マルチリンガル医師のよもやま話

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【サク読み】ネット工作員”五毛党”とは

処理水の海洋放出以降、中国からの迷惑電話が福島の飲食店や官公庁にたくさん来ています。”個人のイタズラ”とも見れますが、このニュースを見たときにすぐに頭に浮かんだのは”五毛党”でした。

今回はこの五毛党について少し学んでみましょう。

処理水の海洋放出を1から

www.multilingual-doctor.com

五毛党

まずはこれについて知る必要があります。

正式名称は網絡評論員、訳すとネットコメンテーターです。

基本的に中国共産党地方支部の指示に従いコメントをしまくり、世論を誘導する集団です*1

網絡評論員

全然秘密の部隊ではなく、存在は公式で認められています。

五毛党の名前ですが、基本給が与えられた上で、あとはコメント数により出来高制です。1回のコメントで0.5元(=5毛)追加されていくことから五毛党との愛称が出来ました。

現在 1元は約20円なので、1回のコメントで10円ということになります。

1000万人以上

韓国の中央日報の過去記事*2でこの五毛党について幾度となく扱っています。

2015年と少し古いデータでは、五毛党は1000万人を超えていることもわかっています。

1000万人以上の高学歴者主体

大学生などの高学歴者が主体となって雇われており、当時のネット使用者が6億5000万人いることを考慮すると、64人に1人が五毛党なのです。

しかし、64人みんなが書き込みするわけではありませんね。ほとんどの人は見るだけで、一部の人が大量に書き込みます。五毛党です。

世論形成、世論変更へ誘導

こうして、大量のコメントや画像を投稿し、世論を形成したり、世論の流れを変えたりするのが彼らの役割です。

ノイジーマイノリティーですね。数は少ないけど騒がしくして、あたかもこれが『民意』だというやつら。日本にもいますが。

今は高給?

五毛党の語源は1コメントに5毛、約10円もらえるからでしたね。

2006年に安徽(あんき)省で始まったといわれており、基本給が600元(1万2000円)で、1コメントするごとに5毛(10円)追加されるというものです。

基本給は600元

 

600元というと、中国の平均月収の1/10以下です。

こんなんじゃ生活できませんので、アルバイト感覚での仕事となります。

しかし、数年でも世の中は大きく変わります。特に中国の成長は目覚ましいものがあります。

そんな中、対外政策としてコメント部隊は非常に有効と考えられてきたようで、待遇も良くなっているようです。

2020年に内部文書が漏洩し、New York Timesが報じた*3内容によれば、プロパガンダを長文で書き込めば1件で160元(3200円)ももらえるというのです。

長文書き込みで高給取りも

となれば、1日に20件書き込めば、6万円・・・

中国政府が、自国の若者の失業率上昇、経済停滞の悪いニュースの中、日本の処理水問題を強く抗議することで国民の目をそらしたい

それに協力するとお金が入ってくる・・・ふむふむ。

ヤフコメ民

今の時代は、ロシアやウクライナのようなドンパチ戦争ではなく、内部から侵略する情報戦が見えないところで進む戦争です。

世論を変えるというのはそれだけ重要であり、五毛党の給与体系が大きく変わったのも納得です。

我が国にもネットコメントといえば、ヤフコメがありますね。

ヤフコメ民の正体

ヤフコメの特徴としてわかっているのは、反マスコミ、右翼思想、反東アジア(中韓)*4、いわゆる”ネトウヨ”です。

最近だと、反ワクチン・反マスクも同じです。

ヤフコメ民の8割は男性で、2015年時点で40代の男性が圧倒的多数*5ということがわかっています。

つまり、現在50代のおじさんらが主体となって、活動しています。完全に”こじらして”ますね。

ノイジーマイノリティーであたかも自分らの主張が”民意”だという勘違いです。

さいごに

いかがでしたか?

ヤフコメ民が五毛党のようなお金をもらってるかは知りませんが、今の時代を生きるには、『世論形成』というのは意識しておかなければいけません。

ネットショッピングの口コミだって同じです。レビューを書いてプレゼントをもらったり、割引を受けたりしているわけです。

そういう人たちが書いた口コミも”世論形成”ですね。

 

考えれば怖い時代です、はいー

 

では、また(^^♪