マルチリンガル医師のよもやま話

マルチリンガル医師の世界観で世の中の出来事を綴ります

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転勤は拒否できるのか?

仲良くしていた とある業者の方が訪ねてきた。

「実は私今月で急遽、高知の方へ転勤となりまして。ご挨拶に伺いました。」

本当にすごいし、大変だなと思った。顔見知りの医師を順に回って転勤の挨拶。

 

我々医師にも転勤はあります。

しかし、大企業みたいに関西から九州とか、北陸へ移動などといったことは珍しい。

 

ふと思った。

転勤は拒否できるのだろうか・・・

 

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転勤には理由が必要

使用者が労働者に転勤命令を行う場合には、原則として根拠が必要

→実際は就業規則などで会社側に人事権が認められている

日本ではよくあるが、海外では珍しいそうです。

 

要するに、転勤させるにはそれなりの理由が必要とされていますが、会社の就業規則で人事権を認めているので、会社に言われたら仕方がないといったところでしょうか。

 

転勤の目的

主に言われている転勤の会社側からの言い分は簡単に言うと

  • 別の部署、違う地域での仕事で様々な経験をさせる
  • 同じ場所にずっといることで生じる”慣れ合い”をなくす
  • 人気な地域、不人気な地域での勤務をみんなで分担させる
なるほど、もっともな言い分ですね
 
あとはよく聞く言葉「左遷」
 

左遷

問題児や大きなミスを犯した社員を懲罰的にへき地へ送ること
なぜ 「左」なのか
 
これは古代中国からの伝わった概念ですが、時代によって左右どちらが良いかは違っているようです。
 
例えば
  • 漢の時代では 右>左
  • 唐の時代では 右<左
  • 元の時代では 右>左
  • 清の時代では 右<左
と言った風に違ったといわれます。うん、ややこしい。
 
左遷と言う言葉は漢の時代に使われており、その時は右>左なので左遷は悪い意味合いとなりますね。
 
 

日本語での右と左

日本語での意味合いもやはり中国からの影響を受けています。中国から入って来た時代により意味の変化を受けています。
 
・右に出るものはいない → 右>左 の概念
 
・奈良時代の右大臣<左大臣 → 右<左 の概念
 これは唐の影響とされる
 

転勤を拒否すると・・・

さて、話は戻って・・・転勤を拒否したらどうなるのか。
 
最初にも書いてあったが、就業規則などにより転勤は受け入れるしかない!
会社とそういう契約の上で、雇用されているため
 
拒否すれば
簡単に『業務命令違反』となり、懲戒解雇や ”自己退職” が待っているかもしれない。
 
30年ほど前に裁判で転勤拒否に対する懲戒解雇は合法という判決もあるので、おそらく拒否は基本的にはできないと考えるべきでしょうかね。
 

「この度、高知に転勤になりました」を英語で

では、最初の話であった
「この度、高知に転勤になりました」を英語で何というでしょうか
 
転勤する を表すには transferという動詞を使います
そう、列車の「乗り換える」の意味でも使う動詞ですね
 
tranferは他動詞と自動詞両方の使い方があります。
1)他動詞 transfer 人 or 物  to ~
   人 or 物 を ~へ移す、移動させる 
 
2)自動詞 transfer to ~  
   ~に乗り換える、~に移動する
 
転勤するを言うには1) 2)どちらでも言えます
1)他動詞 I will be transferred to Kochi.
2)自動詞 I will transfer to Kochi.
 
意味は同じですが、1)の受動態の方が ”会社の決定”という空気が読めますね
 
最後に「~することになりました」ですが、、、
日本人がよく使う表現ですね。
 
It is decided that ~ で表せますが
僕自身はわざわざこれを言わず省略して構わないと思っています
 
日本語の細かいニュアンスを英語で完全に表現するのは無理です!
 
電車などの多言語アナウンスをよく聞いてみてください。
日本語の案内はすごく長いけれども英語はすごく短いです。
 
もちろん国内で日本人客がほとんどなので日本語だけ詳しく言っているのも事実ですが
日本語の案内はよく言えば「スーパー丁寧」悪く言えば「回りくどい」なのです
 
 
結論:この度 高知に転勤することになりました
           I will be transferred to Kochi soon.
 
これで十分です