友人の女性がシミが増えたと悩んでいました。「高いけど美容レーザーかなぁ・・・」と。
基本的にわたくしは保守的で慎重な人間です。
もちろんいきなり何かに飛びついて失敗したことも数々ありました(笑)
今回はこのシミの話を通して、これまた何回もこのブログで扱っている”俯瞰”という戦法について考えていきましょう。
カルト宗教の常套手段
”不安を煽る”ことはよくカルト宗教の常套手段といわれます。
作ってみたものの、めちゃくちゃ優しいカルト宗教ですね。(笑)
真っ当なこと言うてるし (^^ w
冗談はさておき、恐怖や不安を煽ることで、相手は「なんとしても助かりたい」という気持ちになるわけです。そうしていくうちに”洗脳” となっていくのでしょう。
要するに、この手法を使えば、僕ですら毎回「あなたはこのままでは助かりそうにもない。しかし、私の力の限りを尽くしてみます」と言って治療し回復すればカリスマ医師になるわけでしょうか。。。笑
話がそれました。何が言いたいかと言うと、不安、恐怖、悩みがあると人間は判断力が鈍ります。ではその状況を打開するにはどうすればよいか。
簡単です。一息ついて一歩下がって俯瞰することです。自分でしっかりと調べて、判断するのが理想です。(ま、なかなか難しいですがw)
まずシミを知ろう
ここからはシミの悩みを例に見ていきましょう。
悩んでいる本人からすればその「悩み」が大きかろうが小さかろうが、消え去ってくれると”満足度”が一気に上がるわけです。
コンプレックスビジネスと言いますか、「あなたの悩みを解決してあげますよ」という名のもと高額なビジネスを行うこともあります。
違法だとは思っていません。”需要”があるからこそ高額になるのです。ブランドのバッグと同じですね。
こんなのに飛びついてはいませんか?
「やせ薬」「背が伸びる薬」「小顔になるクリーム」「女にもてるフェロモン香水」などなどいくらでも例はあります。。
本当に飲んで効果のある薬なら医者が病院で処方しています!これがすべてと言っても過言ではありません。しかもその場合は保険診療できるので3割負担でいいわけです。
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シミの基本
いきなり何も知らずに美容外科に行くのも手ですが、”一般的な病院”とは違います。何を言わんとしているかは、ご察し下さい。(笑)
シミは肝斑(かんぱん)ともいい、30代くらいのアジア人女性に多くできます。
プロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンが関係し、特に妊娠やピル内服をきっかけにできることが多いです。
肝斑の発生は、紫外線によりメラノサイト(色素細胞)が刺激されて色素沈着したと考えられています。
※洗顔時のゴシゴシ洗いは肝斑の原因になるといわれています!優しく洗いましょう
内服治療
まず、知っておきたいことは妊娠中の肝斑は多く出産後に改善することです。
それでも改善せず、気になる場合は内服+日焼け止めが基本となります。内服薬に使われるものはトラネキサム酸とビタミンCがメインかと思います。
トラネキサム酸というのはもともと止血剤や抗炎症薬として使われています。紫外線などによりメラノサイトが刺激されるのを抑え、色素沈着を阻害します。ですのでトラネキサム酸は「美白の薬」として知られるようになりました。
副作用は少ないですが、ピルを飲んでいる場合は注意が必要です。ピルにもトラネキサム酸にもともに血栓を作りやすくする作用が含まれているからです。
外用薬(塗り薬)
まず基本は紫外線を予防する日焼け止め(sunscreen)が重要です。
▼紫外線と日焼け▼
ハイドロキノンというものをお聞きになったことがあるのではないでしょうか。これは写真の現像に使う漂白液です。ハイドロキノンは昔から広く使われてきましたが少し副作用が多いのです。
接触性皮膚炎といってアレルギーや色素脱失といって使用した部位に”白抜け” や"黒ずみ"が起こることも報告されています。
ラットの研究では発癌性があったとする報告もあり、イギリスでは使用禁止となっています。日本では現在濃度を低めての使用のみ許可されています。
イオン導入
美容に使われる薬剤や美容液は分子量が大きいため、湿布のように貼っただけではうまく皮膚に浸透しません。
そこでイオン導入(iontophoresis)と言って微量の電流を流すことで、皮膚の透過性を上げ(=分子量が大きくても汗腺を通じて中に浸透させ)ます。
ビタミンCやトラネキサム酸などの ”美白成分” を浸透させます。
このイオン導入では「イオン化」できる物質のみ送れます。それ以外のものを送るには超音波導入(phonophoresis)を行います。日本の美容ではソノフォレシスとも呼ばれます。
ケミカルピーリング
ピーリングの原理は簡単に言うと酸性の物質を皮膚に当てて無理やり傷を作って創傷治癒の過程で新しい皮膚を作ると言うものです。
一番外の角質層のバリアが取れるので薬が浸透しやすくなります。ニキビや色素沈着に効果があります。
使われるものはグリコール酸やサリチル酸です。グリコール酸は天然にあるもので、果物にも多く含まれています。だから顔にフルーツを貼ったりするのですね。笑
レーザー治療
過去には肝斑に対するレーザー治療は、施術後に色素沈着を起こすことがあることなどから推奨されていませんでした。
ここ最近肝斑によく使われるのはレーザートーニングです。レーザーの弱い版だと思えばいいです。現在多くの美容外科で肝斑にレーザートーニングは主流とされていますが、それに異論を投じる医師もいます。
少なくとも肝斑のレーザー治療は内服などを試したけれども効果がなかったら最後に考えるものというくらいの位置づけでしょうか。
▼レーザー治療についての記事はコチラ▼
シミのまとめ
何の知識もなく、とりあえず美容外科へ!としていると、難しい専門用語をたくさん聞き、よくわからないので勧められた治療をそのまま受けることになります。
特に美容業界は”自由診療”といって保険を使わない診療です。支払額も多くなるので少し勉強してからいくのがいいでしょう。(もちろん内服は保険が使えます)
では、また(´・ω・`)BYE