アメリカではNYなどでコロナウイルス感染者数が爆発的に増えています。また、死亡者も増えています。
一方で同じアメリカでもサンフランシスコではそれほど広がっていません。
例えばニューヨークの死者数は2300人以上、サンフランシスコは200人程度と10倍もの差があります。
気候の差
よく言われる気候の差です。これについてはどうでしょうか。
これが4月3日12時(日本時間)でのニューヨークとサンフランシスコの気温、湿度を示したものです。無駄に華氏でも表記しています。(笑)
▼華氏についてはコチラ▼
さて、気温に関しては3度違います・・・
ここ最近のトレンドを見ても両都市ともにそんなに大きな変化はなさそうです。
湿度もサンフランシスコのが少し高いです。一般に感染予防によい湿度は50-60%とされています。(50%以上でウイルスの活動が下がりますが、60%を超えるとカビが発生しやすくなるので注意してください。)
▼新型コロナウイルスの特徴はコチラ▼
人口密度と通勤
これはめちゃくちゃ大きいです。ニューヨークは地下鉄が発達しており通勤の足となっています。
サンフランシスコは鉄道はあるにはありますが、基本的な市民の通勤は車です。
あとは人口密度の差も大きいです。サンフランシスコ市の人口は86万人で人口密度は7000人/km2、ニューヨーク市の人口は800万人以上で、人口密度は1万人/km2以上と言われています。
因みに東京は東京“都”でみて人口が1350万人以上、人口密度は6300人/km2くらいです。
ここからも、ニューヨークの人口密度の高さと、地下鉄(または電車)通勤である密室での濃厚接触がファクターとしてありますね。東京も同じく。
ちなみに個人的には特急や快速といった停車駅が少ない列車はドアの開閉が少ないので、各駅停車より換気は悪いと思ってます。
窓を開けれるなら開けるとよいです!
あと地下鉄は開閉は多いけど、地下鉄自体が地下という閉鎖空間なので、換気は少し悪いと思います。(これに関してはご存じの方いれば教えてください)
★『新幹線や飛行機は密室だから危険』はウソです。新幹線は常時自動換気で6-8分で車内の空気入れ替わります。飛行機も15分くらいで換気できています。
つまり、どちらかというと客同士の距離が問題です。特に飛行機(国際線)では長時間のフライトですので、みんな前を向いて向かい合わないとはいえ、隣の席、前後の席の人と2m(飛沫感染)確保は難しいです。そういう意味ではやはり今はなるべく避けるのがよさそうです。
貧困の問題
今回ニューヨーク州が公開した地図の元サイトは上にあります。よければ覗いてみてください。ニューヨークの貧困率が高いことはよく問題に取り上げられていますが、正直あまりどの地域がとか言うのは知りませんでした。
どうやらマップで赤い地域(感染者数が多い)は低所得者が多い地域が含まれるそうです。稼ぐために今の時期でも地下鉄に乗って仕事に行くしかありません。
また、貧困患者は病院受診も難しいことも挙げられています。日本のような国民皆保険ではないので。
高所得層は早い段階からテレワークに切り替えて、引きこもっているそうです。そういった人たちが住むマンハッタン付近はこのマップで色も薄くなっているのがわかると思います。
肥満はリスク
いま、感染した患者から出たデータで高血圧、糖尿病、慢性腎疾患などの病気がある人は重症化しやすいことが分かっています。これはアメリカのCDCも同様の報告を公開しています。
▼COVID-19についてはコチラ▼
WHOの発表によると肥満患者ではコロナウイルスの感染が多いそうです。
↑この記事ではイギリスでの報告を書いてますが、簡単に言うとこうです。
肥満の患者は往々にして心血管系疾患(心筋梗塞、脳梗塞など)のリスクが高く、高血圧になることで腎不全にもなりやすいと。こういった肥満関連の基礎疾患のある人はウイルス性の呼吸器疾患になりやすく、また重症化しやすいという内容でした。
SFの早期の決断
肥満大国として知られるアメリカでは肥満が多いです。さらに面白い報告が貧困者に肥満が多いということです。
これは収入が低い人は炭水化物に片寄った生活が多く、肉野菜の摂取が少ないという研究があります。たしかにコンビニのパンとかばっかなら安上がりですからね。
「肥満」「貧困」は新型コロナウイルス肺炎リスクが高いようです。
しかし、ではなぜサンフランシスコではそれほど増えていないのか・・・
人口密度がマシなこと、鉄道依存が強くないこと、さらに貧困率がNYほどひどくないこと。そしてなによりも対応が早かったことでしょうか。
3月の中旬からサンフランシスコのあるカリフォルニア州ではベイエリアを中心に罰則付きの外出禁止令をだしました。ニューヨークも4-5日遅れて外出禁止にしましたが、差は歴然としました。
いま、言われているのは、サンフランシスコの早い段階からの外出禁止が功を奏しているのかもしれないということです。
経済の心配もあるのは重々承知ですが、国が法で決めてあげないと社会は動けません。ちなみに日本の現行法では『禁止令』などのような『命令』ができず、都道府県からの『要請』どまりです。(新型インフルエンザなど緊急事態宣言)
日本で感染者が世界的に少ない理由で最近BCG注射をしているから自然免疫が強いのでは?という説があります。たしかにアメリカやイタリアではBCG義務ではありませんので受けていない人がほとんど。日本のようにBCGを受けている韓国でも爆発的な増加は避けています。これに関しては今後さらに情報が増えるでしょう。
▼BCGについてはコチラ▼