いよいよ12月で寒さと乾燥でウイルスにとっては最高の季節になりました。新型コロナさんは冬を迎えた北半球で軒並み攻撃力を高めています。
さて、今回はアメリカとイギリスの内容の記事からまた色々と話を広げていきましょう。キリスト教にとって重要なクリスマス、これらの2国の対応はどう別れるるでしょうか?
ニュース①(米国)
さて、まずはアメリカの内容から行きましょう。難しくないのでさらっと読んでみてください。
アメリカのCDC*1が、新型コロナ感染者数の急増に伴い、国民に対して サンクスギビングデーの旅行を控えるようにと声明を出しました。
火曜日の1日だけで17万2935人の陽性者が出ました。アメリカ国内で現在8万8000人以上が入院加療中で、うち1万7000人以上がICUにいるということですね。
日本は重症者数が400人を超えたとニュースで騒いでいますが、桁が違いすぎますね。これ、あとでさらに深く見ていきましょう。
サンクスギビングデー
Thanksgiving Day というのはアメリカとカナダにある収穫感謝祭です。これは祝日になっており、アメリカでは毎年11月の第4木曜(今年は11/26)、カナダでは10月の第2月曜と決まっています。
アメリカでは伝統的に家族で集まって七面鳥を食べるため、Turkey Day とも呼ばれます。アメフトの試合もこの日に行われる重要な祝日なわけです。
翌日の金曜日も祝日で、こちらはブラックフライデーと言います。ここ最近日本でも導入されてますよね?それで、木~日までの4連休となるわけです。
宗教色も最近は薄まり、日本でいえば "お盆期間" のようなもんです。
ブラックフライデー
Thanksgiving Dayの翌日の金曜日は Black Friday と呼ばれます。実はこの日は祝日ではないのですが、準・祝日扱いでほぼほぼみんな休みます。
感謝祭を記念して多くのお店がセールを行うことで、アメリカの1年で一番商品が売れる日とも言われています。
元々は、買い物客が殺到して警察官の仕事が増えて、Black Friday と名づけられたそうですが、お店からすれば『黒字の金曜日』だということでどんどん広がりました。
また、ブラックフライデーはクリスマスまであと1か月を切るので、クリスマス商戦の重要なスタートのタイミングとしても重要とされています。
ニュース②(英国)
さて、イギリスの方はどういう対応を取るのでしょうか?
黄色下線部のso that S V の構文は大丈夫ですね?要は、『コロナ禍でも家族がクリスマスに集まれるように』という意味です。
イギリスは欧州の中でも一番被害が大きく、5万人以上の死者数を出しています。しかしながら、クリスマスは彼らにとっては非常に重要な行事であるため、ボリス・ジョンソン首相はクリスマス期間の5日間のみ自粛生活を緩和するというものです。
最後の throw caution to the wind という表現はご存じでしょうか?直訳すると、「注意を風に捨てる」です。意味としては、日本語の ”気が緩んでしまう” に近いです。
日本は極めてマシ
アメリカは Thanksgiving Day の集まりを控えるように、一方、イギリスはクリスマス期間のみ家族と会えるように制限を弱めるという別の対応を取ることにしました。
ところで、二つの記事で出てきた数字をみていかがでしょうか?アメリカは1日で17万人以上の陽性者が出ています。ちなみにアメリカの人口は日本の倍ですね。
そう、日本の”感染者数”は圧倒的に少ないんです。もちろん台湾なんて4月から1例も出てませんからすごいですが、厳しい法的措置がない日本でこの数字は実はかなり優秀なのです。
だからと言って、楽観視しろということではありません。
ところで、こんな少ない数でメディアが嬉しそうに「医療崩壊」という言葉を使うのって不思議じゃないですか?
病院・病床数は多い
日本は世界で一番病院の数が多いのはご存じでしょうか?8000以上の病院があります。2位がアメリカで、5000くらいです。それを考えると日本の病院の数は異常に多いのです。(ま、病院は多いが医師が少ないという問題はある)
病床数でも人口1000人当たり13-14床と世界一の病床数を誇る日本です。
では、なぜ世界一の病院数を誇る日本が世界的に見ても少ない感染者数でこんなに問題になるのだと思いますか?
▼日本の医療の特殊事性▼
指定感染症
新型コロナウイルス感染症は、指定感染症に位置づけられました。あれからもうすぐ1年です。指定感染症にしていると、ある程度大規模の病院など以外では、その感染症の患者は診れません。
▼指定感染症▼
例えば、インフルエンザは5類感染症という一番下のものです。つまり、一般のクリニックで検査して、全体数だけ後で報告するパターン。
以前から、日本ではインフルエンザよりも死亡者数が少ないし、5類にすればいいとの意見もありました。そうすれば、一般のクリニックでも簡単に検査できて、必要な人は入院、軽症なら自宅待機の選別も早くなります。
しかし、政府はこの指定感染症を2021年2月以降も継続すると発表しました。
医師会の存在
指定感染症解除に反対する勢力といえば日本医師会を思いつくのではないでしょうか?医師会というのは、簡単に言うと開業医の集まりだと思ってください。勤務医は属していないことが多いです。
新型コロナ陽性が自分の診療所や病院で出たら風評被害で患者が来なくなるという心配や、まだ完全には解明していない感染症を自分たちが関わるのは嫌だという思いもあるのでしょう。それはもちろんわかります、経営の意味では。
医師会は自民党のバックにいますから、圧力をかけたのかもしれません。真偽は知りませんが。(笑)
つまり、指定感染症である限り、「うちは指定病院じゃないので見れないんです」と言って断る免罪符になるのです。
これが、日本が病院数世界一なのに、こんな少ない感染者数で『医療崩壊』と言われる根本です。国民の自粛が足りないからではありません。
では、また(^^♪
*1:疾病予防管理センター