする「収束」と「終息」この2つの違いを明確にしておきましょう。
通常、感染症が終わることは「終息」を使います。つまり、新規発症者がずっと0になれば「コロナ終息」と言えるわけですね。
ところが、収束という言葉も見かけますよね?僕もよく記事で収束という言葉を使っています。これは間違いなのかと言うと間違いではありません。現状を考えると世界的に終息はまだまだ先でしょう 。
今の感染が落ち着き、0ではないけど国内感染者数が例えば連日20人以下でずっと抑えられているなどの状況ならば感染収束としてもよいのでしょう。
いつ終わるの?
いつコロナが終息するのか?
新型コロナウイルスによる新規感染者がずーっと0であれば終息宣言が出されますが、この時期はハッキリ言って誰にも分りません。
大部分の人が免疫を持つ、すなわち集団免疫が得られた後なので、効果のあるワクチンが出てこない限りは誰にも予測できません。
・・・っていうのはその通りなのですが、今回のテーマは温故知新なので、過去から学んでみましょう。2000年以降、コロナウイルス関連の問題と言えばSARS、MERSを思い出しますね。
▼SARSとMERSについてはコチラ▼
SARS
SARSはSevere Acute Respiratory Syndrome(重症急性呼吸器症候群)の略です。長いんでSARSでいいですね。笑
2003年に中国で流行が始まりました。僕は高1だったかな?たしか。この影響で修学旅行がイギリスから国内に変更になったのでよく覚えています。
SARSの特徴を振り返りますと、中国広東省で最初発生しました。原因のウイルスはSARS-CoVと名づけられました。CoVはコロナウイルス(Coronavirus)のことです。
このウイルスもコウモリ由来とされ、飛沫・接触感染で移ることがわかりました。
感染者数は世界で8096人、死亡者は774人で局所的な流行を表すアウトブレイクとされていました。ここが今回のコロナウイルスと違いますね。
一言で言うと感染力はそんなに強くないけど致死率がやや高いウイルスでした。SARSは9ヶ月で終息しました。
感染者数は少なく集団免疫を得ていないが終息しました。これ重要なので覚えておいてくださいね。
MERS
MERSは中東で流行したことから Middle East Respiratory Syndrome(中東呼吸器症候群)と名づけられました。
しかし実際は最初の症例はオランダで見つかりました。たしかサウジアラビア人の患者です。その後、中東で流行しMERSと呼ばれ始めました。
2015年になって韓国でアウトブレイクを起こしたのは記憶に新しいです。このときに韓国は痛い目に合ったので、その教訓が今回に生かされたのでしたね。
▼新型コロナ・韓国の対応はコチラ▼
MERSに関して特筆すべきことは、総感染者が2494人、死亡者858人で致死率は34.4%(2019年11月)ということです。MERSウイルスは感染力は強くないけど致死率がすごく高いウイルスだったんですね。
ちなみに韓国でのアウトブレイクは7ヶ月で終息しました。はい、この時も感染者数は少なく集団免疫を得ていないが終息したのです。
COVID-19
今回の新型コロナウイルス感染症はCOVID-19と名づけられました。原因のウイルスはSARSウイルスに似ていることから SARS-CoV-2と名づけられています。
感染者数がSARSやMERSと比べて段違いに多いですね。感染力がハンパないことがわかります。こちらは世界中で広がるパンデミックに該当しています。
SARSのときと比べて、中国の世界進出が進んだこと、多くの人が飛行機に乗り海外旅行をするようになったことで感染の拡大は進んでいると言えます。
COVID-19の終息
で、COVID-19の終息はいつなの?
SARSの終息は9か月、MERSの終息(韓国内)は7ヶ月でした。では、今回もそのくらいを想定して年内終息と考えていいのでしょうか?
答えはNOです。
SARSもMERSも感染力が弱く、感染者数が少なかった。一方で、今回のCOVID-19は感染力がズバ抜けてますよね。ここがSARSやMERSと大きく違うので同様に考えるのは難しいのです。
SARSとCOVID-19
SARSと今回のコロナウイルスの原因ウイルスがよく似ていると言いました。ところが性格が異なっているようです。
過去記事でも書きましたが、今回のSARS-CoV-2は血管内で血栓を作ったり、川崎病のような症状を呈したり、T細胞(免疫細胞)を無効化するのではないかという報告まであります。
SARSがうまく抑え込めたのにはもう一つ理由があります。
通常、インフルエンザなどでもそうなのですが、咳などの症状が出始めた以降が感染力が一番強い、すなわち人に感染させる可能性がものすごく高いわけです。
SARSは症状が出てから10日目くらいが感染力のピークだったんです。つまり、発熱して咳しててSARSの診断がついて早期に隔離していれば他の人には移さないのです。
しかし、今回の新コロさんは、なんと症状が出る少し前くらい*1が一番感染力が強いことがわかっています。つまり、症状が出て診断がついてから隔離してももう遅いのです。
これが無症状でもウイルスをまき散らしているかもしれないという話です。
集団免疫
今回のコロナウイルスの終息は集団免疫ができたときといいました。ところが先ほどSARSやMERSに関しては集団免疫できずに終息していますよね?
はい、これはSARSもMERSも感染力が激しくなかったので、世界中で起こるパンデミックではなかったのです。また、ほぼ有症状で感染者を見つけやすかったこと、感染力が強くなるのが遅いという理由で隔離により新規感染0となり終息しました。
今回のコロナの場合はその手は使えません。半分近くは無症状とも言われています。そんな人を全員隔離するのは無理ですよね?だから、ワクチンによる集団免疫を得ることが終息点になるのではないかと考えられているわけです。
たとえ日本が落ち着いても海外で流行していれば、また飛行機とともに飛んできますしね。
最後に
いかがでしたか?
今回の新型コロナウイルスは相当手ごわいです。とりあえずはまずこれからの蒸し暑い気候と自粛で一旦 ”収束” することが目標でしょうか。
外の環境は高温・多湿でウイルスには不利でも、クーラーの効いた室内は高温・多湿ではありません。空調していても定期的な喚気をしましょう。そして基本的な手洗いや咳エチケットは引き続き行い、social distancingも意識しつつ少しずつ元通りになっていければいいですね。
ではまた(^^♪
*1:数日前とか