マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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歯医者さんがコンビニよりも多いのはなぜだろう

ごくたまに歯が痛いときがあるんです。

この前も1週間ほど痛みが続いたから虫歯かと思って

歯医者さんに行ったら、何もなかった・・・笑

 

今回は

『歯医者さんが多すぎる』問題について

学びましょう。

 

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歯学部の定員は2500人

全国にある歯学部(国公立・私大)の定員はなんと2500人

ちなみに医学部は9000人くらいです。

医学部は医師になってから消化器内科、循環器内科、耳鼻科、心臓外科、整形外科、精神科などなど多数の専門科に分かれていきます。

 

歯学部は歯科の単科で2500人です。医学部の1/3弱も定員がいるのです。

明らかに過剰ですね。

 

なぜこうなった?

戦後から日本が徐々に回復していく過程で、問題視されたのが齲歯*1

1960年代に7校しかなかった歯学部がその後 国の政策により急増しました。

*229校にまで増えた。つまり私立大学が急増しました。

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その後、歯磨きなどの口腔ケアが定着し齲歯は一気に減少しました。

しかしながら、歯学部の定員を減らさなかったため歯科医過剰となっています

歯学部の定員を減らさなかった理由は簡単で、定員を減らすと授業料収入が減ってしまうからです。

 

コンビニよりも多い

現在歯科診療所の数はコンビニより多いです。

歯科は医師と違い開業の割合が圧倒的に多いんです。

しかし、齲歯の患者は減っています。となると、当然儲けにくくなる・・・

 実際廃業する歯科診療所が後を絶たないそうです。

 

歯科医の友人によると齲歯治療だけでは成り立たないので、インプラントや矯正、ホワイトニングなどの美容での競争も重要だと。

 

医師・歯科医師に定年はない

医師も歯科医師も明確な定年がありません。そのため、医師も歯科医師も増加する一方なのです。定年制を設けるべきであるという意見も出ています。

 

国の思惑と対策

  1.  定員を減らしたい
  2.  歯科医の質を下げたくない

1.は大学が授業料収入が減るため反発するから難しいです。

そこで1と2を両立するために、

国家試験合格率を下げて歯科医の数を制限している

また、合格率の悪い大学に対しては助成金を減らす

などが行なわれています。

 

留年が増えた

上記の方針により、

大学としてはなんとしても合格率を高くしなければいけない!

その方法で一番手っ取り早いのは

成績の悪い学生に国家試験を受けさせないように留年させることです。

これは医学部でも同様の風潮があります。

 

医学部や歯学部の学生は何年留年しても【学部の卒業】【国家試験合格】は欲しい。

卒業見込みでないと国家試験受験資格がありません。

 

わざわざ高い授業料を払って私学に行ったのにその目的を果たさないわけにいかない。

そのため何年留年して授業料を払ってでも学生でいるということです。

大学は定員を減らすことなく、さらに留年生の授業料まで得られるという。

 

医師はどうか

現在【医師不足】が声高に叫ばれています。

医学部の定員を増やすなどしていますが、このままの状況では将来的には同じように医師の過剰を招く恐れもあります。

医師不足に関してはまた別の機会にお話し使用と思います。

 

 

*1:虫歯のこと

*2:2020年1月現在