世界での感染者数は増え続ける一方、一向に収まりを見せない新コロさん。そして、降り続く豪雨と氾濫の危機。本当になんという年でしょうか。
さて、今日もニュースと英語を織り交ぜながら学んでいきましょう。今日のテーマは「理解が得られない」です。
福島第一原発の処理水
まず、単語の整理をしましょう。
rally というのは "集結する" という意味で、ニュースでは『デモ』のことを表します。名詞としても使われます。
デモを表す単語もまとめて確認しておきましょう。
福島第一原発の記事では crippled という形容詞が常連です。cripple というのは disable と同じ意味です。なので、crippled といのも disabled と同じなので、(身体の)不自由な、とか、障害のある、という意味になります。
原発に使っているときは事故により”使えなくなった”という意味です。
最後に、水色下線部に注目です。dispose という動詞は自動詞なので、単体では受動態は作れません。しかし、 dispose of ~(~を処理する)であたかも他動詞のようにふるまいます。
こういった 自動詞+前置詞(or 副詞)を句動詞といいます。句動詞は他動詞と同じように受動態を作ることができます。
記事の解説
冷却水について
では、本文について説明します。
福島第一原発の事故のわかりやすい説明は以前記事にしていますので参考にしてください。
事故の後、核燃料がメルトダウンし漏れ出しました。これらは放射能を出し続けるとともに自らものすごい熱を出して、核物質を溶かし出してしまうのです。
そのため、落ち着くまでずーーーーーっと冷やし続ける必要があります。これがニュースで出てくる『冷却水』ですね。
元々の原発の構造(下図)では核燃料と冷却水(海水)は直接触れ合いませんので、冷却水に放射能物質は混じりません。
しかし、事故後の原発の冷却水は核燃料と直接触れているので、中に放射性物質が溶け込んでいるため、海に直接流すことはできません。
トリチウムについて
使用された放射性物質混じりの冷却水は現在、原発内のタンクに貯めておりますが、いずれスペースも限界になるわけです。いつまでも処理水を置いておく余裕はありません。
廃水に含まれる放射性物質はセシウム137やストロンチウム90やヨウ素131などがありましたが、事故から何年も経ちこれらの放射性物質は基準値以下までに除去されています。
今残っている放射性物質の代表がトリチウムです。聞き覚えあるのではないでしょうか。これは、実は水素の同位体です。トリ=tri は「3」ですね?三重水素と訳されます。
三重水素は陽子が1つと中性子が2つあることを表します。トリチウムは非常に不安定で、なんとか安定した分子に変わるために放射線を出すわけです。
トリチウムから出る放射線はβ線で空気中を5mmしか進まないので、紙1枚で遮れるレベルだと言われています。また、自然界にも存在しており、雨水にも含まれています。
人工的にトリチウムができるのが、原発からの発生です。基本的に濃度がかなり薄ければリスクは低い放射能物質とされています。そのため国内外でも基準以下の濃度に薄めて、海洋放出または空気中放出する方策がとられています。
何に反対している?
トリチウムがそれほどリスクの高い放射性物質ではないことと、世界でも基準値以下に希釈して海洋放出していることを知りました。
この通りにやれば問題はないはずですが、なぜ市民団体は抗議したのでしょうか?
記事にありますね、
もし、汚染水が適切に処理されなければ、福島に対する風評被害が広がるからと
たしかにこれは一理あります。どれだけちゃんとした検査値を出して、「安全です」と言っても日本の水産物は輸入禁止とする国も複数あります。(お隣さんとか。)
科学的事実と人間の直感というのは決して相交わることはないのでしょう。これは新コロの現状でも言えることですが・・
経済か安全か
poll という言葉はニュースではしょっちゅう出てきます。投票を表す単語はvote が一般的ですが、pollも同じような意味で使います。特に、”世論調査” や "アンケート"という意味ではpollが使われます。
それでは記事の中身を見ていきましょう。
NHKが行ったアンケートでは、70%近くの人が経済よりもコロナ対策を優先してほしいと答えたと言っています。
ここで nearly という言葉のニュアンス。nearly は「もう少しで~だ」というイメージを覚えておきましょう。なので、70%よりは小さいのです。68%とかね。
He was nearly run over by a car. は、結局車に轢かれてないですよね?この感覚を覚えておいてください。
approximately を使っていたら「おおよそ」なので68%も71%も可能性はあります。
GO TO キャンペーン
さて、この記事が何を意図しているか。ま、このタイミングなので、GO TO キャンペーンでしょう。
7月22日以降、適応されるこのキャンペーンは、要は冷え込んだ観光業に活気を与えるための政策です。国内旅行の宿泊費など旅行費を最大50%相当額を国の補助金で賄ってくれるというものです。
私たちからすると、半額で国内旅行に行けるというメリットがあるわけです。こんなお得なキャンペーンは行かなきゃ損なのです。しかも、どうせなら少し高いところに泊まればなおお得ですね!
しかし、現在東京都を中心に感染拡大が広がっており、「感染可能性のある人達」が国中に広がるのではないかという懸念が国民に広がっているということですね。
国としては冷え込んだ経済を何とかしたい、観光業も大幅な利益損失を出しているためぜひ観光客に来てほしいわけです。しかし、多くの国民の理解を得られていないということですね。
旅行に行っても大丈夫?
これは専門家でも意見が分かれると思います。
ただし、今は経済、ビジネスもほぼ以前に近い状態で行っているわけです。コロナの感染対策を本気で徹底するならこれらもすべて止めないといけません。
しかし、日本の政策はそうはしないと決めたのです。ロックダウンに近いこともしませんでした。そういう意味では、このキャンペーンもブレてはないですね。
受け入れ施設側もしっかりと感染対策を行い、旅行者の方も知恵を絞って対策をすればそれほど心配する必要はないと思います。
電車でなく、車で家族旅行で旅館でゆっくり。ちょっと街中を散策したりと・・・
これだけでコロナ感染のリスクが高いとはとても思えません。人ごみを避けることは個人の努力でも十分可能です。
あまり、肩に力を入れ過ぎずに、できる範囲で日常生活を送るのが良いと思います。
では、また(^^♪