マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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彼方を祝えば此方の怨み

彼方を祝えば此方の怨みとは片方を優先すればもう片方がうまくいかないというような意味です。感染対策と経済対策ですかね。

大阪府の吉村知事府独自の基準を作って段階的に経済再開する方針を出しました。彼のリーダーシップはすごいですね。

国としても特定警戒都道府県に指定されている13の都道府県以外は外出自粛要請などを段階的に緩和していく方向で調整しています。

今回もニュースと英語学習の2本立てで行きます

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ニュース

そろそろ経済も

緊急事態宣言の終了が5月6日からさらに延長されることが決まり、自粛疲れと経済への影響が危惧されています。まさに彼方を祝えば此方の怨み

前回の記事でも触れましたが、Rt Covid-19 Japanによると国内の実効再生産数(Rt)は全国的に見ても4月後半から1を下回っています

この実効再生産数がずーーっと1を切っていれば感染は収束方向と考えられるわけです。東京、神奈川、大阪、兵庫などの特定警戒都道府県も2週間ほど1を切っています。そろそろ経済活動にも目を向け、段階的な緩和を考えてもいい頃かもしれません。

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東洋経済オンラインより

前回も紹介(上図)しましたが、黄色い線は移動平均線といって、曜日間の検査数のバラツキを相殺できるように7日間の平均値をとってグラフ化したものです。

ピークは越えて下がってきているのが一目でわかる素晴らしいグラフですね。

 

台湾、韓国では再開へ

今回の新型コロナ感染の防疫に関して際立った台湾韓国はそれぞれ経済活動の再開に向かっています。

台湾はSARSでの経験を活かし、早急に対策本部を作り、また海外からの入国を禁じました。こういったときのスピード感の重要性がよくわかる事例です。死亡者数1桁という徹底した感染対策はかなり優れています。

韓国も新興宗教の集団感染から感染者数が急増しましたが、兵役代わりの公衆衛生医の活躍とドライブスルー式検査など、こちらもMERSでの経験をうまく生かせました。

SARSとMERSについてはコチラ

www.multilingual-doctor.com

中でもこの2国をみて共通しているのは管理体制です。

ともに、陽性患者の位置情報をアプリで公開しています。当然、両国でもプライバシー・人権侵害だという批判はありました。ただ、国民間では「こんな時だからしょうがない」という見方が多かったそうです。

また、マスクに関しても2国とも個人情報を徹底管理し、みんなに平等にいきわたるようにしたこと、これも混乱を減らしたでしょう。

国の背景や個人情報管理への考え方が違うので、日本に完全な形で移植するのは無理ですが、将来の新たな感染症のときのために日本スタイルにして取り入れれるものは取り入れるべきですね。

 

アメリカも再開に向かう

多数の死者を出したアメリカも経済活動再開に向け動いています。5月に入り、8つの州で一部の経済活動を再開しました。

ニューヨークなどは慎重な姿勢を保っています。

感染管理のための social distancing を続けながらの再開に、ロボットを活用する話も出ています。ただ、ロボット化があらゆる分野に広がると、感染収束後の雇用の問題も起こりそうです。

非常に難しいですね。彼方を祝えば此方の怨み

 

英語学習

ニュースからパクる1

今回もNHK worldの記事を利用して、今使える言葉をパクって表現力を上げていきましょう。重要なことは、自分が使わないであろう言葉はパクらない。効率が悪いです。

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何の話かはわかりますね?(笑) 金正恩氏の話ですね。

高校とかで woud rather は習うんですが、自分でどう使っていいかあまりわからず使わない人も多いのではないでしょうか。

僕もそうだったんですが、アメリカ人に聞いたときにハッとしました。相手にやんわりと断るときに使うんだよと。

"Sorry, I'd rather not go today." これ、使えるようになりましょう。

あと、『~についてコメントする』はcomment on ~ もそのまま使えますね。

 

ニュースからパクる2

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これ、僕もつい先日ミスったんです。「80%くらいの乗客が減った」という表現をしたかったときに、勢いで

 "80% of passngers are... (アレ?なんか変だ)"

今でもこういう初歩的なミスをたまにやってまうんです。(笑)

数字の増え具合や減り具合を言うときは by を使うことはみんな習って知ってるのですが、意識しないと忘れますので、もう一度確認しておきましょう。

『知ってる』『読んでわかる』→『それを使いこなせる』にすることが重要です。

 

ニュースからパクる3

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最近のニュースで「感染拡大を抑える」という意味で to curb the spread は頻出です。 contain(食い止める) を使っても似たような意味になります。

contain はほかに contain China のように「中国をけん制する」という意味でも使います。

最後に、 stay home ですが、当然 home は副詞なので前置詞は不要です。もしかしたら stay at home という表現を目にした方もいるかもしれません。(このときの home は名詞です。)

どちらも正解です。大まかにはアメリカは stay home, イギリスは stay at homeをよく使うくらいのものです。

慣用句として be at home, feel at home, make onself at home などのように「くつろぐ」という意味でat homeはよく使いますね。

 

いかがでしたか。

少しでも今後役立ちそうならば幸いです。

ではまた(^^♪