「手洗いとうがいを」
コロナ禍で何百回も耳にしたこの助言。ほとんどの方は、そんなことわかってるからもっと目新しいことを言え!と思うはず。しかし、実際医療をしているとわかりますが、その基本ができていない人は意外と多いのです。
手がどのくらい汚いのかという話をするときに、スマホの話をよくします。スマホの画面は普段使っているうちに脂で汚れたり、少しホコリの繊維が付いたり、すごく汚いんです。
過去にはイギリスの保険会社の研究結果では、スマホの画面は便座の10倍、細菌やウイルスが付着しているなんてことも有名ですね。それだけ、あなたの手は普段汚れているんです。
しつこいくらい、基本の『手洗い』を言うのは悪いことではないと思います。(あと、他に対策がないから個人レベルでできるのはこのくらい)
今回のニュース
さて、例によって英字記事から話を広げていきます。
今回の記事も大して難しい部分はありません。英字記事の特色と、覚えておくとよい表現などがあるので、それだけ確認しておきましょう。
この記事の1段落と2段落では同内容を言い換えているのに気づきましたか?同表現を避けるというのが記者の ”プライド” なので、2回目は言い換えています。例えば、『基礎疾患を有する者』という表現や、『高齢者』という表現をそれぞれ上図のように言い換えています。
こうやって見ていくとおもしろいですね( *´艸`)
あとニュースでよく出てくる phrase も確認しておきましょう。to and from ~ ですが、これはGo Toトラベルキャンペーンの記事では頻出でした。日本語の『発着』とは逆で、『着 and 発』となります。
in line with ~ もしょっちゅうみかけます。「~の通り」「~と合致して」という意味で使われます。
わかりやすい標的
いわゆる「第3波」に突入した日本国内では、メディアを中心に Go To トラベルキャンペーンが諸悪の根源と言わんばかりの論調で政府への批判を行っています。
ついこないだまで、Go To トラベルキャンペーンとホテル独自の割引でこんなにお得に泊まれるんです~みたいな特集してたTVはどの面下げてやっとるんですかね(笑)
もちろん、Go To トラベルで一部の人が感染したのは事実でしょう。ただそれが諸悪の根源でしょうか?冬になったらコロナが増えるなんてみんなわかってたことですよね?
この感染症は感染してから症状出るまでの時間差が顕著なので、因果関係がわかりにくいんです。つまり「Go Toが悪い!」とも「Go To は悪くない!」とも言い切れないんです。つまりは正解がないんです。
あとは、コロナの陽性者数が増えている、重症者が増えており、病床がひっ迫しているという内容を報道をすると、人間は自然と理由を求めたいんです、自らの安心のために。
そうなるとこの ”わかりやすい標的” が使われます。
病床ひっ迫の原因
これは前回も書きましたが、日本は世界で一番病院数が多いんです。はたまた先進国の中ではコロナの被害がかなり小さいんです。それなのに病床ひっ迫っておかしいでしょ。
▼日本の”医療崩壊”▼
なぜ、世界一病院数が多い日本で、感染者数も死者数も少ないのに医療崩壊目前といわれるのでしょうか?
結局は法の縛りのせいです。指定感染症にしているから、決められた病院でしかコロナ患者は診れません。それにより一部の大病院にだけ負担がいくシステムになっているのです。救急車のたらいまわしもこれが原因。
小さい病院やクリニックでは、正直診たくない。一人でも陽性が出ようものなら、風評被害で患者が来なくなって経営が成り立たないからです。それをまとめるのが日本医師会で、指定感染症を外すことには反対しています。(大病院の医師はほとんど医師会には属していない)
しかし、そこを批判されたら困りますから、何か「わかりやすい標的」が必要ですね。もうわかりますね。。笑
当たり前に増えている
ところで、第3波で「史上最多」を連日更新しているわけですが、これについてみなさんはどう思いますか?「やっぱり今回は今までと違ってヤバい?」
ウイルスが春や夏から変異しているのは間違いない事実です。
よーく思い出してくださいね。今年の1-2月も日本は冬でコロナを経験しています。その時はまだまだ少なかったですね。さらに当時は簡単には検査ができなかった。
つまり、このときの「感染者数」なんて比較できないんです。ということは、ちゃんとしたデータとしては今が日本で初めて winter with コロナ なんですね。ここ忘れてはいけません。
第2波の夏よりも、低温・低湿度の冬がウイルスにとっては条件がいいことも紛れない事実ですね。そしたら、そら「過去最高」を記録しますよね。当たり前ですね。
11月2日からロックダウン中のドイツは1か月経ちましたが、感染は落ち着くどころか1日あたりの死亡者数は最大になっています。つまりは、経済を大きく犠牲にして人の出を減らしても大きな効果は見込めないんですね。
しかし、それでも納得がいかないという方もいるので、データからも見ていきましょう。
データで見る①
春や夏のときもこのブログで紹介した東洋経済のコロナページは秀逸で県別のデータもみれるし、再生産数*1も確認できます。この値が1を切れば自然に収束に向かうのでしたね。
このグラフを見るときはピンク色の線だけを見ればいいです。これは移動平均線と言って曜日ごとの偏りを無くしたものです。
どうですか?検査陽性者数は増え始めて11/23頃から少し横ばいになったように見えますね?重症者数も11/26頃からそんな感じですか?重症者は1週間ほど遅れて出ることが多いのでもう少し見なければわかりません。(※あと重要ですが、死亡しても重症者からは消えます)
死亡者は、さらに遅れて上がるので、現在はまだ上昇にみえますね。
これらのグラフからは、第3波もある程度ピークには達しているのかな?と考えられそうです。
データで見る②
続いて、実効再生産数を見ていきましょう。
どうですか?左から全国、北海道、東京都です。どこも第3波の拡大期には1.5前後までありましたが、今は1.03-1.04、北海道に至っては1を切りました。(これで Go To 対象外はなぜ?w)つまりここからは急増は考えにくいんです。
もちろん、海外からまた別の変異種が入ったら話は別ですが・・・
ちなみに、第2波のときの実効再生産数って覚えていますか?全国平均で1.86、東京都も1.8くらい北海道は3近くまで行ってました。
つまり、夏と比べ、一人の感染者がウイルスを移す人数は少ないが、総感染者数は増えているということです。これが何を意味するか分かりますか?
人間やウイルスの原因ではなく、それ以外の、つまり自然・気候が原因で一般的に感染しやすくなっていると考えられますね。
これは不安の募る中でのいいニュースですね。いまの気候で1人の感染者が2-3人に移すようなもんであれば、急増どころか爆増ですわ。
第3波は実は、季節性を表しているだけ!(少なくとも現時点ではね)
なのかもしれません。これは終わってみないとわかりませんが('ω')
では、また(^^♪
*1:一人の感染者が何人に移すか