もうすぐ、サッカーワールドカップですね~
個人的には来年のラグビーワールドカップに焦点が行っているのですが、それはさておき・・・
今回はイギリスで『ヘディング禁止令』が出たニュース*1を学んでいきましょう。
12歳未満のヘディング禁止
これは数か月前に出てきた話ですが、フットボールの母国イングランドで、12歳未満の意図的なヘディング禁止令が出ました。偶発的に頭に当たったのはしょーがないねってことでしょう。
これはまずは試験的導入ということで、その後、本格導入を検討するとのことです。
これに先駆けて2年前の2020年から動きはありました。
11歳以下のサッカー少年にヘディングの練習をしないようにというガイダンスができました。
さらに2021年には、プロを含む大人でも、練習中のガッツリヘディングは週に10回までにするように推奨されました。
ヘディングで神経変性
このような方針となったのには理由があります。
実は繰り返すヘディングにより、脳神経がダメージを受けるのではないかと言われています。
ヘディングをたくさんしたサッカー選手は後に、認知症などの神経変性疾患となり死ぬ可能性が3.5倍高くなるという研究*2があります。
実はこの研究を主導した人の父親は英国の有名なサッカー選手でした。ヘディングシュートで得点を量産していた、彼の父は2002年59歳で亡くなりました。死因は『職業病』とされました。
ジェフ・アストル
その選手の名前はジェフ・アストル(Jeffe Astle)。
彼の妻への取材h*3などから詳細がわかってきます。
引退後、彼は摂食障害に陥りました。その後、徐々に認知症が進み、子供のこともわからなくなりました。病院で検査をすると、前頭葉に損傷があることがわかりました。
当時、サッカーボールは天然皮革で覆ったものでした。雨の日は水を吸収して非常に重くなるというのも有名な話でそのようなボールをヘディングするのはダメージも大きかったのでしょう。
現在は、人工皮革になり、雨で重くなることはありません。
いずれにしても、彼の脳の損傷は重いサッカーボールのヘディングによるものと認められたのです。
ヘディングによる死者
その後もヘディングが原因とされる死者がサッカー界で続きました*4。
サッカーの母国・イギリス内で少なくとも12人の元サッカー選手がヘディングが原因とされる認知症を患い、その後死亡したと報告されました。
病理解剖で、ヘディングによる頭部強打したと思われる形跡が見つかっています。
日本でも
昔みたいに水を吸って重くならないとはいえ、強いヘディングが脳へダメージがあることは間違いありません。
日本サッカー協会は2021年に指針を出しており、小中学生へのヘディング練習を制限*5するようにしており、一律の禁止はしません。
例えば、小学2年生以下は風船などを使い、3~4年生は通常より軽いボールで練習すると。しっかりと安全なヘディングの練習を積んでから5年生以上で実際のボールでのヘディングの練習をするとしております。
その中でも、練習には回数制限を設けるように推奨しています。
時代とともに、サッカーも変わっていくでしょう。
では、また(^.^)ノ
*1:https://www.theguardian.com/football/2022/jul/18/fa-to-trial-banning-deliberate-heading-by-children-under-12-in-england
*2:https://www.homecare.co.uk/news/article.cfm/id/1616630/ex-footballers-three-and-half-times-die-dementia
*3:ttps://www.theguardian.com/uk/2002/nov/12/football.stevenmorris
*4:https://www.nikkansports.com/soccer/world/news/1779599.html