多くの現代人が関心のあるダイエット。
しかし、長年ダイエットに取り組んでいるにもかかわらず、一向に結果がついてこないという人はたくさん聞きますね~笑
今回は、ダイエットしても痩せない人について学んでみましょう。
ダイエット
言語マニアの癖が・・・
すいませんが、ここでも語ります(笑)
dietという言葉の起源はギリシャ語のδίαιτα(生き方、食事、日々の勤め)だとされ*1、その後ラテン語で dieta ⇒ 英語 diet となっています。
で、英語でもdietの意味はそのまま『食事』ですが、そこから"食事療法"という意味になりました。つまり、英語の diet というものは食事による減量です。
日本語のように運動での減量の意味はないです。英語圏では diet and exercise といった表現がよくみられます。
もう一つ、英字新聞などを読む人はご存じかと思いますが、the Diet と表記すると『国会』という意味になります。
これも δίαιτα ⇒ dieta ⇒ diet となっており、『日々の勤め』の意味で、みんなで集まって色々決める議会という意味になりました。
面白いのが、日本の国会は the Diet としますが、アメリカとイギリスの国会は呼び方が違うのでこれも注意ですね。
ダイエットしても・・・
さて、今回はカナダからの論文*2をもとに解説していきます。
めちゃくちゃ当たり前のことですが、減量の基本は摂取カロリーの制限です。ダイエットしてる”つもり”の人はここができていないことが多いといいます。
しかしながら、摂取カロリーの制限を厳密にしている人においても、なかなか痩せなかったり、個人差があることも現実的にあります。
人間の体というのは、『飢え』に耐えれるようにできており*3、ずっとカロリー制限をしていると、痩せにくくなります。
摂取カロリーともう一つ重要なのが、消費カロリーですね。一番エネルギーを使うのは私たちの筋肉です。そこで、今回の研究では、骨格筋に注目し、これが『痩せにくい体』に影響しているのではないか?と調べたものです。
痩せにくい人
オタワ病院の食事療法プログラムに参加した5000人以上の女性のデータを使いました。
1日900kcalまでという鬼の食事制限を6週間行い、一番体重がよく落ちた10人と、落ちが一番悪い10人を抽出しました。
合わせて20人が”延長戦”プログラムへ突入します。
週3日の運動療法です。有酸素運動(30分の歩行)+無酸素運動(筋トレ)を行いながら、食事に関しては特に制限なくいつも通り食べてもらいました。
すると、面白い事実がわかりました。
なんと、食事療法であまり体重減少しなかった”抵抗群”では、この延長戦の運動療法で体脂肪の減少、筋肉量増加に伴う代謝の上昇が認められました。
一方で、食事療法ですっと痩せた人の群では、運動療法後のこの変化は見られなかったのです。
これは驚きですね。
体重は落ちたのか
さて、ダイエットの指標といえば、『体重』ですよね。
さきほどの延長戦で、体重はどうなったのでしょうか。
実は、両群ともに体重減少は見られなかったのです。
しかし、食事療法抵抗群では先ほども書きましたが、体脂肪が減り、腹囲が減っていました。
筋肉はギュッと詰まっており、脂肪はブヨブヨとなってますね?そうです、同じ体積では筋肉は脂肪より1.2倍重いです。
逆に言うと、重さが同じならば、筋肉の方が17%程体積が小さくなるわけです。
運動により、筋肉が増えて脂肪が減ったことで、体重は変わってなくても体積が減ったので引き締まったということです。
わかったこと
この研究からわかったことについて、筆者は次のようにまとめています。
食事療法でスッと痩せられる女性は、中心性肥満、つまり内臓脂肪が多い人で、ほっとけばメタボまっしぐらの人たちでした。
一方で、食事療法で効果の薄かった人は、運動療法を行うことで、効果を得られやすいことがわかりました。
つまり、「カロリー制限してるのに痩せない」という女性は、運動療法を試すべきだということです。
一般的には体重を落とすには食事制限と運動療法の組み合わせでやります。その中でも、自身がどちらで痩せやすいタイプかを知って、食事・運動療法の比重を変えることが望ましいということでした。
さいごに
いかがでしたか?
ま、結局楽して痩せるなんてことは無理なのは当たり前ですと。ただ、人によって食事療法だけでは痩せにくい体質(特にメタボ体系)があり、そういった人は運動療法をメインにした方が痩せやすいんじゃない?っていう研究でした。
今回の研究は『女性』のみを対象としていますので男性については当てはまるかはわかりませんが、ま、参考にはなりますね。
では、また(^^♪
*1:https://www.merriam-webster.com/dictionary/diet
*2:https://www.thelancet.com/journals/ebiom/article/PIIS2352-3964(22)00373-5/fulltext
*3:Leibel, Rudolph L., Michael Rosenbaum, and Jules Hirsch. "Changes in energy expenditure resulting from altered body weight." New England Journal of Medicine 332.10 (1995): 621-628.